2017年に発表された建築業界のAI活用実例まとめ(18事例)

2017年は建築業界において、大企業から中小企業までAI関連のトピックスが次々に発表されました。
2018年を占う意味で、直近における建築業界のAI利活用事例をまとめました。

AIを使ったマンション入居者への運動提案(大和ハウス)

発表時期:2017年2月

マンションの共有施設などに設けるセンサーや各戸に1つ配布するウェアラブルデバイスから取得した情報を各個人のスマートフォンやタブレットで閲覧することができる。運動記録や健康管理などのサービス提供している。大型分譲マンションを藤沢市にて着工すると発表した。

参照記事:日経新聞

路面の傷み具合をAIで調べるシステム(福田道路、NEC)

発表時期:2017年2月

福田道路はNECと提携し、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の一つであるディープラーニング(深層学習)技術を搭載した「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」を活用し、一般的なビデオカメラを取り付けた自動車から撮影した路面の映像を分析することで、路面のわだち掘れとひび割れを同時に検出し、路面状況の劣化レベルの判定をする。また、路面の撮影と同時に記録したGPSによる位置情報の活用により、地図データ上で路面状況の確認が可能。これらにより、従来の路面の目視点検や専用機器による調査に比べ、安価で効率的に路面の健全度の見える化を実現する狙い。福田道路は一連の道路の補修・施工計画へのAI利活用と最適化を発表した。

参照記事:日経新聞

AIが住宅の顧客対応をするシステム(野村不動産アーバンネット他)

発表時期:2017年2月

営業社員の代わりに人工知能(AI)が顧客対応するシステムの導入が始まっている。これを行うのは、人工知能ソリューションを提供するAutomagi。すでに野村不動産アーバンネット等が導入を開始。野村不動産アーバンネットで導入された住まいのAI「ANSER」ではQ&Aという基本機能とともに、株式会社MFSが開発した、住宅ローンクレジットスコアである「モゲスコア」の導入によって、勤続年数や家族構成などの属性情報を考慮した住宅ローン借入可能額を試算することが可能となったという。

参照記事:住まいのAI「ANSER」、IOT NEWS

AIを活用した住宅向け24時間365日のチャット対応サービス(エスケーホーム)

発表時期:2017年3月

エクスクウェア(株)(東京都品川区、代表取締役社長:滝本賀年氏)が提供する対話エンジン「TalkQA」のデータベースに必要情報を登録・学習させることで、チャットボット(自動会話プログラム)の最適な自動対応を実現。顧客はチャット形式の専用画面から問い合わせ内容などを入力すると、速やかに回答を得られる。

これまでは問い合わせについては、受付スタッフがメールや電話で回答していきた。自動回答体制を整備したことで、時間外の問い合わせに関してもリアルタイム回答が可能となる。

参照記事:不動産ニュース

建設工程管理AI(大林組)

発表時期:2017年4月

工程管理は、品質管理や安全管理、原価管理と同様に、工事における重要な管理項目だ。一般的な工程管理は、技術者が現場を目で見て確認する。このアナログな作業をAI(人工知能)で合理化する技術の開発を進めているのが大手ゼネコンの大林組。同社が開発するのは、建物の工事写真に写った建材の種類や量をAIで推定して、その結果を基に工事の進捗を自動的に認識させる技術。

工事現場で撮影している記録写真を解析し、写っている資材の完成割合などから、工程のどこまで進んでいるかという進捗状況が判定される。

参照記事:日経BP

AIによる無人化施工システム(大成建設)

発表時期:2017年5月

大成建設は人工知能(AI)を活用した無人化施工システムを開発する。建設機械を自律走行できるようにする制御システムと、作業員との接触を防止する検知システムの技術開発に着手した。建設作業の省人化につながると見込み、2018年度にも盛り土を固める建設機械で検証する。

走行を制御するシステムはまず建設機械に各種センサーを取り付け、熟練作業員が実際に操作する動きなどの情報を取得する。その後、シミュレーターを活用し、様々な現場の状況でどのように作業するかをAIにさらに学習させてシステムを構築する。18年度に試験場で自律走行できるか検証したうえ、19年度にも実際の現場で実証実験する。

作業員を検知するシステムは建設機械にカメラを取り付け、AIを活用して画像データから人か障害物かを検知できるようにした。体が向いている方向から作業員が移動する方向を予測することもでき、危険回避に活用できる見通し。基本的なシステムは開発済みで、ノウハウを今後蓄積する。

