建設業のDXとは?求められる理由と解決できる5つの課題
新聞やSNSなど多くの場面で目にするDX(デジタルトランスフォーメーション)。建築業はDXへの注目度が特に高い分野ですが、具体的に何をすればいいのか、どういったことから取り入れていけばいいのかなどわからないことがたくさんありますよね。
今回のコラムでは、建築業におけるDXとは何か、建築業にDXが求められる理由、導入することによって解決できる課題などDXに関する疑問を解説していきます。今後の導入に、ぜひお役立てください。
コラムのポイント
・建築DXを積極的に取り入れていくことで、人手不足や長時間労働といった現在抱えている問題を解決し、生産性を向上させることができます。
・アナログだと言われてきた建築業界も変わろうとしている中、自社でできることを取り入れながら少しずつ改革を進めていきましょう。
■ 建築業におけるDXとは?
■ 建築業にDXが求められる理由
■ 建築業がDXで解決できる5つの課題
■これから建築DXを進めるなら……
目次
建築業におけるDXとは?
DXに関して語られる場面が増えビジネス用語として定着してくる一方で、いまいち理解できていなかったり、建築業になぜ必要かがわからなかったりする方も多いのではないでしょうか。
そもそもDXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、Digital Transformationの略語で、デジタルによる変容という意味になります。デジタル技術を用いて、生活や仕事、業界が変容していくことをDXといいます。
参考:産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
デジタル技術を用いた変容と考えると、ITとDXは似ているように感じるかもしれません。しかし両者は似て非なるもので、
・IT……既存の業務プロセス効率化
・DX……サービスや商品といったビジネルモデルの変容
こういった違いがあります。DXは、より大きな規模の変容を起こします。
建築DXとは
デジタル技術を使用して、建築業でこれまで行われていたビジネスや仕事のやり方を変革していくことを建築DXといいます。
長年の課題である人手不足を解消しようと建築業界はまさにDXで変わろうとしており、建設現場の生産性向上を目指す『i-Construction(アイ・コンストラクション)』の推進や、『インフラDX 総合推進室』の設置など、国も積極的に取り組むことで建築DXを後押ししています。
参考:i-Construction(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html
参考:インフラDX 総合推進室(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000798.html
建築業にDXが求められる理由
日本では労働人口の現象が大きな社会問題になっていますが、建築業界でも人手不足は深刻な問題です。十分な人材を確保できない中で進む工事で大きな事故が起こる、非生産的な業務が多く効率よく作業を進めることができない、といった問題が蓄積されている中、DXによってインフラを整え、現場だけでなくビジネス全体の作業効率化、省力化は免れません。
こういった状況もあり、建築業でもDXの推進が求められています。
建築業で用いられるデジタル技術
建築DXでは、次のような技術の活用、推進が進められています。
IOT
IoT とは、今までインターネットに接続されていなかった物がサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をできる仕組みのことをいいます。
建設業界では、重機や機材はもちろん、作業員のヘルメットなどをインターネットへ接続することで位置情報や体温などのデータを取得し、作業員や現場監督者の生産性向上を図ります。
5G
通信速度や通信容量が飛躍的に向上した、次世代の通信システム5G。大容量のデータを瞬時に伝えることができるので、ビルや建物の建築時も作業員が現場に向かうことなく遠隔操作で機械を動かすことができます。
ドローン
5Gによってデータ通信量が増えれば、ドローンの活用も促進されます。危険な作業現場でも、ドローンを飛ばしながら3次元データを集めその場で解析、図面化することができます。もちろん、動画を送ることもできるので状況確認が必要な時もすぐに対処することができます。
BIM
BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略語で、3次元の建物のデジタルモデルにコストや管理情報といったデータを追加し、建築の設計や施工といったあらゆる工程で情報活用を行います。現在主流になりつつあり、業務を効率化することができます。
AI
人間の知的なふるまいの一部を、ソフトウェアを使って人工的に再現したものをAIといいます。敷地調査や設計図作成、構造計算、解析、見積計算など大量なデータの解析や処理を進めることができるので、人間の負担を減らし作業を進めることができます。
建築業がDXで解決できる5つの課題
独自の慣習が色濃く残っており、まだまだアナログな部分も多い建築業界。建築業がDXを積極的に取り入れていくことで、業界が抱えている以下の課題を解決することができます。
① 人手不足
危険な作業が多く、労働時間が長い、肉体労働が辛い、といったイメージが強い建築業界。就業者の高齢化が著しく、最近は少子化も相まって、かなり人手不足に悩まされています。確かに、人手不足のイメージが強ければ若者が集まりにくくなるのは無理もない話かもしれません。
しかしDXを取り入れ進めることで、
・IoTやBIMによって長時間労働の是正
・ドローンによって現場の負担軽減
こういった環境が整備されていけば、着実に労働環境を改善することができます。
② 長時間労働
残業や休日出勤など、長時間労働が当たり前になっている建築業。多くの現場では労働時間を紙ベースで管理しており、記入するための待ち時間があったり、抜け漏れがあって労働時間の把握が難しかったりと様々な問題が起こっています。
・労働時間管理アプリの導入
・データをクラウド保管し誰でもどこでも閲覧できるようにする
など、紙ベースからデジタルベースに変更することによって長時間動労は改善され、他の作業も効率的に行うことができます。
③ 危険な作業の回避
高いビルや山間部のダム建設など、危険な作業の多い建築業。死亡リスクは他の業界の5倍とも言われており、危険と隣り合わせの仕事です。
DXが進めば、
・カメラ映像で建設現場を監視し、衝突などのリスク回避
・規定よりも距離が近くなったらオペレーターが警告
・危険な箇所のデータ取得は全てドローンで行う
など安全管理も徹底されるので、危険を回避することができます。
危険とされている作業は全てAIが行い、事故につながる可能性もいち早く察知・回避できれば人の安全を守ることができます。
④ 技術継承
高齢化が問題の建築業界ですが、熟練の技術があるからこそ成り立っている部分もあります。ただ、蓄積された技術や経験が若手に継承されることなく、高齢によって引退してしまうことで技術継承が困難という問題もあります。
しかしAIを活用すれば、熟練の技術を持つ職人の動きを解析し、他の人が再現できるようデータ化することができます。BIMを使用すれば、作業データが蓄積されるので、継承したい知識を関係者間で共有することもできるでしょう。
⑤ 業務効率化
DXによって手作業で行っていた業務を自動化し、効率化を進めることができます。効率よく作業を進め不要な作業をなくすことで、本来やるべき作業や負荷のかかるタスクに集中することができます。
効率的に作業を進められることにより、結果として前述してきた長時間労働はより改善され、事業継承もスムーズに行うことができるでしょう。
これから建築DXを進めるなら……
建築DXを積極的に取り入れていくことで、現在抱えている問題を解決しながら生産性を向上させることができます。アナログだと言われてきた建築業界も変わろうとしている中、自社でできることを取り入れながら少しずつ改革を進めていきましょう。
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