建築業界のWEB運用 第1話 建築家・工務店・職方さん・建材業・不動産 それぞれのWEB制作への価値観について

皆様こんにちは。建築業界のクライアントへのWEB制作を積み重ね、独立から2年目で累計100社のクライアントを持つようになりました。

今回のコラムでは日々の建築WEB運用の実践から「建築業界のWEB運用」を体系化してゆきます。

第1話は「全体像」について。

建築業界のWEB受注活動

建築業界のWEB受注活動は

・個別の戦術
・各施策の連携

 

を実践し、最も利益があがるように受注システムを作り出す活動です。

個別の戦術は素晴らしいけど、連携されずにバラバラだと、利益をロスしてしまう事になりますね。

そして、その会社によって方針があるので、一つの仕組み・フレームワークに統一することはできません

WEBが受注プロセスに組み込まれた事による大きな変化として「集客データが経営に生かしやすくなった」事が挙げられます。

コンピューターの処理速度や広告プラットフォーム側の仕組みが改善された事で、今まで中小企業にはなじみの薄かった集客・マーケティングのデータ活用が、実践レベルでかなり出来るようになりました。

個人経営でも、データ活用の手法を知っているか知っていないかで、大きく差が出る時代になってきましたね。

業態を把握する

建築関連の会社の業態は大別すると

①建築家(設計事務所)
②工務店
③職方さん
④建材業
⑤不動産
 
※ハウスメーカー・ビルダー・ゼネコンは広義の工務店の中に含む
 
※住設・工法・商社等の物販をする業態は広義の建材業に含む

の5業態に分かれており5業態のどれか、及び組み合わせで概ね説明が出来ます。

この「業態の把握」がなぜ必要かというと、各業態によってWEB制作への価値観と取り組み方が異なるからです。

そして現在において、下記のように様々な組み合わせの業態が出てきています。

EX)
建築家(設計事務所)であり工務店
工務店かつ職方さん
工務店かつ不動産会社
建材業かつ工務店
建築家(設計事務所)かつ不動産会社

なかには「なんとも表現できない、、」場合がある事、また「アーキテクトという名前だが、ほぼ工務店さん」「建設業を持っているが、ほぼ不動産会社さん」といったように、それぞれの仕事や売上割合などの組み合わせもまちまちです。

建築基準法等の規制・役所のペース・職方さんの人工代や資材の相場等があるので、境界をボーダレスにして利益率を上げてゆかないと適正利益が出ないのが建築業界の宿命なのかも。。と思ったりしてます。

境界をまたいだ形で、自分なりの業態ポートフォリオを作っている方が多いと思います。

なので建築系クライアントのコンサルティングをする際に、「建築家」・「工務店」といった括りだけではなく、垣根の無い業態把握をしています。

そして、それぞれの業態に相性の良いフレームワークを用意してあり、そのフレームワークをクライアントの方針や状況に応じてカスタマイズしてゆきます。

建築業界のWEB制作に対する価値観

業態の把握と並んで次のような「WEB制作に対する価値観の把握」を行います。

WEB制作は本質的にはクライアントが行うもので、クライアントの意向が何より重要となります。

制作会社がその価値観の地雷を踏んじゃう事って、多いんですよね。。

クライアントの意向を具現化する為にWEB制作会社があります。

その為、制作をする前に「WEB制作に対する価値観」を把握しておく事が、とても大切です。

そして、この価値観には前述した業態によって差異があります。

建築のWEB受注活動におけるファクターとして

①WEBに費用をかける発想の有無
 
(→「WEBには費用をかけようか」)
 
 
②WEB広告やSEO対策の好き嫌いと、業務との相性
 
(→「WEB広告やSEO対策OK」)
 
 
③SNSが好きか嫌いか
 
(→「SNS好き」)
 
 
④PC操作に慣れているかいないか 
(→「PC操作抵抗無し」)

