【動画で解説】GoogleのNotebookLMとは?基本的な使い方からplusプラン料金、Gemini・ChatGPTとの違い、活用事例まで徹底解説

膨大なデータや資料の内容をサクサクとスピーディに把握したい時に便利なサービスが、GoogleのNotebookLMです。
しかし、その仕組みや便利さはまだあまり知られていません。
そこで今回は、AIをあまり使わない方でもわかりやすいようにNotebookLMの特徴や無料版・有料版それぞれのサービス内容、基本的な使い方について詳しく解説します。
GeminiやChatGPTとの違いや、NotebookLMの活用事例、使う時の注意点についてもお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次
GoogleのNotebookLMとは

NotebookLMとは、Googleが開発を進めているAIチャットボットサービスで、ユーザーがアップロードした資料やデータの内容を最新AIであるGemini2.0が「理解・整理・分類・要約・管理」します。
2024年9月から無料で使えるようになりました。
他のLLM(※)とは異なり、原則として自分でアップロードしたドキュメントや資料のデータだけが蓄積されてインターネット上の情報を含まないため、ユーザーがデータベース化したい情報を取捨選択できるという訳です。
※LLM:Large Language Modelの略称で、「大規模言語モデル」を意味し、高度な言語理解と生成能力を持つAIモデルを指す。
NotebookLMの主な特徴は、以下の通りです。
すぐに使い始められる
NotebookLMは、Googleアカウントを持っていれば細かい設定は不要ですぐ使い始められます。
分かりやすくシンプルなサイトデザインとチャット形式によって、誰でも直感的に質疑応答や要約された内容の確認、メモの作成、データ共有などが可能です。
様々な資料・データを取り込める
NotebookLMには、以下の情報を取り込めます。
- ・Googleドライブに保存したGoogleドキュメントやGoogleスライドなどのファイル
- ・パソコン・スマホ上にオフラインで保管しているPDFやテキスト形式のファイル
- ・WEBサイト上のテキスト本文
- ・必要な情報が載っているサイトのURL
- ・Youtube動画のリンク
超高度な情報処理と要約の能力が備わっている
NotebookLMは、論文やデジタル書籍などの膨大なデータも、ものの数分で取り込んで要約できます。
また、そこから想定される質問やそれに対する回答も人族に生成でき、さらに音声データ化することも可能です。
ノートブックの情報を共有しやすい
NotebookLMは、ユーザーの作ったノートブック(AIデータベース)を他のユーザーへ簡単に共有できます。
共有した情報を離れた場所で同時閲覧・同時編集できて、業務利用しやすいことから、社内ナレッジのシステムとしてNotebookLMを活用する事例も少なくありません。
作成したノートブックで後から情報を検索できる
NotebookLMでは、一度作成したノートブックはGoogleアカウントに紐づいて保存され、後から必要な情報をキーワード検索できます。
キーワード検索だけではなく、チャット形式での文脈を読み取った曖昧な質問に対応できる点も特徴です。
要約の解説機能が優れている
NotebookLMは、アップロードした情報をテキストで要約するだけにとどまらず、音声解説やマインドマップ(※)化できる点も画期的なポイントです。
※マインドマップ:テーマやアイデアなどの思考を視覚化する手法で、メインテーマから放射状に枝分かれするように関連する情報やキーワードを書き出して整理できる。
ノートブックから音声データへの変換やマインドマップの作成する時間が、数分程度と早いところも便利な点です。
YouTube動画要約機能
NotebookLMには、Youtube動画を要約できる機能が搭載されていて、リンクを入力すると自動で文字起こしして内容を分かりやすくまとめます。
この機能を活用すれば、長い動画でも要点だけ抽出できるので、短時間で内容全体を理解することが可能です。
ハルシネーションが発生しにくい
AIの活用において最も懸念されるのがハルシネーション(※)ですが、NotebookLMはその情報源がユーザーの選択した資料に限定されるため、このハルシネーションが起こるリスクをかなり抑えられます。
※ハルシネーション:AIがインターネット上にある誤った情報を抽出・生成する現象で、正しく情報をさも正しいように出力してしまう。
また、その情報の引用元も回答の文章中にリンクで配置されるため、ワンクリックで該当の箇所に移動できるところも便利な点です。
NotebookLM無料版と有料版(plus・Google One AI)のサービス内容と料金

