建築資材高騰の状況は、過去数年間の高止まり傾向が大きく変動することなく、今後は微減すると予測できます。
また、国内外の社会情勢や建築基準法改正などに伴い、建築資材の価格が大きく下落していく可能性は低いと考えられます。
「今後の建築業界の動向を見据えて、改めて経営方針を見直したい」とお考えの中小建築業者様が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、建築業界専門のWEBマーケティング会社『ミライスタイル』が、以下をわかりやすくお伝えします。
コラムのポイント
- ・各建築資材の価格推移と今後の動向予測
- ・建築資材の価格が大きく下落する可能性が低い理由
- ・建築資材高騰などの状況の中で、中小建築業者が経営を安定させる方法
国内外の社会情勢に左右されず、中小建築業者様が安定経営を継続していく方法を解説します。
ぜひ最後までお読みください。
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ミライスタイルは、建築業界専門のWEBマーケティング会社です。
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建築資材高騰はいつまでも続かず微減後に横ばいの予測|大幅な下落は期待できない

はじめに、建築資材全体の現状と今後の予測を、簡単に解説します。
建築資材高騰|2021年頃からの流れを解説
建築資材全体の価格高騰が本格的に始まったのは、2021年前半からです。
建築資材高騰の流れを、大まかに紹介します。
年
(出来事) |
建築資材高騰の大まかな状況 |
2021年
(ウッドショック、アイアンショック、半導体不足、原油価格高騰、円安の進行) |
【前半】
全国的に木材・アスファルト合材から価格上昇が始まる |
2022年
(ロシアのウクライナ侵攻)
|
【前半】
全国的にセメント・生コン・骨材の価格上昇傾向も始まる
【中盤】
・木材・アスファルト合材の価格が高止まり傾向(横ばい)
・セメント・生コン・骨材も徐々に高止まりの状態 |
2023年 |
【前半】
・骨材も高止まりの状態が安定し始める
・セメント・生コンは一部地域で価格上昇が継続
・建築資材全体が、全国的に高止まりの状態で安定し始める
【中盤】
アスファルト合材が一部地域で価格上昇 |
2024年
(円安の進行、建築業界の2024年問題) |
建築資材全体が、全国的におおむね高止まりの状態で安定 |
2025年 |
【前半】
・木材以外の価格が一部地域で上昇傾向
【中盤】
建築資材全体が全国的に高止まりの状態で安定傾向 |
〈参考〉国土交通省ウェブサイト『主要建設資材需給・価格動向調査結果』>「過去の調査結果」
上記は、国土交通省が毎月公表している『主要建設資材需給・価格動向調査結果※』をもとに紹介しました。
※各都道府県の建築資材について、価格・需給・在庫状況をまとめた統計データです。
2021年以降、「建築資材の価格が下落した」というデータはほとんどなく、「上昇」「横ばい(高止まり)」が繰り返されています。
「建築資材高騰はいつまでも続かず微減する」と予測できる理由
2024年頃から多くの地域で建築資材全体の需要・供給のバランスが均衡しているため、今後は価格高騰がいつまでも続くことはなく、微減すると予測できます。
建築資材価格の大幅な下落が期待できない理由
建築資材の価格は建築業者様の経営状況に直結するため、価格高騰の緩和を期待したいところですよね。
しかし、以下のように解消が難しい複数の原因があるため、今後も建築資材の価格が大きく下落する可能性は低いことを想定できます。
- ・ウッドショック
- ・アイアンショック
- ・円安の進行
- ・原油価格の高騰
- ・賃金上昇
それぞれ、概要を簡単に解説します。
ウッドショック
ウッドショックは、世界的に木材価格が高騰した現象です。
新型コロナウイルスの世界的流行で、以下のような要因によって木材が不足し、木材価格が高騰しました。
- ・アメリカ・中国で在宅勤務が増加し、郊外での新築住宅やリフォームの需要が急増
- ・製材所の稼働停止
- ・国際的なコンテナ不足と運賃高騰 など
2023年中盤頃から日本の多くの地域では木材価格が横ばいとなっていて、需要・供給のバランスや在庫状況も安定しています。
アイアンショック
アイアンショックとは、ウッドショックと同様に世界的に鉄の価格が急上昇した現象で、主に以下の原因で発生しました。
- ・新型コロナウイルスが徐々に収束して経済活動が再開され、建築業界などで鉄の需要が急激に回復
- ・中国が鉄鋼の輸出規制を強化
2024年はじめに鉄の需供バランスが一部地域で崩れましたが、現在は建築資材の価格・需給バランス・在庫状況ともに、おおむね安定した状況が続いています。
円安の進行
2022年から、主に日米の金利格差が原因で円安が進行し、現在も円安が継続しています。
日本は建築資材の多くを輸入で調達しているため、円安は建築資材の高騰・高止まりに大きく影響しています。
原油価格の高騰
原油価格の高騰には、複数の原因があります。
- ・ロシアのウクライナ侵攻などによる原油供給の不安定化
- ・新型コロナウィルスの世界的流行が収束し、経済活動が再開したことによる需要増
- ・中国・インドなどの新興国の経済成長 など
原油価格の高騰により建築資材の輸送コストが上昇し、建築資材価格高騰に拍車をかける状況となっています。
賃金上昇
国内では建築業界の人手不足などを解消する施策の1つとして、賃金引き上げに取り組んでいます。
賃金引き上げは、建築資材の製造費に大きく影響しています。
〈参考〉一般社団法人日本建設業連合会『建設工事を発注する民間事業者・施主の皆様に対するお願い 建設資材高騰・労務費の上昇等の現状』
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建築資材の高騰は今後も発生する可能性がある点に注意

