【動画解説】「建設業の2024年問題」は終わらない|2025・2026年に続く影響と課題、対策をわかりやすく解説

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2025年上半期、建設業は人手不足による倒産件数が過去最多を記録しました。
実は、建設業界は2024年問題・2025年問題、そして2026年問題と、会社経営において度重なる窮地に立たされています。
ただし、国土交通省ではこの現状を打破するために、様々な施策を実行しており、民間でも会社の規模を問わず“未来”に向けた取り組みを行っている企業は少なくありません。
そこで今回は、全国各地の建築業者様へWEB制作・WEB集客代行を提供している『ミライスタイル』が、建設業における2024年問題と2025年・2026年に続く影響、設計事務所・工務店・ハウスメーカーがこれから生き残るための対策について詳しく解説します。
WEBから集客(受注)・人材を獲得するための効果的な方法も紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。
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建設業における「2024年問題」とは

建設業における「2024年問題」とは、働き方改革関連法※によって時間外労働上限(原則45時間/月、360時間/年)が適用され、主に現場での労働環境の大きな見直しが求められ、深刻な人材不足に陥った問題です。
※働き方改革関連法:正式名称は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」で、労働基準法や労働安全衛生法などをまとめて改正し、労働時間・年次有給休暇・賃金などの原則を大きく見直した
働き方改革関連法は2019年4月に施行されましたが、建設業や医師、運輸業など、もともと長時間労働が常態化していた業界には、適合義務まで5年の猶予期間が設けられていましたが、2024年4月にそれが期限を迎えました。
これにより、設計・施工の現場では、働き方改革関連法による労働時間の制限に適用するために、人材が急に不足してしまったのです。
抜け道として「偽装一人親方※」が増え、業界の問題となっています。
※偽装一人親方:従業員として正規雇用しなければいけない労働者を、形式上「個人事業主=一人親方」として扱い、事業者が時間外労働の上限規制や年次有給休暇の付与、社会保険への加入義務を回避する問題
2024年問題の人材不足は、労働関連法の制限だけが関係している訳ではありません。
長時間労働の常態化
国土交通省の調査によると、働き方改革関連法が制定される前までは、建設業における年間の平均実労働時間は1,978時間で、これは、製造業の1,874時間と100時間以上差があり、現場の技術者は、その約40%が4週4休※以下で就業しているのが実情でした。
※4週4休:4週間(=28日間)の間に、合計4日以上の休日を与える方法で、労働基準法において例外的に認められている
2024年以降も、週休2日工事もしくは週休2日交替制工事を実施している企業は半数程度に留まっています。
これらの原因は、慢性的な人手不足に加えて、発注元からの工期厳守に対する重圧や、天候による工程の乱れ、事務作業の煩雑さとされています。
政府の調査によると、建設業への投資額・建設業者数・就業者数は、全てピーク時から大きく減少している結果になりました。
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建設投資額 |
ピーク時の1992年度「約84兆円」 ▶︎2024年度「約73兆円」(約13%減) |
| 建設業者数 |
ピーク時の1999年度末「約60万社」 ▶︎2024年度「約48万社」(約20%減) |
| 建設業就業者数 |
ピーク時の1997年度「約685万人」 ▶︎2024年度「約477万人」(約30%減) |
(出典:厚生労働省|最近の建設産業行政について(国土交通省作成))
ポイントは、建設投資額の減少率より就業者の減少率の方が「2倍以上高い」点です。
つまり、仕事はあっても働き手が足りていないということになります。
就業者の高齢化・若者離れ
建設業は、今、深刻な就業者の高齢化と若者離れに直面しています。
