断熱等級とはどんなもの?6だとどのような性能になる? | ミライスタイル

断熱等級とはどんなもの?6だとどのような性能になる?

  • ▶︎断熱等級が「6」というのはどういう意味?
  • ▶︎これが高いのか低いのかわからない
  • ▶︎そもそも断熱等級に関して知りたい

 

このように考えている人は多いのではないでしょうか?

断熱等級は、住宅における住み心地を左右する重要な指標です。家づくりをする際には、よく理解しておく必要があります。

本記事では断熱等級に関して詳しく解説するので参考にしてください。

コラムのポイント
・断熱等級とは国土交通省が定めた住宅の断熱性に対する7段階の評価
・断熱等級が高いと、室温が安定して暮らしやすくなる
・6という断熱等級は、常に暖かく涼しい、過ごしやすい住宅環境を示唆する

 

断熱等級とは? 6はどういう状態?

断熱等級とは、国土交通省が定めた、住宅の断熱性に対する7段階の評価です。正式には「断熱等性能等級」と呼ばれます。1が最も低く、7が最も高いと定義されます。

断熱性とは、屋外の温度を遮断する能力のことです。つまり断熱等級が高ければ高いほど、夏は涼しく、冬は暖かい、というわけです。

かつては断熱等級は4段階しかありませんでしたが、2022年より5から7が新設され、7段階となりました。

(引用:YKK AP-省エネ上位等級の新設で家づくりが変わる。

断熱等級6はどのような状態?

断熱等級は、「UA値」という「室内の温度を外気に逃さない性能を数値化した指標」によって現れています。

これを実生活に置き換えて表現するなら、「室温がおおむね13度を下回らない」という状態です。

つまり断熱等級が6であるなら、暖房をつけなくても常に13度以上が保たれます。冬の朝に氷点下まで冷え込む、といったことがないわけです。

断熱等級を高くするメリット

断熱等級を高くすることには、当然ながらメリットがあります。

特に以下の点は非常に重要です。

  • ▶︎電気代をおさえられる
  • ▶︎極端な室温になりにくい
  • ▶︎ヒートショックリスクをおさえられる

 

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

電気代をおさえられる

まず、電気代を安くおさえられるのは大きなメリットです。

断熱等級が高ければ高いほど、すでにある程度暖かい、あるいは涼しい状態にあります。

たとえば断熱等級が6の場合、平時において室温が13度を下回ることがありません。一方で断熱等級が4の場合、室温は8度まで下がることがあります。

仮に快適な室温を22度とした場合、暖房によって上げなければいけない温度が5度も違います。もちろんその違いは、暖房に消費される電力が小さいことを意味し、同時に「電気代が安い」ということでもあります。

よって等級が高ければ高いほど、より多くの電気代をおさえられるわけですね。

極端な室温になりにくい

極端な室温になりにくいのも、断熱等級が高い場合に得られるメリットです。

等級が低い場合、たとえば真冬の朝では、氷点下近くまで冷え込むこともあります。真夏の夜中であれば、外気熱を遮熱できず、寝苦しい、ということもあるでしょう。

しかし断熱等級が高ければ、室外の気温変化の影響を受けにくくなります。したがって冷暖房で設定した温度を保ちやすくなるわけです。

すなわち、氷点下や、30度以上といった、極端で過ごしにくい室温にはなりにくくなります

ヒートショックを避けられる

近年問題になっているヒートショック。これは、急激な温度変化に連動して脈拍や心拍が急降下し、心肺機能に影響が出る現象です。最悪の場合、死に至ることもあります

しかし室温が安定している断熱等級の高い住宅では、ヒートショックのリスクは低いでしょう。部屋や廊下などあらゆる場所の室温に差がないため、そもそも急激な温度変化が起こらないからです。

ヒートショックは全年齢に起こりうる現象ですが、特に65歳以上の高齢者にありがちだとされています。その年代の方が住まわれる場合には、断熱等級が高いことは大きなメリットとなりそうです。

