ITツールの提供におけるコンソーシアムとは|補助金や注意点を詳しく解説 | ミライスタイル

ITツールの提供におけるコンソーシアムとは|補助金や注意点を詳しく解説

「ITツールを提供する際にコンソーシアムの登録方法があるとは聞いたけど、一般的な登録方法と何が違うの?」と感じてはいませんか?IT導入支援事業者にはコンソーシアムという登録制度があります。この制度を利用することで、個人事業主など複数の構成員が一体となってITツールを提供することが可能です。そこでこの記事では、登録したITツールを他の企業と一緒に提供することができるコンソーシアムについて説明します。これからIT導入支援事業者へ登録を考えている方の参考になれば幸いです。

そもそもITツール導入とは?

ITツールを導入することで補助金が出る制度を知っていますか?この制度はIT導入補助金という制度で、中小企業や小規模事業者が事業の土台となる基盤をつくるために利用するITツールにおける費用を補助するものです。この制度は2018年4月頃から始まった新しいサービスなので、詳しい情報が少ないのが現状です。

具体的には、生産性を上げるために必要となるクラウドサービスやソフトウェア製品などのITツールを導入するためにかかる費用の一部をサポートします。このサポートはただ単にお金を補助するだけでなく、ITツールを提供する企業が導入のサポートからアフターフォローまでしっかり担当します。そのため、ITツールの知識や使い方がわからない場合でも気楽にチャレンジすることが可能です。

ITツールのコンソーシアムとは

ITツールの登録を複数の個人事業主や企業などとすることをコンソーシアムといいます。また、ITツールの提供や支援をする人を「IT導入支援事業者」と呼びます。つまり、IT導入支援事業者は「個人(単独)」もしくは「コンソーシアム」で登録することになります。

コンソーシアムは、幹事社1社と条件を満たす構成員とで登録が可能です。単独でIT導入支援事業者としての要件を満たせなかったり、導入・運営のサポートやアフターフォローに対応できる人員がいない場合に利用されます。複数の構成員をもつことでIT導入支援事業者の業務をまとめて、中小企業や小規模事業者の生産性を上げやすくします。

例えば、幹事社をクラウドサービスの開発や販売をする企業、構成員をそのサービス向けのアプリの開発や導入をする複数の企業とした場合。幹事社は基幹となるクラウドサービスを提供し、構成員は自社が開発したアプリの導入・運営サポート、およびアフターフォローをします。その結果、幹事社は導入・運営サポート、およびアフターフォローの時間を割くことなく業務を進めることが可能です。また構成員は、基盤となる大きなクラウドサービスが不要で、製品を作ることに専念しながら自社の知名度を上げることができます。

コンソーシアムでの登録条件

コンソーシアムでの登録をする場合、幹事社と構成員の間でIT導入補助金事業における情報の管理、適正な補助金の運用などに関する協定を結ぶ必要があります。この協定は大まかに

  • 協定書を結ぶ幹事社と構成員を特定できる名称と押印
  • 協定書の目的
  • コンソーシアム構成
  • 幹事社と構成員の役割・責任・権利義務
  • 秘密情報・個人情報の取扱い
  • 協定の変更や解除の対応
  • 契約の期間
  • 紛争発生時の処置
  • 協定書に定めのない事項の取扱

などの取り決めです。

また、幹事社と構成員のそれぞれに応じて該当する要件があります。

幹事社の場合

幹事社の場合、以下の要件を満たす必要があります。

  1. IT導入支援事業者登録においてコンソーシアムでの申請、その幹事社として本申請をする
  2. 本事業のすべてに関係する業務を監督する幹事社となり、構成員のとりまとめをする
  3. コンソーシアムを構成する構成員のうち1者以上は、ソフトウェアもしくはそれに類するサービスを提供・販売の実績があり、事務局が決めた要件を満たすITツールを登録・提供できる
  4. コンソーシアムにおける構成員のすべてが、別に決めた「コンソーシアム構成員の要件および宣誓事項」に載っている全ての要件をクリアしていることを確認し、幹事社は事務局からの要請があった場合にすぐに提出できるよう管理・保管する
  5. 本事業における情報の管理、適正な補助金の運用などに関する協定を幹事社と構成員の間で結び、幹事社はこれを事務局からの要請があった場合にすぐに提出できるよう管理・保管する
  6. コンソーシアムの構成員全てが、「情報セキュリティ対応状況・確認書」を幹事社に提出し、幹事社はこれを事務局からの要請があった場合にすぐに提出できるよう管理・保管する
  7. 原則として、コンソーシアム内から事務局への問合せは、幹事社が取りまとめて行う
  8. 幹事社は、構成員の登録内容(住所・代表者名・連絡先など)に変更が出た場合、また何らかの理由でコンソーシアムを抜ける場合、事務局に報告して事務局の指示を受ける

