一級建築士の人数推移を最新データで解説|難易度・合格率から見る人手不足の実態と工務店・設計事務所の採用戦略

工務店・設計事務所の経営において重要な人材となる「一級建築士」の登録者数は累計で増加しているものの、若年層は減少し、高齢化が急速に進んでいます。
また、建物の安全性を担保するために関連法令は年々複雑化しており、受験には実務経験も必要なことから、合格率は国家資格の中でも超難関クラスです。
そのため、今後は建築士の高齢化や人手不足が深刻化する恐れがあります。
そこで今回は、全国各地の建築業者様へWeb制作・Web集客代行を提供している『ミライスタイル』が、最新の公式データを基に、建築士の人数推移から見る今後の供給予測や、資格取得の難易度・合格率について詳しく解説します。
工務店・設計事務所の経営において今後取るべき採用戦略も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
【最新公式データ】一級建築士の人数推移から分かる傾向と将来予測

国土交通省が公表する最新情報によると、全国で登録されている一級建築士事務所は合わせて68,549件あるのに対して、一級建築士の数は383,923人に上り、一級建築士の累計人数を見ると、2004年からは増え続けています。
(参考:国土交通省|建築士登録状況(令和7年4月1日時点))
一級建築士事務所の登録数から単純計算すると、1社あたり約5〜6人の一級建築士が登録されている計算になります。

(「国土交通省|建築士登録状況(令和7年4月1日時点)、国土交通省|建築分野の担い手の動向について」のデータを基に弊社にて作成)
しかし、建築士の人数は地域差が大きく、後継者や人手が不足している会社は少なくありません。

(「国土交通省|建築士登録状況(令和7年4月1日時点)」のデータを基に弊社にて作成)
グラフの通り、建築士事務所も一級建築士も東京とその周辺、北海道・愛知・大阪・福岡に集中していることが分かります。
しかし、建築士が集中しているエリアでも、近年は高齢化が進んでおり、一級建築士における60歳以上の割合は2008年の約12%から2024年の約44%と、3倍以上に上昇しているのが実情です。
上の円グラフを見ると、20代〜40代の人数が大幅に減っていて、2008年の約5.9万人から2024年の約4万人と30%も減っていることが分かります。
国土交通省によると、このまま現在の傾向が維持されると、建築士数は2047年までに半減すると試算されています。
建築士と建築士事務所は、建設需要に比例して地域によって偏在しているのが現状ですが、どの地域においても高齢化・若年層不足は共通する問題です。
建設業界では現場就業者の不足が問題視されていますが、これからは建築士の確保も難しくなる可能性が考えられます。
一級建築士の合格率と受験者数の推移

建築士の若年層不足が問題視されている中、一級建築士資格試験の受験者数は直近10年で大きな変化はありませんが、中期的に見ると受験者数は減少傾向であるのが実情です。
その背景には、他の国家試験と比べても低い合格率にあります。
学科試験だけでも、2000年から2025年の平均合格率は18%で、学科試験にパスして製図試験まで合格する人の割合は8〜11%とかなり低く、簡単に受かる試験ではありません。

(「国土交通省|一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者の発表について」のデータを基に弊社にて作成)
住宅の設計を手がける二級建築士の試験は一級建築士よりも取得しやすいとされていますが、それでも学科試験をパスして製図試験まで合格する割合は22〜25%程度です。
一級建築士も二級建築士もこのままの推移が続くと、人口1000人当たりの一級建築士数は40%も減ると言われています。
人口減少によって建設投資額も多少縮小する可能性は考えられますが、建築士の人数が半減すれば、現場にもたらす影響は決して少なくありません。
一級建築士の難易度はなぜ高いのか

建築士は、建物の安全性、ひいては人々の暮らしを守る重要な国家資格であり、他の資格と比べても取得の難易度は高めです。
一級建築士試験は、国家資格の中で医師免許試験や司法試験ほどではないものの、難関資格に含まれ、学科試験と製図試験の両方を突破できる受験者は毎年5人に1人程度です。
特に、設計できる建物の制限がない一級建築士は学科試験・製図試験と2つの“壁”を越えなければ合格できず、大学など専門的な勉強をしていても実際に働けるようになるまでに実務経験が必要になります。
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【建築士における実務経験】
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教育課程の種類によって求められる実務経験の年数は異なりますが、受験前後で合計2〜4年は、実際に関連する仕事に就かなければ資格を使えません。
2019年までは、建築士試験の受験資格に実務経験が含まれていましたが、受験者の減少を解決するために、2020年に改正建築士法が施行され、合格後に実務経験を積んでも資格登録が可能となりました。
(参考:国土交通省|一級建築士試験の受験資格に係る教育課程認定について、国土交通省|令和2年から建築試験の受験要件が変わり、新しい建築士制度がスタートします!)
しかし、重要な国家資格であるが故に、資格を取得するためには、専門知識を学ぶ修学年数と現場で学ぶ実務経験年数を合わせて、6〜7年を要します。
そのため、今後の建築士の大量離職を短期間で若年層の補填によりカバーすることは難しいという構造的な問題を抱えているとされています。
建築設計の現場は、高齢化による今後の就業者減少に加えて、資格取得の難易度によって建築士を急激に増やせない問題に直面しています。
これらの問題に加えて、建物の耐震性・省エネ性向上を目的とした2025年の建築基準法改正により、建築士の業務は増えていて、働く人が疲弊し始めている点は否めません。
そのため、工務店や設計事務所の経営者様は、今後近い将来待ち受けている影響を踏まえた採用戦略の見直しが急務です。
建築士不足による工務店・設計事務所への影響