便利なNotebookLMには無料版と有料版があり、それぞれサービス内容は異なります。
NoteboookLMの有料版はNotebookLM plusで、Google WorkspaceエディションもしくはGemini Educationアドオンに加入すると利用できます。
(参考:Google|Google Workspace の各エディションの比較、Google|Gemini for Google Workspace アドオンの比較)
個人ユーザーの場合は、Google One AI プレミアムプランにアップグレードするとNotebookLMもサービスも含まれるので、ぜひ利用規約をチェックしてみてください。
利用料金は、NotebookLM plus・Google One AIプレミアムどちらも「月額19.99ドル」です。
無料版と有料版の主な違いは、以下の通りです。
異なる点 | 無料版 | 有料版 (plus・Google One AIプレミアム) |
---|---|---|
ノートブック作成数 | 100個/日まで | 500個/日まで |
1つのノートブックに反映させられるソース数 | 50個まで | 300個まで |
チャットでやり取りできる回数 | 50回まで | 500回まで |
作成できるオーディオの数 | 3個/日まで | 20個/日まで |
プレミアム機能の有無 | なし | ・「チャットのみ」のノートブックの共有 ・高度なチャット設定 ・ノートブックの分析 |
有料版のプレミアム機能を使うと、他のユーザーにノートブックのチャットのみにアクセスできるように設定できたり、好みの回答スタイルを指定できたりします。
NotebookLMの基本的な使い方

NotebookLMは、パソコンとスマホで使えて、どちらの場合も決して難しくありません。
パソコンでの使い方
①Googleアカウントにログインした状態でNotebookLMのサイトへアクセスし、「作成」ボタンを押します。

この時点でNotebookLMに取り込みたい資料などを準備しておきましょう。
②「ソースを追加」の画面が出てきたら、情報を取り込む

取り込める情報は、以下のうちのいずれかです。
- ・パソコン上にオフラインで保管されているファイル(テキスト・PDF・動画・音声など)
- ・Googleドライブ上のファイル(Googleドキュメント、Googleスライド)
- 取り込みたい情報が掲載されているWEBサイトやYoutube動画のリンク
- Webサイトに掲載されている本文のテキスト
これらの情報を取り込むことに加えて、最近、新たに「提供元を見る」という機能が追加されました。

この機能を使うと、知りたい情報を含むWebサイトやYoutube動画がリストアップされます。

今回は、国土交通省のサイトからダウンロードした改正法制度説明会の資料(PDF・141ページ)をアップロードします。
③要約された内容に対して、質問を入力する

資料データをアップロードすると、1分も経たないうちにその内容が要約され、質問入力画面にAIが想定される質問を生成されます。
もちろん、任意の質問を入力することもできますが、今回は生成された「改正建築基準法と建築物省エネ法は、日本の建築設計と建設にどのような変化をもたらしますか。」という質問を選択します。
④質問に対する回答が生成される

質問を入力(クリック)すると、太字や箇条書きを交えたかなり分かりやすい回答が瞬時に表示されます。
「音声概要」をクリックすると、数分で音声データが生成されてダウンロードもできるので、情報を簡単にシェアしたい時や移動中などに内容を確認したい時に便利です。

※2025年5月から日本語を含む50の言語に対応
(参考:GoogleNotebookLM|NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に)
「マインドマップ」のボタンをクリックすると、Studioにマインドマップが1〜2分で生成され、それを開くと膨大な情報がフローチャートにまとめられます。

⑤さらに深掘りした場合は追加で質問する

先ほどの質問に対して、AIが追加で「木造建築の壁量基準は何が見直されますか。」「省エネ基準適合義務はいるから始まりますか。」という2つの質問を生成しました。
これらをクリックすると、さらに細かい情報までまとめられます。
今回は1つの情報ソースをアップロードしましたが、関連するファイルやデータを複数追加すると、より深い要約が生成されます。
スマートフォンでの使い方
2025年4月時点ではNotebookLMのスマホアプリは公開されていないため、スマホでもパソコンとほぼ変わらず、ブラウザからサイトにアクセスして使います。
スマホでは音声入力機能を使いやすく、カメラで撮影した写真やスクリーンショットの画像も簡単にアップロードできます。
また、スマホでは通知機能を使えるので、並行して他の作業をしやすい点もポイントです。
ただし、スマホでは回答の細かい文字が読みにくい点と、データ通信量を使ってしまうのでWi-Fi環境で利用した方がいい点には注意しましょう。