2種類のシステムを搭載した建設機械は、土を固める振動ローラーからまず適用する。その後、岩を砕くブレーカーと呼ぶ建設機械にも導入する予定。新システムでは作業を監視するためのスタッフも不要になるほか、ノウハウが複雑なブルドーザーなどでも無人で運転できる技術が開発しやすくなる見込み。

「次世代無人化施工システム」を搭載した自動制御型重機にAIを組み込み、高精度かつ安全に施工が可能な新システムの技術開発に本年度から本格的に着手した。

参照記事:大成建設ホームページ

構造の劣化診断AI(産総研)

発表時期:2017年6月

産業技術総合研究所(産総研)は、首都高技術、東日本高速道路(NEXCO東日本)東北支社、テクニーと、インフラ構造物の打音検査を人工知能(AI)で支援する「AI打検システム」を開発したことを2017年6月1日に発表した。

人工知能研究チームがインフラ構造物の打音検査を人工知能でアシストし、異常度マップを自動生成するシステム(AI打検システム)となっている。

参照記事:日経新聞

AIを使った建築設計と自動施工計画ツール(鹿島)

発表時期:2017年6月

鹿島は建設工事でAIと人間の知見を融合した自動施工計画ツールを導入することを決定した。建物に関するあらゆる情報を持つ3次元(3D)モデリング技術であるBIMを基に、AIが複数パターンの施工計画を提示するもので、2018年度中に試作版を現場に導入。

参照記事:日刊工業新聞

AIをつかった高級住宅向けの照明・家電の自動制御システム(ハナムラ)

発表時期:2017年7月

液晶画面上に表示された、エクササイズのプロ。今日のトレーニングをアドバイスしてくれるこの人は、実はデジタル画像。このサービス「ミラーコンシェルジュ」を開始したのが、ハナムラ(岐阜県羽島市)。高級邸宅向けに、照明や家電を自動で制御できるシステムを施工販売する事業の一環として始めた。

参照記事:IOT TODAY

AIで住宅リノベーションプランを作成するシステム(アイランドスケープ)

発表時期:2017年8月

顧客は専用サイト上でリフォームしたい部位や「間取り変更」、「洋室化」などのこだわりたい工事内容をチェックする。次に「カリフォルニア風」、「北欧風」など4種類のデザインイメージから1つを選択する。最後に、支払い可能な月々のローンを入力すると、たった数秒待つだけで、条件に合う3つのリノベプランを示し、26ページにも及ぶパース図、見積書まで瞬時に作成してくれる。

参照記事:エキサイトニュース

AI搭載のHEMSパッケージ(日本住宅サービス)

発表時期:2017年9月

「AIHEMS」は、インフォメティス(東京都港区)が最新のAI技術で独自開発した「家電分離技術」を備えた小型センサー(約60g)を分電盤に取りつけることで導入・活用できる新しいタイプのHEMSサービス。

参照記事:住宅新報

AIで住宅営業支援(桧家ホールディングス)


発表時期:2017年10月

「ひのくまコンシェルジュ」は、LINE WORKSのトークと、IBMのAIプラットフォーム「WatsonTX」を利用したエクサの「EXA AI SmartQA」サービスを活用したもの。LINE WORKSのトークで文字入力または音声で質問すると、複雑な日本語の意味を理解し、これまで注文住宅事業で蓄積してきたQ&Aデータを基に最適な回答を複数表示する。

参照記事:住宅産業新聞

AIを用いた施工の合理化システム(スマートコンストラクション)にサブスクリプションモデルを導入(コマツ)

発表時期:2017年11月

コマツは、「スマートコンストラクション」のさらなる成長に不可欠なサブスクリプション・モデルの早期構築・実現のため、ビジネスモデル変革を支援するSaaSベースのプラットフォームを導入した。プラットフォームを提供するZuoraが11月7日、発表した。

コマツは、「スマートコンストラクション」を通じて建設業の顧客との長期に渡るリレーションシップを構築するため、現場のニーズに応えるさまざまなサービスをサブスクリプション・モデルにて提供することを目指している。そのビジネスの変革を実現する仕組みのために、自社開発はもちろん、外部サービズの導入についても積極的に進めており、今回その一環として、Zuoraのリレーションシップ・ビジネス・マネージメント(RBM)プラットフォームを導入することを決定した。

Zuoraが提供するRBMプラットフォームは、全ての業種に対して、従来のプロダクト販売のビジネスモデルからサブスクリプション型のビジネスモデル(ストック型ビジネス)へのビジネスモデル変革の支援を行うSaaSベースのプラットフォーム。RBMプラットフォームは、従来のERPやCRM、販売管理などのシステムでは対応できなかった、サブスクリプション・ビジネスの上流から下流までの業務全体をサポートする。