今後10〜15年で50歳以上の建築士が一斉に引退することが予測されており、中小企業である工務店や設計事務所は大きな影響を受ける可能性が考えられます。
懸念されている主な問題は以下のとおりです。
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スーパーゼネコンや組織設計事務所、有名建築家が主催するアトリエ系設計事務所、大手ハウスメーカーでは、当面は建築士を目指す若手人材を確保できる可能性が高いですが、地場の工務店や小規模の設計事務所では、今後10〜15年で主戦力となる建築士が引退し、人材を補充できない恐れがあるのです。
建築士不足は、いずれ直面する問題ではなく、すでに始まっている問題で、採用活動を後回しにすると、受注機会の損失につながる可能性があります。
実際に、建築業界では、設計・施工とどちらの分野でも、人手不足により需供バランスが崩れ始め、技術者の獲得競争が年々激化しているのが実情です。
会社の規模・業種を問わず「今すぐ動かない会社」は淘汰される可能性は決して低くありません。
これまで安定して若手人材を確保できた企業でも、これからは中期的な経営を安定させるために、より一層採用に力を入れる必要があります。
工務店・設計事務所が取り組むべきWeb運用による採用戦略

工務店・設計事務所が会社の持続可能性を高めるためには、若手人材の確保・後継者育成・技術継承が重要になります。
しかし、建築士は一級・二級どちらも受験者が減少しており、建築業界の採用市場は難しいと言わざるを得ません。
そこで多くの会社が重視し始めているのが「Web運用による採用戦略」です。
建築士を目指す学生や転職を検討する若手の建築士は、企業選びの際に必ずホームページやSNSを確認しています。
会社の強みや業務内容、設計事例、社風、将来性が見えない会社は、応募する前の段階で選択肢から外されてしまう時代です。
これらの情報を若年層へ広く届けるためには、ホームページやSNSなどWebコンテンツの活用が欠かせません。
2025年卒の新卒就活生に行ったアンケートによると、「志望企業の研究に有益な情報源」として企業のホームページを挙げた人の割合と就職活動中に企業のSNSをチェックした人の割合はどちらも60%を超えました。
また、就職活動する学生にとって、Instagram・YouTube・X(旧:Twitter)は重要な情報収集・意見交換の場であるのも事実です。
そのため、これまで就職情報ポータルサイトや紹介で人材を確保してきた工務店・設計事務所も、以下の方法でさらに採用力を高める必要があります。
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・自社ホームページのリニューアル(採用に特化したLP※の作成)
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・独自のWEBコンテンツ(コラム、ブログ、事例紹介)発信によるSEO※
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・地域を限定したMEO※
- ・SNSの定期投稿
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・WEB広告やSNS広告への出稿
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・SNSとホームページの相互導線づくり(お互いの閲覧者を共有し、相乗効果を狙う)
※LP:ランディングページの略称で、検索結果などから最初にアクセスするWebページを指し、問い合わせ獲得に効果的
※SEO:Search Engine Optimizationの略称で、日本語に訳すると「検索エンジン最適化」を意味し、検索エンジンで自社サイトが上位表示されるための施策
※MEO:Map Engine Optimizationの略称で、日本語に訳すと「マップエンジン最適化」を意味し、Googleマップなどの地図検索サービスで自社の情報を上位表示させるための施策
実際に、厚生労働省のアンケート調査によると、採用活動において求人情報ページ(サイト)を開設していると回答した企業の割合は83.5%にも上り、紙媒体や対面による方法を大きく上回っています。
(参考:厚生労働省|求人情報・求職情報関連事業実態調査結果の概要 )
Web上での求人活動は、就職合同説明会や就活情報ポータルサイトとは異なり、会社の規模や資本力、認知度に関わらず、中小企業が大企業を相手に、対等に競い合える可能性があります。
Web運用にはコストや手間がかかりますが、人手不足社会においては、将来的な受注を獲得するために採用力を高めることが重要です。
工務店・設計事務所はWeb運用を「内製化」「外注」どちらが良いか

「Web運用による採用を進めたいが、効果的なやり方がわからない」「ただでさえ人手が足りていないのに、Web運用にヒューマンリソースを回せない」とお考えの工務店様・設計事務所様は少なくありません。
そこで気になるのが、Web運用を内製化すべきか外注すべきかという点ですよね。
それぞれメリット・デメリットがあるため、会社の規模やご予算に応じて、適切な方法を選びましょう。
| 「Web運用を内製化」 |
【メリット】
【デメリット】
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| 「Web運用を外注」 |
【メリット】
【デメリット】
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ホームページやSNSからの人材・受注確保には、労力と期間が必要で、スタッフの数が限られる中小企業では、「取り掛かりたくても取り掛かれない」ケースは少なくありません。
『ミライスタイル』は、建築業界に特化したWeb運用会社で、
- ・ホームページの制作やリニューアル
- ・Webコンテンツの作成
- ・SNSの運用代行
- ・社内のWeb担当者育成
を通じて、中小企業様の問い合わせ獲得を二人三脚でサポートしています。
建築知識も持ち合わせた各分野の専門家による専任チーム体制で、Web集客をサポートいたします。
まとめ
一級建築士の人数は高齢化が顕著で、将来的な減少は避けられません。
そのため、現在働いている建築士も、今後10〜15年で大量離職する可能性があり、資格取得の難易度が高く合格率が低いことから、今後若手人材を一気に確保することは困難と考えられます。
このような建築士不足を乗り越えるためには、工務店・設計事務所にも採用力が必要で、企業の存続には欠かせないポイントです。
「今後も建築業界を生き残りたい」という工務店様・設計事務所様は、世間の潮流を踏まえたホームページ・SNSを活用するWeb運用による採用戦略を早めに検討する必要があります。
建築・住宅業界で「Web運用会社へ依頼するかどうか迷っている」という方は、『ミライスタイル』の無料のオンライン相談をぜひご利用ください。