ここまで紹介してきたとおり、建築資材の価格は国内外の社会情勢の影響を受けて変動します。
建築業者が自由に建築資材の価格を調整することは難しいため、今後も高騰の時期を何度も迎える可能性があります。
政治的介入を含む以下のような対策も検討されていますが、短期間で建築資材の価格が下落する動きは期待できません。
- ・建築資材の輸入規制の見直し
- ・建築資材の国内生産促進 など
そのため、各建築業者は「効率的な仕入れ」「建築プロセスの最適化」などによって、改めて経営体制を見直す必要があります。
のちほど「中小建設業者が建築資材高騰など外的な影響を最小限にして経営を安定させる方法」で、具体的な方法を紹介します。
建築資材の価格・需給・在庫の推移グラフ|値上がり率ピークは2022年ロシアのウクライナ侵攻前後

ここまで紹介してきた建築資材の価格・需給・在庫状況の推移グラフも紹介するので、過去の経営状況・将来の経営体制見直しの参考にしていただけると幸いです。
※これから紹介する推移グラフは国土交通省が公表した統計データを簡略化したもので、実際には地域ごとに数値の推移が違う場合があります。
建築資材の価格推移グラフ
以下は2020年〜2025年(令和2年〜7年)の、「主な建築資材の価格」の推移グラフです。
建築資材の価格は、一定期間まとまって上昇する傾向があることがわかりますね。
値上がり率が高いのは2022年(令和4年)のロシアのウクライナ侵攻前後で、侵攻開始後の価格は「上昇→横ばい→上昇」を繰り返しています。
また、2025年(令和7年)中盤も、建築資材の価格上昇を想定できる動向があります。

〈参考〉国土交通省ウェブサイト『主要建設資材需給・価格動向調査結果』>「過去の調査結果」を、ミライスタイルが集計・簡略化してグラフを作成
建築資材の需給推移グラフ
以下は、2020年〜2025年(令和2年〜7年)の、「主な建築資材の需給」の推移グラフです。
建築資材の需給がひっ迫したのは2021年(令和3年)から1年ほどで、建築価格の上昇傾向が続いた時期よりも短期間です。
建築資材の価格は、需給状況の回復後、一定期間を経過してから落ち着くことがわかります。