といったポイントに着目しています。

WEBの受注活動全体を考えるときに、この価値観には沢山のヒントが隠れていると思います。

一番大事な事は、クライアントの仕事を深く知る事です。

WEBの個別戦術をうまく機能させる方法は「他との差別化」となります。

業界を取り巻く価値観はWEBの個別戦術に紐づいています。

EX)
建築家はWEB制作に費用をかける人が少ない→掲載料が安価な建築家ポータルサイトが飽和している
 
職方さんは現場で時間がない人が多い→手軽で疲れないインスタが職方さんの間で流行る
 
不動産広告市場はポータルが飽和し物件管理が大変→不動産物件を一元管理出来るシステムが開発される

このような価値観と個別戦術の因果関係を把握しておく事で、クライアントが競合会社と同じ戦術を取るのを避ける事につながります。

建築業界の5つの業態別についての特徴をまとめてみました。

建築家(設計事務所)業界のWEB制作への価値観

WEBには費用を
かけようか
WEB広告やSEO対策
OK
SNS
好き
PC操作
抵抗無し
建築家 × ×
工務店 ×
職方さん ×
建材業
不動産

セルフプロデュース

・WEBに費用をかけない人が多い
・WEB広告やSEO対策が嫌いな人が多い
・SNSが好きな人が多い
・PCの扱いに慣れている人が多い

工務店業界のWEB制作への価値観

WEBには費用を
かけようか
WEB広告やSEO対策
OK
SNS
好き
PC操作
抵抗無し
建築家 × ×
工務店 ×
職方さん ×
建材業
不動産

経営的発想を持つ

・WEBにある程度費用をかける会社が多い
・広告やSEO対策に抵抗がない人が多い
・SNSの好き嫌いが分かれる
・PCの扱いに慣れていない人が多い

職方さん業界のWEB制作への価値観

WEBには費用を
かけようか
WEB広告やSEO対策
OK
SNS
好き
PC操作
抵抗無し
建築家 × ×
工務店 ×
職方さん ×
建材業
不動産

ほぼ現場で、PCを使う時間がない

・WEBへの費用のかけ方は分かれる
・WEB広告やSEO対策に抵抗がない人が多い
・SNSが好きな人が多い
・PCの扱いに慣れていない人が多い

建材業界のWEB制作への価値観

WEBには費用を
かけようか
WEB広告やSEO対策
OK
SNS
好き
PC操作
抵抗無し
建築家 × ×
工務店 ×
職方さん ×
建材業
不動産

物販による利益とEC的要素の組み込み

・WEBにある程度費用をかける会社が多い
・WEB広告やSEO対策に抵抗がない人が多い
・SNSの好き嫌いが分かれる
・PCの扱いについて、慣れ・不慣れの差が分かれる

不動産業界のWEB制作への価値観

WEBには費用を
かけようか
WEB広告やSEO対策
OK
SNS
好き
PC操作
抵抗無し
建築家 × ×
工務店 ×
職方さん ×
建材業
不動産

差別化困難なマーケット

・WEBにある程度費用をかける会社が多い
・WEB広告やSEO対策に抵抗がない人が多い
・SNSの好き嫌いが分かれる
・PCの扱いについて、慣れ・不慣れの差が分かれる

建築家(設計事務所)・工務店・職方さん・建材業・不動産、それぞれのクライアントの日常業務が異なるので、このような差が出てくるのは割と理解がしやすいと思います。

なお、これは大枠「そういう価値観がある(人が多い)」という抽象化把握です。

ですので、個々のクライアントは上記に当てはまらない事はもちろんありますが、業界を取り巻く大枠の価値観は共通しています。

「業態ごとに、WEB制作に対する価値観が異なる事」を念頭に、建築業界のどのクライアントにも必要なサービスとして考えたのが「可変性を有したWEB運用」です。

まず初めに可変性を有した器を選択し、データと取りながらWEB制作を進めてゆく方法です。

WEBって育つまでに時間がかかりますよね

このWEB運用の効果が表れ始めるのは、概ね6か月~1年が平均的です。

なので「費用を出すので、すぐに結果を出してくれ」的なオーダーは、申し訳ありませんがやんわ~りお断りする感じでやっていますm(_ _)m

どちらかというと、税理士さんのような士業の方と同じくフォロワーとして一緒に頑張っていく感じで、制作の仕事をしています。

ホームページの器の選択から始まり、WEBマーケティングの各種施策を制作と絡めてゆきます

この制作と絡めるという部分が重要で、これが出来なくなっている会社が多いのが実情です。

これほんとに多いパターンで、制作会社って納品文化で手離れを重視してる会社が多いので、「ハイそれまでよ」ってなりがちなんですよね。(それって本当にお客さん喜んでるのかなあ。と思いますが。。)

WEBデザインやプログラミングを内製化できないと、塩漬けになります。

自分たちは、良い制作会社になりたいですね。

長くお付き合いするほうが、最終的に結果をお届けできるのでいいのでは?というのが、このWEB運用のコンセプトです。

最終的にはクライアントが作るものだけど、、

WEB運用を施してゆくと、何かの間違いがなければほとんどの場合、エンドユーザーの問合せが取得出来るようになります。

実際に、現在までほぼ全てのクライアントさんが問合せを取得され、売上を改善されています。

このWEB運用で最も肝心なのは、WEB制作会社と連携して中身の改善を頑張ってゆかれる社長の意気込みです。

「WEBは最終的にクライアントが作るものです」というWEB制作会社さんって多いと思います。

確かに、、でも自分はこの意見には半分同意で、半分はもしかすると実態と違っているかもな~とか思ったりもしてます。

なぜかというと、例えば

  • 1社では蓄積困難な住宅マーケットデータの取得
  • WEBのコードの読み書き人材の育成
  • 想定されるWEB運営上のリスク回避
  • これからの住宅事業で必要なソフトウェアの取捨選択
  • 住宅市場をバイアスなくフラットに眺める
  • 知っておいたら、経営が大きく変わる新技術

とかがWEB制作にも大きく影響するのですが、建築業のように物・カネで育ったオールドエコノミーの社内で行うのが困難だったりするからです。

中身を変えたくても、会社の展開上変えられなくなってる事が多いんですよね。

社内に人材がいなかったり。でもWEBデザイン等の企画業務で、正規雇用までは増やせなかったり。

その部分をお手伝いできるといいな~と思っています。

まとめ

第2話以降は、このような「建築業界の各業種と、冒頭の表にある各マーケティング手法とのマッチング」という視点で、建築WEB運用についてみてゆきます。

個別の手法を組み合わせ、アレンジすることでその会社ごとのソリューションになるので、是非参考にしてもらえれば幸いです。

続きは第2話へ