カレーを食べるとき、人はスプーンのことを考えない
こんにちは。エンジニア部です。
変わったタイトルですが、これはプロダクトデザイナー・深澤直人さんが、UNIVERSITY of CREATIVITYの講義で語った言葉です。
深澤さんが掲げるコンセプトに 「WITHOUT THOUGHT(考えなくていい状態)」 というものがあります。
ここでタイトルに戻るのですが、カレーを食べる時、スプーンの形、大きさ、重さについて考えたことはありますか?
多分、人がスプーンについて考えなければいけない時は、スプーンが使いづらい時ですよね。
何も考えずにカレーを食べられるのは、スプーンが人の行動から計算されたピッタリのデザインだから。
つまり、意識せずに使えるものこそが、いいデザインなのです。
「スイッチのONは上? 下?」
深澤さんの話には、もう一つ印象的な例があります。
それは「鍵や腕時計を置けるお皿がついた電気スタンド」。
そのスタンドは玄関に置かれることを想定していてますが、
電気のスイッチのONを上にするか、下にするか考えられますか?
実際に電気スタンドが使われる手順を思い浮かべてみると…
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1. 家に帰る
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2. 鍵や時計をスタンドのお皿に置く
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3. その手を返す刀でスイッチを“上に”押し上げて照明をつける
この製品のスイッチは「上に押すのが自然」 なのです。
使われるものは人の行動パターンや環境の中での振る舞いから、形や機能が決まっていくということが分かる例だと思います。
デザインが行動から設計されるのは、Webでも同じ
Webサイトのデザインでも、これはまったく同じです。
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・施工事例を見て、問い合わせたいと思っても入力フォームが見つからない
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・メニューを閉じる場所が直感的じゃない
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・お店に行って相談したい人がどこを押すべきかわかりにくい
こうしたUX上の課題が起こるとき、「ユーザーが自然に行動できるようにする」ことを想像してデザインする視点が忘れられていることが多いのです。
私たちがつくるボタン、フォーム、ナビゲーション、動きのすべてが、「ユーザーの行動に寄り添う」という視点で設計されているかどうか。
深澤さんの話を聞いて、そんな問いを持ちながらデザインやUIに向き合う姿勢の大切さを、あらためて感じました。
エンジニア部でした。