〈参考〉国土交通省ウェブサイト『主要建設資材需給・価格動向調査結果』>「過去の調査結果」を、ミライスタイルが集計・簡略化してグラフを作成
建築資材の在庫状況推移グラフ
以下は、2020年〜2025年(令和2年〜7年)の、「主な建築資材の在庫状況」の推移グラフです。
※建築資材の種類・水準の最高値が、価格・需給の推移グラフとは違う点にご注意ください。
建築資材の在庫状況は、需給の推移とおおむね連動していることがわかります。

〈参考〉国土交通省ウェブサイト『主要建設資材需給・価格動向調査結果』>「過去の調査結果」を、ミライスタイルが集計・簡略化してグラフを作成
中小建築業者が建築資材高騰などの外的な影響を最小限にして経営を安定させる方法

建築資材の価格が大きく変動することなく、横ばいになっていく予測を紹介してきました。
このような状況の中で、特に中小建築業者様は今後の企業経営に不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
最後に、中小建築業者様が外的な影響を受けづらい経営体制を確立する主な方法も紹介します。
- ・施工の合理化によるコスト削減
- ・補助金も活用して効率的に資金調達をする
- ・オンライン・オフラインでに多角的な集客
施工の合理化によるコスト削減
建築業者が建築資材の価格調整をすることは難しいのですが、施工の合理化によって「建築資材仕入れの無駄を省く」「作業員を効率的に配置する」などを実現し、建築コスト全体を抑えることは可能です。
(例)
- ・プレカット材を使用し、建築現場での作業時間を短縮
- ・ドローンなど、省人化が可能な機器を使用した作業効率向上
- ・BIMのようなデジタルツールを活用した、正確な仕入れ など
こちらの記事で、設計・施工管理や集客に活用できる「BIM」の概要を確認できます。
〈関連ページ〉建築業界の新たな常識「BIM」をわかりやすく解説|メリット・デメリットやCADとの違い
財務状況の改善・新規事業チャレンジを同時進行
建築資材などの原価が高騰している場合には、「営業費用まで含めた支出管理」「税金支払い後のキャッシュフロー管理」に改めて取り組むことで、事業資金の状況がわかり、新規事業にチャレンジしやすくなります。
実際に今後の「公共事業の発注状況」「人口減少などの社会情勢」を見据えて、以下のような新規事業にチャレンジする中小建築業者様がいらっしゃるので、参考にしていただけると幸いです。
- ・リフォーム・リノベーション事業
- ・設備・建物全体などのメンテナンスやアフターサービス事業
- ・特殊技術を活用したニッチな市場への参入(例:耐震補強工事、築年数の古い建物の再生など)
- ・海外進出 など
補助金も活用して効率的に資金調達をする
政府は、中小企業の新規事業進出などを支援する補助金事業を、多数実施しています。
- ・ものづくり補助金
- ・IT導入補助金
- ・事業再構築補助金 など
採択率50%以上の補助金事業もあるため、経営の安定化に大きく影響する資金調達方法として、補助金活用も検討しましょう。
オンライン・オフラインでの多角的な集客方法
地方の中小建築業者様であっても、オンラインを活用して安定した集客構造を確立している企業がたくさんあります。
【オンラインマーケティングの方法】
- ・自社サイト制作・運用
- ・SNS運用
- ・オンライン広告出稿 など
こちらの記事で、オンラインを活用した集客方法を確認できます。
〈関連ページ〉工務店のためのマーケティング戦略|Web集客を成功させる実践的な方法と成功事例
〈関連ページ〉SNSマーケティング戦略を7ステップで成果に導く|効果的な手法や注意点、成功事例を解説
取り扱う工事内容や企業の特徴に応じて集客方法を考案可能ですので、ぜひオンライン・オフライン両方を活用した集客手法を改めて検討してください。
オンライン・オフラインを組み合わせた効率的な集客方法をお探しの中小建築業者様は、ミライスタイルへお問い合わせください。
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まとめ
建築資材の価格は、過去に高騰してきた状況のまま高止まりしていて、今後は微減後に横ばいとなることを予測できます。
今後、建築資材の価格が大きく下落する可能性は低いため、中小建築業者様は経営状況を改めて見直し、経営を安定させる策を実施していく必要があります。
今回紹介した情報を、自社の経営状況安定・発展の土台として参考にしていただけると幸いです。
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