KD材とは?AD材やG材との違いとメリット・デメリット | ミライスタイル

KD材とは?AD材やG材との違いとメリット・デメリット

ウッドショック

杉やヒノキなど、様々な種類の木材を家づくりに使用します。これらの木材は乾燥方法によって大きく3つに分類できるのですが、その中の1つがKD材です。乾燥させて強度を高めたKD材は、家づくりに欠かせません。
今回は、丈夫で長持ちする家づくりをするために知っておきたいKD材について、乾燥方法やメリットデメリットなど詳しくまとめました。

 


コラムのポイント
・KD材とは、釜に入れて木材を短時間で人工的に乾燥させた木材のことをいいます。同じく乾燥させたAD材、乾燥していないG材についてもまとめました。
・建材として使用する木材には、メリットデメリットがあります。特徴を知った上で、家づくりに活用していきましょう。


 

■KD材とは
■KD材をつくる方法
■KD材のメリット・デメリット
■KD材が高める断熱性
■木材の魅力を伝えてお客様との信頼関係構築を!

 

 

KD材とは

KD材とは

KD(キルンドライ)材とは、釜に入れて木材を短時間で人工的に乾燥させた木材のことをいいます。

原木から切り取った木材を2週間から1ヶ月という短時間で乾燥させ、含水率の低い建材として流通させます。伐採後の木材はかなりの水分を含んでいるため、建材として流通させるためにはJAS規格に合わせなければなりません。そのため、人工的に乾燥させ、20%ほどまで含水率を下げることで建材として使用できるように加工します。
乾燥させて含水率を下げることで、伐採から建材として使用するまでの期間を短くできること、歪みや割れを防ぐことにつながります。

 

木材の乾燥方法は、KD材の他に「AD材」「グリーン材」があります。

AD材とは

AD(エアドライ)材とは、自然乾燥させた木材のことをいいます。数十年前までは、AD材を使用して家を建てるのが主流でした。今でも、木材をふんだんに使用した家や自然素材の家は、AD材を主に使用し建てられています。

木材の種類や状態にもよりますが、AD材は数ヶ月〜1年、場合によっては数年かけて乾燥させていきます。時間をかけて無理なく乾燥させるため、不良品も少ないといわれています。ただ、自然乾燥させたものなので、自然の中よりも乾燥している室内に使用した場合、すぐに歪みや割れが生じる可能性があります。

KD材のように強制的に乾燥させていないので、調湿性に優れ、建材として使用された家は快適な室温を保つといわれています。

 

G材とは

G(グリーン)材とは、乾燥処理をしていない木材のことをいいます。含水率が25%以上の木材をJAS規格ではG材としています。乾燥させずに使用しているため、建材として使用した場合、時間が経つと歪みや割れが生じる可能性があります。その結果、クロスの張り替えなどをしなければならない……という可能性もあるため、構造材への使用はあまり適していません。

伐採後、乾燥などの工程を挟むことなくすぐに使用するため、建築費用をおさえることができます。

 

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KD材をつくる方法

KD材とは

木材を乾燥させるためにはいくつかの方法があります。

 

低温除湿式

乾燥庫に温水コイルや電熱コイルを設置し、45℃くらいという低温の中、木材に蒸気をあてる方法です。蒸気をあてることで木材を温め、水分の蒸発を促します。温めるだけでなく、表面だけが早く乾燥しひび割れてしまうことを防ぐためにも蒸気は役立ちます。
木材から蒸発した蒸気で庫内の湿度が上がらないよう、除湿器を併用することで効率よく乾燥させていきます。
1週間ほど乾燥させると、15〜30%前後まで含水率を下げることができます。

 

高温式

低温除湿式と異なり、100〜130℃くらいまで乾燥庫内の温度を上げ、木材の細胞を破裂させて乾燥する方法です。木目が詰まった、元々強度のある木材はあまり向いておらず、木目の荒い木材が使用される傾向にあります。
一気に乾燥させるため、2~3日ほどで完成します。

 

高周波式

水の沸点を低くするために減圧させた乾燥庫内に木材を入れ、高周波で熱を加えて乾燥させる方法です。電子レンジに近い仕組みになっています。1日ほどで乾燥を終えるため、最も手早くKD材をつくることができます。

 

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KD材のメリット・デメリット

KD材とは

現在、多くのハウスメーカーや工務店が家づくりにKD材を使用しています。

 

KD材のメリット

歪みや割れが少ない

しっかり乾燥させて建材として使用しているので、「家を建てて数年なのにクロスを張り替えなければならなくなった」「戸の建てつけが悪くなった」といった歪みや割れによるトラブルが少ないのが特徴です。

早く手に入る

AD材はどうしても乾燥に時間がかかりますが、KD材は必要な時にすぐ手に入れることができます。木材の大きさにもよりますが、1週間ほどで乾燥を終え、建材として使用できることもあります。

含水率を調整できる

人工的に乾燥させるので、含水率を調整することができます。含水率によって木材の強度は変わるため、より丈夫な家づくりをしたい時に重宝します。

 

KD材のデメリット

乾燥に費用がかかる

乾燥させるための費用がかかるため、木材そのものの値段が上がります。結果として、建築費用も高額になります。

強度が下がりやすくなる

短期スケジュールで無理な乾燥をしてしまうと、木の内部が割れやすくなります。築30〜40年もすると家全体の強度が下がり、住宅ローンを払い終える前に建て替えを検討しなければならない可能性もあります。

美しい木目や色が失われてしまう可能性も

乾燥させることで、木の質感が変わる可能性があります。自然素材の家、温かみのある木の家を希望されている方には物足りないかもしれません。

 

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KD材が高める断熱性

KD材とは

近年、断熱性の高い家の需要が益々高まっています。快適な室温を保つためには、外気温の影響を受けにくく、室内の空気が逃げにくい構造にする必要があり、この時役立つのがKD材です。

隙間が出来にくく断熱効果UP

鉄骨やコンクリートなど、住宅には様々な構造材が使用されますが、最も熱を伝えにくいのは木材だといわれています。そのため、木材を使用した断熱性の高い住宅、気密性の高い住宅は今後ますます需要が高まると考えられています。
KD材は割れや歪みが生じにくいため、必然的に隙間も生まれにくくなります。快適な室温を保つためには、断熱性はもちろん気密性も高める必要がありますが、KD材を使用することでこれらをカバーすることができます。

断熱性の高い高品質な家づくりが進むように、国も積極的に施策を打ち出しています。使用する建材にこだわりたい方が納得できる家づくりを進めていけるよう、サポートしていくことが大切です。

 

 

木材の魅力を伝えてお客様との信頼関係構築を!

KD材とは

建材として使用する木材にはメリットデメリットがあり、どんな建材を使用するのかによって価格も変わります。建築業界にいれば、知っていて当たり前のことかもしれませんが、家づくりをされるお客様は知らない方がほとんどです。

このようなちょっとした情報も、積極的に伝えていくことでお客様との信頼関係構築につながります。

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