これからどうなる?住宅市場~地域密着型工務店が今すべきこと【2021年版】

2021年の住宅市場の動向についてコロナの影響を考察

2021年の住宅市場の動向はどうなるのか?リクルート住まいカンパニー「住宅購入・建築検討者の意識調査」によれば、コロナ禍で住宅購入検討者の意識の変化が読み取れます。そこで今回はこのお客様の意識の変化は工務店経営にはどのような影響があるのか?ウィズコロナ時代の地域密着型工務店のマーケティングのために今できることは何かを考えてみたいと思います。

コロナ拡大で住まい探しはどう変わった?

2020年新型コロナにおける住宅検討者の意識の変化について解説

2020年5月と9月に実施されたリクルート住まいカンパニー「住宅購入・建築検討者の意識調査」では、新型コロナの感染拡大が新たな住宅の検討を後押ししている、もしくは影響なく検討が進められているという結果が示されました。アンケート結果の概要は以下の通りです。

 

住宅購入・建築を検討中の方に伺います。コロナ拡大で住まい探しに影響はありましたか?

2020年5月 2020年9月 増減
首都圏 促進された 22% 33% 11pt
抑制された 36% 27% -9pt
影響はない 42% 41% -1pt
東海 促進された 17% 24% 7pt
抑制された 35% 24% -11pt
影響はない 48% 52% 4pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2020年5月、9月実施より弊社作成

 

感染拡大で住まい探しが加速

上記の集計表のように、首都圏では全体の33%の方、東海地方でも24%の方が新たな住まい探しを始めています。実に首都圏は3人に1人、東海でも4人に1人の割合で住み替えの検討が始まっているということ。

さらにこの結果で注目されるのは、2020年5月の緊急事態宣言下での調査時よりも、同年9月に実施したコロナ拡大を機に新たな住まい探しが加速しているという点です。

 

一戸建て派急増の理由

一戸建て派急増の理由について解説

では、新たな住まい探しは一戸建て派とマンション派の意向はどのように変化しているのでしょうか?

 

今後の住まいは一戸建て・集合住宅(マンション)どちらを希望しますか?

2019年 2020年5月 2020年9月 増減
ぜったい一戸建て 23% 29% 27% 4pt
どちらかと言えば一戸建て 33% 34% 35% 2pt
どちらでもよい 12% 15% 14% 2pt
どちらかと言えばマンション 24% 15% 17% -7pt
ぜったいマンション 8% 7% 8% 0pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2019年、2020年5月、9月実施より弊社作成

「ぜったい一戸建て」、「どちらかと言えば一戸建て」をあわせると、2020年9月の調査では全体の62%が一戸建てを希望。コロナ前の2019年と比較するとプラス6pt。一方、マンション派(「ぜったいマンション」と「どちらかといえばマンション」の合計)は、2020年9月は25%、2019年との比較ではマイナス7ptとなっています。

この結果からは、特に、住宅購入・建築希望者のうち「どちらかといえばマンション派」だった方が「一戸建て派」へと意識が変化したという流れがみてとれます。

 

コロナ禍で「住み替え動機」が激変

住み替え動機が変化した理由とその背景について解説

ではなぜこのような変化が起きているのか、同調査をもう少し深堀りしていきましょう。

住み替え検討の動機は?

2020年5月 2020年9月 増減
在宅勤務になった/増えた 8% 17% 9pt
結婚 16% 12% -4pt
第一子誕生 13% 10% -3pt
賃貸物件の更新・値上げ 9% 10% 1pt
子どもの小学校入学 8% 9% 1pt
第二子以降の出生 6% 7% 1pt
まとまった資金(相続・退職金) 6% 7% 1pt
子供の独立 4% 7% 3pt
転勤 12% 7% -5pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2020年5月、9月実施より弊社作成

 

これまでの住宅市場では、住み替えのきっかけは、結婚、出産などのライフステージの変化、家賃の値上げや資金面などの理由が上位でした。しかし、コロナ禍でその理由が激変。第1位が「在宅勤務になった、在宅勤務が増えた」となりプラス9ptとなりました。以下、結婚、出産、家賃の値上げなどがあり、さらに子供の独立を機に住み替えを検討されている方も増加の傾向にあります。つまり、新型コロナの感染拡大を機に、在宅勤務などのワークスタイルの変化、子どもの独立などを機にセカンドライフも見据えた住み替えを検討している方が増加しているのです。

 

コロナ拡大で住宅に求める条件が変わった

ウィズコロナの家づくりに求められるものが大きく変化した

では、今回のコロナ禍を機に、今後はどのような住まいが求められているのでしょうか?同調査では以下のような結果となっています。

コロナ拡大により、住宅に求める条件はどう変わりましたか?

