【令和4年度】東京ゼロエミ住宅の助成事業について
東京都が独自に定めた、高い断熱性能を持った断熱材や窓、省エネ性能の高い家電製品などを取り入れた『東京ゼロエミ住宅』。住宅の性能が高いため暮らしていく上で得られる様々なメリットがありますが、一方で気になるのが高額になる建築費用ですよね。
現在、国はゼロエミ住宅をさらに普及させるため最大210万円の補助金を支給しています。これから都内に注文住宅を建てる方は、ぜひ補助制度を利用した上で理想の住まいづくりを進めていかれてはいかがでしょうか。
コラムのポイント
・助成額や助成対象住宅、併用できる助成制度とそうでない制度など東京セロエミ住宅の気になる制度についてまとめました。
・これから東京で家づくりを進めていくのであれば、東京ゼロエミ住宅のような高性能な家づくりを進めていきましょう。助成金を受け取ることができるのはもちろん、快適で安心な暮らしを手に入れることができます。
目次
東京ゼロエミ住宅とは
『東京ゼロエミ住宅』とは、東京都が独自に定めた、高い断熱性能を持った断熱材や窓、省エネ性能の高い家電製品などを取り入れた住宅のことです。
冷暖房の効率を良くすることで、高い省エネ性に加え快適な室温が維持することができ、部屋間の温度差が小さくなるのでヒートショック予防にもつながります。
ゼロエミって何?
工場で排出した廃棄物や副産物を別の工場が原材料として再利用し、環境を汚染する廃棄物の自然界へのエミッション(排出、廃棄物)ゼロを目指すことを『ゼロエミ』といい、1994年に国際連合大学が提唱しました。
東京ゼロエミ住宅普及の目的
東京都は、『2030年までに、東京の温室効果ガス排出量を2000年比で30%削減する』という目標を定め、世界一の環境先進都市を目指して気候変動対策に取り組んでいます。
目標を達成するためには、住宅の省エネ性能を今以上に向上させる必要があります。しかし、都内に建てられる住宅は
・建設費が高い
・土地代が高額になるため狭小住宅が多い
・屋根の形が斜線制限され、太陽光発電システムのような設備投資への取り組みが進みにくい
といった理由で難航しているのが現状です。
そこで、これからの住宅の目指すべき姿として、断熱性能と省エネ性能を見える化した東京都独自の東京ゼロエミ住宅が取りまとめられました。
東京ゼロエミ住宅が普及すれば、東京都内の住宅性能が全体的に上がり、高性能な建材や設備の価格が低下することが期待されます。結果として、より多くの方が高性能な住宅を選択することができるようになり、さらに東京ゼロエミ住宅が普及する、こういった好循環を生み出すことを目的としています。
東京ゼロエミ住宅のメリット
断熱性の確保と設備の効率化によって、省エネ性能等をより向上させた東京都独自のゼロエミ住宅。この住宅には様々なメリットがあります。
メリット① 一定の室温を保った快適な暮らし
ZEHの判断基準も高く設定されている、断熱性の高い東京ゼロエミ住宅。
リビングとお風呂といった部屋間の温度差や、室内の上部分と足元部分との温度差が小さくなり、ヒートショックなどを予防して健康で快適な暮らしが実現できます。
メリット② 設備の効率化
効率的にエネルギーを使用する設備が備わっているため、空調や給湯器などの効率が良くなります。結果、光熱費の削減にもつながります。
メリット③ 結露の防止
断熱性が高く、冬でも窓や壁の表面温度が低くなりにくいゼロエミ住宅。頭を悩ませる結度も抑制することができます。
結露を抑制することで、カビやダニといった健康を害する虫の繁殖を防いだり、建材や住宅基礎部分の劣化を防いだりすることができます。
これらのメリットによって快適な暮らしが実現するのはもちろん、結果として住宅が長持ちする効果もあるのです。
東京ゼロエミ住宅を建ててもらえる補助金内容
対象となる東京ゼロエミ住宅を建てると、最大210万円の補助金を受け取ることができます。
申請期間
令和4年6月22 日(水曜日)から令和5年3月31 日(金曜日)まで
令和4年度の予算は約132億円で、申請総額が予算に達成した時点で受付終了となります。
助成対象と助成金額
助成対象者
新築住宅の建築主(個人・事業者ともに)
助成対象住宅
① 令和4年4月1日以降に工事に着工した住宅
② 東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱に基づき、認証審査機関から認証書の交付を受けている