建設業就業者は、55歳以上が「36.7%」、29歳以下が「11.7%」と高齢化が進行しており、現場が回らない問題だけではなく、技術継承も危ぶまれています。
55歳以上の就業者は、あと10〜15年程度でリタイアする可能性が高く、このままでは建設業の人手不足はいつまで経っても解消されないと危惧されています。
また、建設現場の技術職は、ゼネコンやハウスメーカー、設計事務所のように月給制ではなく、日給月給制が適用されているケースが多く、仕事量で賃金の額が決まるため、若者が避ける傾向があるのが実情です。
経済学的に「人材が育たない・離れる産業は衰退していく」のが原則であり、このままでは建設業も同じ道をたどる恐れがあります。
しかし、建設業は人々の安全で快適な暮らしを支えなくてはならない産業であることから、政府は人材確保・人材育成に力を注いでいます。
しかし、2025年・2026年にも建設業が直面する問題は、まだまだ残っているのが現状です。
建設業における「2025年問題」|人手不足倒産が過去最多

2024年4月に建設業で適用され始めた時間外労働の上限規制によって、“表向き”は就業者の労働環境が改善されたように見えましたが、2025年に入るとまた別の問題が発生してきてしまいました。
就業者の高齢化加速
建設業に限らず、社会全体で「2025年問題」が発生しています。
2025年問題とは、第一次ベビーブーム(1947〜1949年)に生まれた“団塊の世代”と呼ばれる人が高齢化し、日本国民の高齢化率※が29.3%、約6人に1人が後期高齢者(75歳以上)になる問題です。
※高齢化率:65歳以上の人口割合
この現状に伴い、建設業でも一気に就業者の高齢化が進み、55歳以上の就業者割合は37.3%と、全産業の平均より15%以上高い割合に達しました。
(出典:一般社団法人日本建設業連合会|建設業の現状|建設労働)
55歳以上の就業者が一斉離職すれば、あとは出生率の低下と比例して新規入職者は減っていくと容易に予測できます。
人手不足倒産の増加
帝国データバンクの調査によると、2025年上半期(1〜6月)に人手不足倒産(法的整理+負債1000万円以上)した202件のうち、建設業は54件と過去最多になりました。
この数字は、昨今、ニュースなどで人手不足が大きな話題になっている物流業を上回る数字です。
(出典:帝国データバンク|人手不足倒産の動向調査(2025 年上半期))
その要因は、人手不足による人件費・外注費の増加によって、キャッシュフローのバランスが崩れることも1つとされています。
就業者不足による工事の停滞
時間外労働の制限により、2025年頃から工事の停滞・工程の遅延に悩まされる現場が増えてきました。
その主な原因は以下のとおりです。
- ・熟練職人の就労時間が制限されたため
- ・業界全体の就業者不足により、作業が遅れても追加人員を確保しにくいため
これらに加えて、今後は高齢化した就業者が一斉に離職し、工程への更なる影響が懸念されています。
1人当たりの業務負荷増加
2024年から始まった建設業の働き方改革により、時間外労働が減って就業者への負荷が減ったように思われますが、実際は企業の受注が過多となり、就業者1人あたりの業務負荷は増えているのが実態です。
もちろん、ルールをかいくぐり違法な時間外労働を強いる企業は少ないですが、就業者のうち、現場をまとめる立場の人は、心理的ストレスが増えているとも言われています。
人件費・資材費の高騰
2024〜2025年にかけて、建設工事費は全国で平均して約5%、建設資材費は約12%上昇しましたが、必ずしもそれと比例して受注額が上がっているとは限りません。
(参考:国土交通省|建設工事費デフレーター)
特に、プロジェクトの規模が大きくなるほど、下請け・孫請けと中小企業の階層が低くなり、その分利益率が低くなる傾向になります。
それによって、企業の経営が圧迫されて、厳しい状況が続いています。
DX非対応による経済損失「2025年の崖」
経済産業省が提唱している問題が「2025年の崖」です。
これは、DX※へ対応しないことによる経済損失を表し、多くの経営者がその必要性を感じていながらも、中小企業では対応しきれていない現状があります。
※DX:Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)の略称で、デジタル技術によって業務プロセスだけではなく社会全体を変革し、新たな価値を創造する動きや取り組みを指す