NotebookLMの活用事例

NotebookLMは、さくさくと膨大なデータを整理して内容を理解できる点が特徴ですが、使い方次第で色々なシーンで活用できます。
論文・書籍・教科書の要約とマインドマップ化
NotebookLMはボリュームの多いテキストを要約することに長けているため、論文・書籍・教科書などのデータをデジタルデータをアップロードすると、分かりやすくまとめられます。
また、さらにマインドマップを作成すると、情報を視覚的に整理できる点もポイントです。
英文など他言語のテキストを日本語で要約することも可能なので、様々な分野での情報理解に活用できます。
取り扱い説明書の要約
読むのが面倒な家電製品などの複雑な取扱説明書も、NotebookLMを使えば必要な部分だけすぐに確認できます。
また、上手く使えない場合のFAQなどもAIに問い掛ければすぐに答えが見つかります。
最近は様々な製品の取り扱い説明書が紙ではなくダウンロードになっているので、ぜひ一度取り扱い説明書の要約をNotebookLMに任せてください。
オリジナルAIチャットボットの構築
NotebookLMを使えば、情報を特定の分野に限定した“あなただけの”オリジナルチャットボットを簡単に構築できます。
例えば、法令や製品カタログなど全てを読んで理解するのが難しい資料を取り込んでおけば、業務用ツールとしても活用可能です。
社内ナレッジのスムーズな共有
NotebookLMは、社内ナレッジ(※)のシステム化にも活用できます。
※社内ナレッジ:業務に役立つ情報を整備するシステムを指し、1つにまとめて社内で共有すれば、個人の経験則や知識を全員が見られて、業務の効率化・売り上げ上昇・人材育成につながる。
以下の情報を取り込むことで、全員が同じデータを離れた場所からでも簡単に共有できます。
- ・勤務規則
- ・業務ルール
- ・製品やサービスの最新カタログデータ
- ・営業マニュアル
- ・社員の意見や共有したい情報
社内ナレッジを1つのシステム上にデジタル化すると、引き継ぎや技術継承にかかる手間や時間を削減できて、人為的な業務のムラも抑えることが可能です。
議事録の作成
会議中の録音データをNotebookLMにアップロードすると、生成AIの音声認識機能によって、テキスト変換・自動要約されて議事録がすぐに作成されます。
また、会議中に音声データを並行してアップロードしておけば、会議の終盤に質疑応答があっても、速やかに回答できる場面も少なくありません。
社内ナレッジとしてのノートに議事録を取り込むことも可能です。
Youtube動画の文字起こし
NotebookLMに搭載されているYouTubeの動画要約機能を使えば、Youtube動画の文字起こしも瞬時にできてしまいます。
再生数の多い動画を文字起こしして要約すると、知りたい内容を理解しやすいだけではなく、同じテーマでYoutubeの台本を作りたい時にも参考になります。
NotebookLMとGemini・ChatGPTの違い

NotebookLMと似ている機能を持つAIチャットボットサービスが、Googleの提供しているGeminiと、OpenAIが開発したChatGPTです。
どれも膨大な情報を理解して要約する点は同じですが、NotebookLMとGemini・ChatGPTには、情報源や生成できる回答のフォーマット、得意分野などに違いがあります。
比較点 | NotebookLM |
---|---|
ソースの種類 | ・ユーザーがアップロードした情報データ ・指定したURL(Webサイト)上の情報 |
回答の種類 | ・テキスト ・音声データ ・マインドマップ |
得意な作業 | ・情報の整理、統合、要約、管理 ・独自のデータベースからの情報検索や抽出 シンプルな質疑応答 ・FAQ(よくある質問)の生成 ・レポートや議事録、要約音声の作成 |
推論能力 | 推論・データによる推論と情報の特定が可能 |
情報引用元の提示 | 根拠となる情報箇所を文章内にリンクで提示 |
料金 | 無料版あり 有料版は$19.99/月 |
比較点 | Gemini ChatGPT |
---|---|
ソースの種類 | ・ユーザーがアップロードした情報データ ・インターネット上に公開されている情報全般 ・過去の学習データ |
回答の種類 | ・テキスト ・表やグラフ ・生成画像 ・音声・動画データ |
得意な作業 | ・データ分析と要約 ・複雑な質疑応答 ・コンテンツ作成(文章・コード・画像など) ・新たなアイデアの生成やアドバイス ・外国語翻訳 |
推論能力 | 推論・データによる推論に加えて論理的な思考に基づく情報の特定が可能 |
情報引用元の提示 | 質問内容による (質問内容によっては情報引用元のリストが表示される) |
料金 | 無料版あり Geminiの有料版は$19.99/月 ChatGPTの有料版は$25/月 |
一番の違いは、情報の参照範囲にあります。
NotebookLMはユーザーがアップロードした資料やデータから情報を抽出するのに対して、GeminiとChatGPTはインターネット上にあるリアルタイムの情報も参照します。
つまり、GeminiやChatGPTの方が多角的で膨大なデータから情報をピックアップできるということです。
ただし、GeminiやChatGPTはインターネット上の正しくない情報をコピペしてしまう可能性があるので、ハルシネーションが起きたり質問の意図と合わない回答が生成されたりするケースがある点には注意しましょう。
NotebookLMを使う際のデメリットと注意点