参照記事:ZDnet

構造設計支援AI(竹中工務店)


画像引用元:竹中工務店ホームページ

発表時期:2017年11月

開発するAIシステムのベースとなるのは、竹中工務店が2001年に自社開発した構造設計システム「BRAIN(ブレイン)」。HEROZのAIプラットフォームと、BRAINに蓄積された竹中工務店の“ノウハウのかたまり“ともいえる数百件の設計データ群を利用し、深層学習などによりAIシステムのプロトタイプを開発。その後、このプロトタイプを構造設計者たちが育成していくことで、2020年までに実務上で利用できる自動設計やシミュレーションの自動化手法を確立し、構造設計のルーチン作業の70%削減を目指す方針。

参照記事:日経新聞

AIで土地活用の設計プラン・収支算出(ZWEISPACE JAPAN)

発表時期:2017年11月

不動産テックベンチャーのZWEISPACE JAPAN(ツヴァイスペースジャパン:東京都千代田区)は14日、AIを活用した土地活用の設計プランを行うシステムをリリースした。
場所や面積、建ぺい・容積率などの土地情報を入力することで、瞬時に収益性の高い賃貸アパートの設計プランが表示される。その賃料や収支も算出されるため、そのまま地主や投資家に提案ができる。

参照記事:全国賃貸住宅新聞

AIを搭載した自動搬送ロボットを試験運用(清水建設)

発表時期:2017年11月

清水建設は、自律型ロボットを導入した新たな建築生産システムの構築に向け、人工知能(AI)を搭載した自動搬送ロボット「ROBO-CARRIER」を東京都内の建築工事現場で試験運用する。レーザーセンサーなどで自己の所在位置や対象物を認識しながら資材を所定の位置に自動搬送する。今後都内の数カ所の現場で実証しながら実機の生産を進め、来年後半に本格適用する予定。
同社は、溶接、天井、搬送の三つの作業に自律型ロボットを導入する次世代型建築生産システム「シミズ スマート サイト」の構築を進めている。各ロボットはタブレット操作によりロボット統合管理システムから送信される作業指示に基づいて自律的に稼働し、作業の省力化による生産性向上が期待される。

このうち今回実証を行うROBO-CARRIERは、現場に搬入された資材を同じフロア内で移動・搬送する水平搬送用ロボット。機体上部のレーザーセンサーで取得した躯体などの位置情報とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを照合して自分の所在位置を認識。機体下部の障害物検知用レーザーセンサーと、距離測定用2眼カメラの情報を合わせて自ら走行ルートを選択して、指示された作業場所まで資材を自動搬送する。

参照記事:日刊建設工業新聞

AIを搭載した規格住宅(アキュラホーム)

発表時期:2017年12月

スマートスピーカーやマルチセンサー、ネットワークカメラ、マルチリモコンなど「AI+IoT」機器を採用した住宅をアキュラホームが発表しています。

参照記事:不動産ニュースReport

住宅設備にAI活用(LIXIL)

発表時期:2017年12月

住宅内の様々な機器をスマートフォンやAIスピーカーで一括管理したり、連携させたりすることが可能になる。具体的にはAIスピーカーやドアの開閉、人感・湿温度センサーの条件ごとに「アシストルール」を設定し、特定の機器の操作を行うことができる。

参照記事:itmedia

まとめ

大企業から中小企業まで、2017年は建築業界において多数のAI活用が、各企業から発表されました。

若干AIという言葉が独り歩きしている感はありますが、動きを冷静にとらえたいと思います。

営業→設計→施工という一連の建設プロセスにおいてこれらの技術導入による建築従事者の仕事の変化を、これからクライアント様やパートナー企業の方々と一緒に予測してゆきたいと思います。

それは、「AIが自分の仕事を奪うかも」「今後無くなりそうな建築関連職種を選択しない」といった、ネガティブなとらえ方ではありません。

AI技術をキュレーションして利活用する事で、労働の質を上げる事に意味があると考えています。

今後建築業界で「どんなプレーヤーが、どの領域でAIを使ってくるか」をいち早く察知し、「この先自社に起こる変化を予測」出来てこそ、競争優位を保てると思います。

今年から当社ではAI関連のコンサルティングサービスを拡充する為に、国土交通省が行うi-Constructionに参加を予定しています。

また「建築会社におけるAI導入コンサルティング」をWEB運用メニューに追加しました。

建築業界のWEB運用クライアント様にお役立ていただくべく、積極的に建築業界におけるIT新技術情報をお届けしてゆきます。