断熱等級を高くするデメリット

一方で断熱等級を高めることには、いくつかのデメリットがあります。

  • ▶︎費用がかかりやすくなる
  • ▶︎デザインが制限されがちである
  • ▶︎換気性が低くなる

 

一般的に、断熱等級が高いのは好ましいことだとされています。しかしながら、特に上記のデメリットに関しては知っておく必要があるでしょう。

それぞれ解説するので参考にしてください。

費用がかかりやすくなる

最大のデメリットは、高い断熱等級を求めると、建築費用がかかりやすくなることです。やはりこの問題は避けられません。

断熱性を高めるためには、高価な断熱材や窓などを導入する必要があります。また施工にも手間がかかるので、工賃も高くなりがち。

等級や敷地面積などにもよりますが、ひとつ等級を上げるだけで数百万円ほど費用が膨れ上がることもあります。

デザインが制限されがちである

断熱等級が高いと、デザインの選択肢が制限される側面があります。なぜなら壁が分厚くなったり、窓が小さくなったりするからです。

壁が分厚い分間取りが圧迫される、大きな窓を設置して開放感を得るといったことができなくなる、ということが起こりえます。

住宅では、断熱性をはじめとした機能はもちろん重要ですが、デザイン性も暮らしぶりを左右する重要な要素です。

それが限定されてしまうのは、かなり大きなデメリットだといえるでしょう。

換気性が低くなる

さらに換気性が低くなってしまうというデメリットもあります。これは「断熱性が高い」というメリットの裏返しです。

基本的に断熱等級が高い家は、「室内の温度を外に逃がさないし、室外の温度を内に入れない」ということを目的としています。

つまり、内外での空気の動きを制限しているため、換気性が落ちるというわけです。

そうすると淀んだ空気が滞留したり、わずかながら酸素が薄くなったりすることがあります。

そうすると、断熱等級がそう高くない住宅と比較して、快適さでいえば劣ってしまうかもしれません。

断熱等級に関するよくある質問

本記事では断熱等級に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。

  • ▶︎断熱に関する補助金はある?
  • ▶︎断熱等級4以下では暮らしにくい?

それぞれ解説するので参考にしてください。

断熱に関する補助金はある?

断熱に関しては、さまざまな補助金が用意されています。たとえば「令和5年度次世代省エネ建材の実証支援事業」では、最大400万円の補助金支給があります

断熱もそうですが、現在は政府によるZEH住宅の普及促進がおこなわれている状況です。ZEH住宅とは、わかりやすくいえばエネルギー消費が極端に少ない、エコな住宅のことを指します。

ZEH住宅にはさらに充実した補助金制度があるため、こちらも確認しておきましょう。

関連記事▶︎脱炭素住宅化が工務店に与える影響と準備しておくべきこと

断熱等級4以下では暮らしにくい?

結論からいうと、かなり暮らしにくくなります。断熱等級4は、室温が8度まで下がることがあります。

8度とは、東京都の12月ごろの気温と同程度。相当な寒さだといえるでしょう。

そのうえ8度の状態から適温に戻すための冷暖房にかかる光熱費が高くなる、という問題もあります。

このような背景から、断熱等級4以下の住宅はかなり暮らしにくいといえるでしょう。

まとめ

本記事では断熱等級に関して解説しました。

断熱等級に関しては1から7があり、現在では6もしくは7を保つのが主流です。6であれば常に13度以上の室温が保たれるため、相当に過ごしやすくなります。

また、光熱費がかかりにくくなるなど、消費者にとって非常に重要なメリットもあります。

断熱等級が高いことには多少のデメリットがあるのですが、高等級にはそれを補ってあまりあるメリットがあります。補助金制度などもあるので、それらをうまく活用して、すみよい住まいづくりに役立てましょう。

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