③ 戸建住宅又は集合住宅の床面積合計が2,000㎡未満
④ 戸建住宅や集合住宅といった都内の新築住宅
助成対象基準
東京ゼロエミ住宅の水準を満たすためには、以下にまとめてある必ず適合すべき仕様に適合したうえで、水準ごとに設定した性能値を満たす必要があります。
開口部の断熱性能
・窓…… 熱貫流率 2.33W/平方メートル・K以下(例:アルミ樹脂複合サッシ + Low-E複層ガラス)
・ドア…… 熱貫流率 3.49W/平方メートル・K以下(例:金属製熱遮断構造の枠 + 金属製フラッシュ構造の戸)
設備の省エネルギー性能
・照明設備…… 全室LED(玄関、トイレ、洗面・脱衣所、廊下、階段及び階段のうち1箇所以上は人感センサー付)
・冷暖房設備…… 高効率エアコン設置(省エネラベル4★または5★)(リビングなど主たる居室に必ず設置)
・給湯設備…… 高効率給湯器(電気ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型ガス給湯器など)
太陽光発電システム 可能な限り設置が望ましい
助成対象金額
水準1 | 水準2 | 水準3 | |
戸建住宅 | 30万円/戸 | 50万円/戸 | 210万円/戸 |
集合住宅等 | 20万円/戸 | 40万円/戸 | 170万円/戸 |
水準1
分かりやすい仕様規定の基準を継続。仕様規定の基準は木造住宅に限り使用することが可能。この水準で建てられた注文戸建住宅に限り、前年度に新たに全国で建設した注文戸建住宅の戸数が300戸未満の住宅供給事業者が供給する住宅を対象に助成する。
水準2
ZEH相当の断熱性能と、国が定める基準より35%削減する高い省エネ性能の基準を設定しているものとする。
水準3
北海道相当の断熱性能と、国が定める基準より40%削減する高い省エネ性能の基準を設定しているものとする。
対象住宅に太陽光発電設備または蓄電池を設置する場合(リースなども可能)、追加して補助を受けることができます。
太陽光発電
太陽光発電設備の発電出力に応じて、費用が変わります。
発電出力 | 補助額 |
3.6kWまで | 12万円/kW(上限36万円) |
3.6kW超50kW未満 | 10万円/kW |
蓄電池
蓄電池は機器費の1/2が補助対象となり、設置方法に応じて下表のとおり上限額があります。
蓄電池を単独で設置する場合 10万円/kwh、80万円/戸
蓄電池を単独で設置する場合 | 10万円/kwh、80万円/戸 |
4キロワット未満の太陽光発電設備と併せて設置する場合 | 10万円/kwh、80万円/戸 |
4キロワット超の太陽光発電設備と併せて設置する場合 | 10万円/kwh、設置する太陽光発電の発電出力×20万円/戸 |
併用できる助成制度
様々な助成制度がありますが、併用できるものとそうでないものとがあります。
併用できる制度
地域型住宅グリーン化事業、グリーン住宅ポイント制度、こどもみらい住宅支援事業
併用できない制度
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化支援事業、次世代ZEH+実証事業、集合住宅のCO2化促進事業(ZEH-M)、LCCM住宅整備推進事業
申請時の注意点
・申請内容の変更、添付書類の差し替えはできないので、郵送前に必ず記載事項等に不備・不足がないか確認の上、提出すること。
・申請者(建築主)の変更はできません。
・交付申請書の提出以降、助成対象住宅の住所変更、住宅種別の変更は出来ません。
なお、この情報は2022年7月末時点での情報です。申請期間や申請方法などは都度更新されているので、申請を検討されている方は事前に調べておくのがおすすめです。
参考:東京ゼロエミ住宅導入促進事業 公益財団法人東京都環境公社
https://www.tokyo-co2down.jp/wp-content/uploads/2022/07/ze_tebiki_2207-1.pdf
注文住宅を建てるなら東京ゼロエミ住宅の助成金活用を!
これから東京で家づくりを進めていくのであれば、東京ゼロエミ住宅のような高性能な家づくりを進めていきましょう。助成金を受け取ることができるのはもちろん、快適で安心な暮らしを手に入れることができます。
併用できる助成制度とそうでない制度とがあるので、事前に確認しながらハウスメーカーや工務店との家づくりを進めていきましょう。