NotebookLMは、膨大な資料の内容を短時間で理解したり、ノートブックから後で知りたい情報を検索できたりできる便利なツールですが、使う際には気をつけなくてはいけないデメリットや注意点もあります。
最新情報が反映されない
GeminiやChatGPTとは異なり、NotebookLMにはインターネット上の最新情報は反映されません。
そのため、過去の情報などを要約するのには使えますが、最新トレンドや社会情勢、業界の傾向を踏まえたデータ分析には適していないため注意が必要です。
情報が100%正解とは限らない
NotebookLMの回答画面をよく見ると、一番下に「不正確な場合があります。回答は再確認してください」と表記されます。
NotebookLMは参照データが制限されるためハルシネーションのリスクは低いですが、元々英語で開発されたこともあり、微妙なニュアンスを誤って解釈したり、正しくテキストを取り込めなかったりする可能性もゼロではありません。
そのため、1つのテーマについて複数のソースを追加して、回答の正確性を高めることが重要になります。
情報漏洩のリスクがある
NotebookLMはクラウド上で情報を管理するので、情報漏洩する可能性は少なからずあります。
Googleはアップロードした資料や生成されたノートの内容を暗号化し、その内容がAIのアルゴリズム学習には反映されないとしていますが、不正アクセスから完璧に守れるとは言い切れません。
そのため、社内の機密情報や個人情報に関する資料をアップロードする際には十分注意しましょう。
(参考:Google|NotebookLM でデータを保護する仕組み)
著作権に注意が必要
AIは、情報ソースそれぞれの利用規約や引用ルールまでは確認しません。
生成した回答に著作権の保護対象となる情報が含まれる可能性も十分あります。
そのため、回答をそのままコピペして論文やレポートなどに使わず、参考資料にとどめましょう。
(参考:Google|NotebookLM でデータを保護する仕組み)
情報ソースの文字数に上限がある
NotebookLMで参照できる情報ソースは、1つのソースにつき最大500,000字までと上限画設けられています。
そのため、論文や書籍などのボリュームによっては、データを複数に分けてアップロードする必要があるので注意しましょう。
カスタマイズしにくい
NotebookLMはまだ開発段階のサービスなので、生成AIのモデルや連携サービスを細かくカスタマイズできる機能はありません。
有料版で回答の長さや文体などを変更できますが、社内用のフォーマットに合わせるなどの設定はできないので、業務利用する場合は事前に仕様をチェックする必要があります。
個人用Googleアカウントと紐づくのでデータ共有には注意が必要
NotebookLMはGoogleの個人アカウントに紐づいて管理されるので、会社や組織で情報共有する際には十分注意しましょう。。
何人もの人が関わる場合は、編集や閲覧できる権限を細かく設定するなどの工夫が必要になります。
まとめ

NotebookLMは、膨大な情報を迅速に理解して要約できる便利なツールです。
ただし、同じく生成AIのチャットボットサービスであるGeminiやChatGPTとは特徴が異なり、まだまだ使用する際のデメリットや注意点もあります。
これからNotebookLMを利用する方は、まず無料版でその機能や便利さを確かめて、オリジナルのAIチャットボットを構築してみてください。
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