企業がDXを進めるためには、システムの構築に加えて、既存の業務フローなどの見直しも求められ、国が推進しているものの、建築業界では現場の負担が大きくなかなか進んでいないのが実情です。
しかし、全ての産業がDXを進めなければ、2025〜2030年で最大12兆円/年の経済損失が生じるとシミュレーションされています。
実際に、近年はIT部門の人材不足や、企業における基幹システムの保守・更新不足によって、大企業でもサイバー攻撃を受ける事例が後を断ちません。
(参考:経済産業省|ITシステム「2025年の崖」の克服と DXの本格的な展開)
2024年に始まった建設業における働き方改革(時間外労働の制限)のシワ寄せが、2025年に入り顕著に現れてきました。
そして、新たに人手不足倒産のリスク回避やDXという課題が出てきたことにより、その対応も求められます。
こうした状況は、中小企業ほど負荷が大きく、「受注・引き合いはあるのに収益性が上がらない」という構造的な問題を抱えるところは少なくありません。
そのため、今後、建設業界で生き残るためには、「人材獲得と人材依存への脱却」が重要なポイントになります。
2026年以降に建設業が直面する問題

2025年は建設業において、人手不足などに悩まされる苦難の年となりましたが、2026年には、以下のような問題が起こると予測されています。
- ・2024年に始まった時間外労働時間の規制による影響がさらに本格化する
- ・人手不足と就業者の高齢化がさらに進行する(建設投資額は増加し、就業者数は減少)
- ・人手不足による人件費高騰が深刻化
- ・建設資材の価格高騰は止まらない(円安、原油高)
- ・「下請法」から「中小受託取引適正化法(取適法)※」への改定により、発注者からの一方的な発注価格設定や手形払いが禁止される
- ・若手確保のために「4週8休」の徹底がより一層求められる
※中小受託取引適正化法(取適法):2026年1月に元々の下請代金支払遅延等防止法(下請法)から改定され、取引の適正化を実現するためのルールが明示される
さらに、2027年にはインボイス制度における2割特例※の期間が終了し、企業側の消費税負担が増えます。
※2割特例:免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になる場合、課税標準合計額が80%まで控除される
(参考:国税庁|2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要)
業界では、2026年にいよいよ時間外労働の上限規制が浸透し、コンプライアンスの観点からも、「残業・休日出勤を前提とした働き方」は通用しなくなると言われており、会社の収益性に大きな影響を及ぼすと言って間違いありません。
建築業界では、設計・施工のどちらにおいても、「問い合わせは多いが対応しきれない」「受注しても人が足りない」という悩みを抱えている企業は少なくありません。
中小企業では、「納期遅延による信用低下」や、「従業員の過重労働による離職」、「外注増加による収益性低下」などの経営リスクを実感しているところも少なくないはずです。
そのため、少子高齢化が進む日本においては、建設業においても、従業員の人数確保よりも、IT人材への転換が求められます。
建設業がこれから生き残るための対策

建設業にたずさわる企業がこれからも存続し続けるためには、以下の点が重要な課題になります。
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・現場依存からの脱却
-
・外注依存の低減
-
・作業の省人化や効率化(生産性アップ)
これらによって、たとえ従業員が減っても現場に対応できる経営が可能です。
具体的には、以下の方法があります。
最新デジタル技術の導入
需要と供給のギャップを小さくするためには、人手を増やすか生産性を上げるしかありません。
そこで近年注目されているのが、建設業界におけるデジタル技術の導入です。
| BIM※ | 設計から施工、建物運用にかかわる情報を1つのシステム上に集約して、時間や場所を問わずデータを管理・閲覧・編集できる |
| AI | 計画概要の要約や設計支援、工程・資材の管理などに活用され始めている |
| ドローン | 遠隔からの現場監理や測量が可能になる |
| 施工ロボット | AI搭載のタイプは、現場の状況を踏まえて自動に施工を進められる |
