建築の集客技術について① ―市場規模・競合性・集客モデル・ビジネスモデルー
平野です。これから数回に分けて、弊社で最も実績豊富な建築の集客技術について書いていきます。
設計事務所の大規模ポータルサイトや、住宅プロデュース事業の検索マーケティングを担当した経験から、建築集客の実践的な方法をお伝えします。
弊社では現在設計事務所さん・工務店さんを中心に、約30社ほどの建築系ホームページの制作・運用をしています。
データを見ていて、毎日本当に面白い発見が有ります。
建築業界にWEB制作会社として何かのお役に立てればと思います。
さて現在はSEOビジネスが終焉を迎え、本質的コンテンツマーケティングが主流です(SEO会社さんがいたら、ごめんなさい)
コンテンツマーケティングというと幅が広すぎますので、この記事では検索マーケティングだけに特化してみます。
検索マーケティングにおいては、大まかにいうと
①市場規模
②競合性
③集客モデル
④ビジネスモデル
が4大要素です。
これらを考慮しながら、施策を打っていきます。
手順1 規模の大きい市場でコンテンツを作成・発信する
まずは①市場規模です。需要の多いWEBコンテンツを作り発信する事が重要です(もちろん、建築のアウトプットに即して進めていきます)。
よくある間違いが、時間と労力を掛けて作ったWEBコンテンツに市場規模が無い場合です。
市場規模が無いと、少ないお客様の取り合いになります。
また市場規模と共に大事なのが、発信頻度と発信ボリュームです。
コンテンツは絶え間なく大量に発信する事が必要です。
手順2 競合の居ない市場で戦う
また、①市場規模はOKでも②競合性が高過ぎる市場はNGです。
多少極端な例ですが、大手ハウスメーカーが対策して競合性の高まったWEBのキーワード(例えば:二世帯住宅等)を中小規模の会社が狙うのは、プロモーション費用の浪費になる可能性が高く、かなり危険です。
市場規模が大きく、競合の居ない立ち位置と方法がねらい目となります。
必要なのは
「自社の顧客がどのようなキーワードを打ち込むか」
「キーワードを打った時の心理」
「閲覧するコンテンツへの期待」
に対する洞察と、本質的な解となるコンテンツ制作となります。
ユーザーが120%満足するように、妥協することなくコンテンツの質を磨き上げる事です。
これが検索マーケティングが成功する最短の道となります。
この時SEOを過剰に考えてしまうのが、ありがちな間違いです。
例えば「地域」×「工務店」等のキーワードが異常に埋め込まれているページが有りますが、大きな機会損失となります。
グーグルを意識し過ぎたコンテンツは、上手く行かない場合が多いのです。
キーワードはニーズそのものです。
この検索者のニーズを正確に把握するために一歩踏み込み、極限レベルまでコンテンツの質を磨き上げることです。
手順3 建築の受注フローを洗練させる
そして、3つ目が③受注フローです。
①市場規模が有って②競合性が低い市場で仮に集客に成功しても、受注フローに不備が多い場合、展開によっては苦しくなることがあります。
資金を際限無く投下して集客出来るなら別ですが、現実的には難しいと思います。
WEB上で完結するビジネスモデルは①広告、②コンテンツで課金、③物販(成約フィー)の3種類で説明がつきます。
必ず3つの組み合わせのどれかになるのが、WEBサービスの法則です。
一方で中小の設計事務所・工務店・専門工事業者における受注はWEB上で完結出来るビジネスモデルが、世界中に未だ存在しません。
この事が、建築の受注の難易度が高い理由の一つです。
他のWEBサービス、例えば楽天のようなEコマースや価格.comのような広告ビジネスとは文化と手法が異なります。
建築の受注は、全て現場との連動が不可欠となります。
特にBtoCの受注で重要となるのが、現場とWEBだけでなく、DM・雑誌等の紙媒体、SNS(FB、今現在はインスタグラム)となります。
これらを絡めて、企画業務の運用性を高め、受注フローをブラッシュアップしてゆきます。
基本として現場・WEB・紙媒体の三角形をつくる事:クロスメディアが必要不可欠です。
WEBやスマホ全盛だからこそ紙媒体の効果が未だに高いのも事実です。
手順4 ビジネスモデルを洗練させる
そしてクロスさせるのは、建築の各領域についても同じことが言えます。
設計事務所のみ、構造設計事務所のみ、施工のみ、建材商社のみ、リフォームのみ、という領域を横断しないビジネスモデルはかなり相場が決まっていてプレイヤーも多いので、疲弊しやすいです。
例えば、設計事務所と建材商社を組み合わせるとか、構造設計事務所と工務店を組み合わせるとか、不動産とPM/CMを組み合わせるとか、2分野の掛け合わせだけでも面白い新規事業が出来るのではと思います。
実際に弊社では構造設計×PM/CM×建材商社という3領域の掛け合わせで建築事業を進めていますが、建築で3種の以上の領域を組み合わせると、本当に面白い新規事業が展開出来ると思います(もちろん事業理念と社会の要請が不可欠ですが)。
まとめ
建築のサービスは概して供給過剰となっています。
様々な要素をクロスすると良いと思います。
という訳で、次回はクロスメディアの効果と具体的な方法についてお伝えします。
(平野)