2020年5月 2020年9月 増減
仕事専用スペースが欲しい 25% 28% 3pt
通信環境が良い家に住みたい 27%
換気性能に優れた家に住みたい 24%
日当たりのよい住宅に住みたい 21% 23% 2pt
省エネ性の高い住宅に住みたい 16% 23% 7pt
通風に優れた住宅に住みたい 23% 22% -1pt
部屋数が欲しい 22% 22% 0pt
広いリビングが欲しい 22% 21% -1pt
遮音性に優れた住宅に住みたい 22% 21% -1pt
宅配・置配ボックスを設置したい 24% 20% -4pt
屋上やバルコニーが※ 19% 20% 1pt
収納量を増やしたい 22% 19% -3pt
緑を感じる住宅に住みたい 15% 18% 3pt
庭が欲しい 17% 15% -2pt
玄関近くに洗面所が欲しい 9% 12% 3pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2020年5月、9月実施

ワークスペース

上記から、第1位、「仕事専用スペースが欲しい」、第2位「通信環境が良い家に住みたい」という新たなワークスタイルに対応したニーズが上位となりました。書斎、セカンドリビングなど、ワークスペースの確保が重視されているといえます。

快適な居住空間

続いて、「換気性能に優れた家」「日当たりのよい家」「省エネ性能の高い家」「通風に優れた家」「遮音性の高さ」といった、快適性などの住宅性能を求める声が多くなっています。たとえば、高気密高断熱住宅、パッシブデザイン、ZEH、全館空調など快適で利便性の高い住宅性能が求められています。今後は政府の脱炭素社会に向けたエネルギー政策と住宅政策の連動による政策パッケージにも注目です。

ニューノーマル時代の間取り

さらに「部屋数が欲しい」「広いリビング」「収納量」「玄関近くの洗面所」といった新しい生活様式にも対応した間取りに関する要望が多くなっています。プラス1部屋の多目的ルーム、吹き抜けのあるリビング、玄関と居住空間を分離しやすいシューズクロークなどのファミリークローゼット、ただいま動線の提案などが考えられます。

自然や屋外とつながる住環境

そして、屋外とつながりやすい「屋上・バルコニー」「緑を感じる住宅」「庭がある家」などの自然や屋外とつながりやすい住環境です。テレワークの際のオンとオフの切り替えがしやすいホッと一息つけるウッドデッキ、屋上庭園、ルーフバルコニー、中庭のある家など、家の中と外をゆるやかな境界線でつなぐ家づくりがも求められています。

 

家の広さと通勤利便性のバランスは?

ちなみにウィズコロナの住まい探しで優先されているのは、家の広さと通勤利便性のどちらになるのでしょうか?

住宅の広さと駅距離の重視意向は?

2019年 2020年5月 2020年9月 増減
ぜったい広さ 11% 12% 13% 2pt
どちらかと言えば広さ 31% 40% 40% 9pt
どちらでもよい 18% 18% 18% 0pt
どちらかと言えば駅近 35% 25% 24% -11pt
ぜったい駅近 5% 5% 5% 0pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2019年、2020年5月、9月実施より弊社作成

上記の表の傾向からは、これまで駅近を優先してきた方が約1割減少し、「どちらかと言えば広さを優先したい」という意識に変化しています。通勤時間も、テレワークの普及とともに、職場から徒歩・自転車で15分圏内を希望する方が減少し、公共交通機関で60分圏内もしくは60分超のエリアで住まい探しを始めています。やはりウィズコロナの住まい探しは、会社への近さよりも住環境の快適さが求められていると言えるでしょう。

 

住宅市場への影響に関する考察

住宅市場への影響に関する一考察

では、このような住宅検討者の意識の変化は今後の住宅市場にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?

東京一極集中是正の潮流のキャッチアップ

その兆候は報道でご存じの通り、第1には東京一極集中の是正の流れの顕著さに現れています。

2020年は東京都からの転出者が増加、2013年以降で初となる転出超過の状態が続いています。特に、3、4月の2カ月間で4万人を超える人口が都外へ転出しており、以降も月間数千人規模の転出超過傾向が続いています。コロナ収束後も当面はこの傾向が続くことが予測されています。

実際に千葉、埼玉、神奈川、茨城の首都圏からの通勤圏では、郊外型の住宅への回帰、あるいは近距離移住のような人口移動が始まっており、地方間でこの移住者の獲得競争が激化しています。

政府の地方創生の推進政策の流れも踏まえると、コロナ禍を機に、どこで誰とどのように暮らすか、という住環境をとりまくライフスタイルや価値観においても大きな時代の転換点になっていると言えます。

この流れを着実にキャッチアップするための対策として、多くの工務店さんでは土地探しの段階からの早期の潜在顧客の獲得施策が始まっています。

東京都内の住宅市場への影響と対策

第2には、東京都心の住宅需要の底堅さです。東京都においては人口流出の流れがある一方で、都心部では新築タワーマンションなどの新築需要は高止まり傾向が続いています。一般社団法人日本不動産研究所の調査では、東京23区の新築マンション価格は、2018年~2019年の水準とほぼ同様の価格帯で推移すると予測されています。(出典:一般社団法人日本不動産研究所「東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020下期」)