※BIM:BIM(ビム)はBuilding Information Modelingの略称で、設計・施工・管理にかかわる2D・3Dデータを集約できる一元管理システム
これらの技術はゼネコンなどの大企業だけではなく、中小企業での導入実績も増えており、国土交通省は、建設費高騰による市場縮小を防ぐためにも、より一層導入を加速させる必要があるとしています。
〈おすすめページ〉建築業界の新たな常識「BIM」をわかりやすく解説|メリット・デメリットやCADとの違い
労働環境・福利厚生の見直し
建築設計や施工の現場においても、高齢化を脱却し、若者を確保するためには、抜本的な労働環境や福利厚生の見直しが求められます。
フレックスタイム制の導入やワークシェアリングや副業の容認を取り入れる企業が増え、非正規雇用者への福利厚生制度を充実させている事例も少なくありません。
これらの取り組みは、離職者の防止や人材確保に加えて、熟練した技術を持つ就業者による人材育成や生産性向上にもつながります。
人材採用の強化と多様化
全国的に全産業で人材の争奪戦が激化している中、普通に求人活動をするだけでは人は集まらない時代に突入しています。
また、省人化や生産性向上を実現できるデジタル技術(BIM・AIなど)を業務に導入するためには、それに特化した知識を持つ人材が必要です。
デジタル技術を活用できるIT人材を確保するためには、これまでと同じ求人方法や求人スピードでは他社から後れを取る可能性があります。
これらの状況から、建築・建設業界では、会社の規模を問わず、IT人材の確保にいち早く着手できる企業こそ、持続可能性が高いと言えます。
WEBコンテンツの充実化・最適化(ホームページ・SNS)
これまで通りに、チラシや情報誌に広告宣伝費をかけたり、会社説明会を開催したりする方法だけでは、優秀な人材を獲得できないリスクがあります。
そこで効果的な方法が、自社のホームページやSNSを利用した求人です。
総務省の調べでは、「インターネットが情報源として欠かせない」と回答した人は18歳〜40代で75%を超え、企業の求人用ウェブサイトの開設率は83.5%にも上ります。
(参考:総務省|令和7年版情報通信白書|情報収集手段、厚生労働省|求人情報・求職情報関連事業実態調査結果の概要)
つまり、それだけ自社ホームページによる求人活動が重要であるということです。
自社ホームページによる具体的な求人方法は、以下のとおりです。
- ・自社ホームページの開設もしくは既存ページのリニューアル
- ・独自のWEBコンテンツ(コラム・ブログ・施工事例紹介など)発信によるSEO※
- ・地域を限定したMEO※
- ・リスティング広告への出稿
- ・SNS活用によるホームページへの導線づくり(InstagramやYoutube、TikTokなど)
※SEO:Search Engine Optimizationの略称で、日本語に訳すると「検索エンジン最適化」を意味し、検索エンジンで自社サイトが上位表示されるための施策
※MEO:Map Engine Optimizationの略称で、日本語に訳すと「マップエンジン最適化」を意味し、Googleマップなどの地図検索サービスで自社の情報を上位表示させるための施策
これらの施策により、これまでリーチできなかった属性や年齢層の人に自社を知ってもらう機会が増え、大企業と同じフィールドで求人できます。
ただし、ホームページやSNSによる求人は、サイトやアカウントを開設しただけでは効果が出ず、求人・集客効果をアップさせるためには、WEB運用の正しい知識と技術・経験が必要です。
ホームページやSNSからの人材・受注確保には、労力と期間が必要で、スタッフの数が限られる中小企業では、「取り掛かりたくても取りかかれない」ケースは少なくありません。
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まとめ
2024年から2025年、そして2026年と、建設業界には人材不足を中心とした様々な問題が続いています。
それ以降も、少子高齢化が進む日本では、人材確保に加えて業務の省人化と生産性向上が生き残る上で重要なキーワードです。
これからも収益性を維持するためには、中小企業でも今から「IT人材」を確保しましょう。
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