この傾向は新築マンションの供給数を絞り込み価格が安定推移している状況といえます。購入者層の経済面の余力はさほど減少しておらず、本稿冒頭でもご紹介した、リクルート住まいカンパニーの調査結果でも、2020年5月の調査から9月の調査において、新築マンションを検討している方、年収1000万円以上世帯では住み替えのためのマンション検討を促進する動きがプラス15ptも回復しているのです。

今後、東京23区の住宅市場は、新築マンションを検討している方、年収1000万円以上の世帯などターゲットをフォーカスして新築需要を取り組む方策を検討する必要があるでしょう。

 

参考)コロナ拡大の住まい探しへの影響(住宅のタイプ別の集計)

2020年5月 2020年9月 増減
注文住宅 促進された 31% 36% 5pt
抑制された 37% 26% -11pt
影響なし 32% 38% 6pt
新築マンション 促進された 17% 32% 15pt
抑制された 48% 21% -27pt
影響なし 35% 47% 12pt
中古マンション 促進された 24% 29% 5pt
抑制された 35% 28% -7pt
影響なし 41% 43% 2pt
中古一戸建て 促進された 27% 38% 11pt
抑制された 34% 30% -4pt
影響なし 39% 32% -7pt

出典:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」2020年5月、9月実施より弊社作成

 

地域密着型工務店が今取り組むべき施策

では、このような状況から、地域密着型工務店のマーケティングにおいてはどのような展開が考えられるのでしょうか。

潜在顧客の早期発掘のための施策

まず、住宅市場を見据えるうえで注目すべきは、水面下で住宅購入・建築を検討している潜在顧客が爆発的に増加しているという点です。

首都圏に限らず都市部から近郊、地方への人口移動が今まさに進行しています。つまり、地域密着型工務店のお客様は、地元近隣地域のみならず、今、県外にいて新たな住まいを検討している方、気になるキーワードで検索した結果辿り着いて貴社のホームページを見てくださっている方が、未来のお客様になる可能性があることを示唆しています。

地域密着型工務店が特定領域にフォーカスしてNo.1を目指すべき理由はここにあります。

必ずしもハウスメーカーやビルダーのように幅広い商品ラインナップが必要なわけではありません。潜在顧客の心をつかむ魅力的なホームページとコンテンツがあれば、自社と出会うべきお客様に見つけていただくことが可能となるのです。

 

潜在顧客との関係を着実に育むための施策

これから出会うべきお客様と出会うには、潜在顧客の関心事に応えるホームページの制作コンテンツマーケティングが重要となります。

コンテンツマーケティングとは、潜在顧客に自社のホームページを見つけてもらう仕組みづくりです。潜在顧客の関心事に応える様々なコンテンツを提供し、未知のお客様との関係を育み、自社のファンをつくり契約につなげるための「そのうち客」の中長期的な営業構造づくりとも言えます。

これから中長期的な見込み先発掘のプロセスを構築していくには、基礎となるマーケティングデータの収集が必要です。最短で半年、平均的にみると1~3年ほどの構築期間が必要です。まず半年~のマーケティングデータを蓄積、分析しながら受注までのプロセスを再構築していくのです。

この仕組みづくりのために今すぐ着手できることは、受け皿となるホームページの改善・充実です。アクセスしてくださったお客様のニーズに応じてホームページを改善、リニュアルしていくのが近道です。

そして、潜在顧客の関心事を想定してホームページでコンテンツマーケティングを開始してアクセス履歴などのデータを蓄積していくことが重要です。改善のためにはデータに基づく仮説立案と検証活動が必要です。まずは時系列のマーケティングデータを取得して、最も効果的な改善の切り口や方向性を早期に見出す必要があるのです。

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まとめ

首都圏では、東京一極集中の是正という時代の転換点ともいえるマクロトレンドが動き出し、郊外や地方への移住の流れが加速しています。一方、東京都内においては、高層新築マンション等の需要は堅調です。ただ、これまでと違うのは、職場からの距離ではなく快適な居住性、住環境がより重視されている点です。東京一極集中の是正という潮流の中で、東京だからできる通勤を必要としない究極の職住融合の家づくりや、新たな都心の土地活用ニーズも高まってくることも想定されます。建築家・隈研吾氏もニューノーマルの時代は「自由な時代の始まり」とも述べています。都心の狭小地だからこそ可能な多層階建築、屋上庭園、部屋数の確保なども自由でクリエイティブな都心の新たな家づくりを求めて都心回帰の動きも出てくるでしょう。まさに日本の家づくりの在り方が今問い直されています。そのような環境下で地域密着型工務店が取り組むべきことは、膨大な潜在顧客の早期発掘とファン化です。そのためにはお客様の関心事に応え、関係を育む中長期的な施策としてのコンテンツマーケティングが重要となります。今後の住宅需要の動向に注目です。

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