引用:IT導入補助金

構成員の場合

構成員の場合、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 日本で登録された法人もしくは個人である
  2. 安定的な事業の基盤があり本事業の間だけでなく、補助金の交付後も補助事業者への支援をする体制を整えることができる
  3. 経済産業省の所管補助金交付などの停止および契約に係る指名停止の措置をうけていない
  4. 本事業に携わる部署において情報セキュリティ対策の管理が実施されている。またコンソーシアム構成員の登録をする上で、別途『情報セキュリティ対応状況・確認』を行い、本事業によって得た個人情報を漏洩、き損することが無いよう管理する。確認後、速やかに幹事社へ提出する
  5. 補助金に係る予算の執行の適正化に関する法律および、本事業の公募の要領・交付規程などに記載の内容を遵守することができる。並びに、補助事業者に対し本事業の公募要領・交付規程などに記載の内容を説明して、理解の上で交付の申請をする
  6. 反社会的勢力に該当せず、今後も反社会的勢力との関係をもたない
  7. 訴訟や法令遵守上において、本事業の遂行に支障をきたすような問題を抱えていない
  8. コンソーシアム構成員は、本事業における情報管理、適正な補助金運用などに関する協定などを幹事社と結んで保管する
  9. コンソーシアム構成員は、本事業の各種手続きにおいて登録する情報およびメールアドレスは、正確な情報を提出して変更または修正の必要がある場合は速やかに幹事社を通じて事務局に報告して変更手続きをする
  10. 事務局より付与されるIT事業者ポータルを使用して本事業に係る申請、各種手続きなどをするため、IT事業者ポータルに係るログインIDおよびパスワードは、責任をもって適切に管理する
  11. 事務局に登録申請をするITツールが生産性の向上に資するよう、最大限の効果を発揮する為の環境・体制の構築をする。また補助事業者が導入したITツールにおいてデータ連携不全や運用障害などが発生しないようメンテナンスおよび管理する
  12. 本事業の申請および各種届出などにおいて、虚偽や不正、業務の怠慢、並びに情報の漏洩など、その他不適当な行為の疑いがあり、IT導入事業者として不適切であると事務局が判断した場合。必要に応じて現地調査を実施してIT導入支援事業者の採択の取り消しおよび、IT導入支援事業者が提供するITツールの登録の解除および、その不正などの内容について本事業ホームページで公表することに同意する
  13. 補助事業者に対し、申請マイページ作成および各種の申請、手続きなどに虚偽や不正、業務の怠慢、並びに情報の漏洩など、その他不適当な行為が明らかになった場合、交付決定の取消しとなる場合がある旨を交付の申請時に説明をして同意を得る
  14. ITツールの導入を検討する事業者からの問合せに対応するなど、本事業ホームページや公募要領、各種手引きなどを充分活用し、補助事業の周知活動に取り組む
  15. 本事業期間のみならず、補助金を交付した後も補助事業者からの問合せや相談、苦情対応について適切に対応する。また導入したITツールのサービスについて、より高度かつ利便性などの向上を図るための利活用推進に係る取組を実施する
  16. 事務局が実施する説明会や経済産業省などが関与する本事業の関連施策に可能な限り連携し、補助事業の周知活動に取り組む
  17. 事務局に提出された交付申請の情報などは、統計的な処理などをされ匿名性を確保しつつ公表される場合がある旨を説明して同意を得る
  18. 本事業にて行った事業の実績などについては、IT導入支援事業者名および事業の実績などを本事業ホームページなどにて公表することに同意する

引用:IT導入補助金

コンソーシアムについて理解して自社に合った登録方法を

今回の記事では、IT導入支援事業者の登録方法におけるコンソーシアムについて説明しました。コンソーシアムで登録することで、幹事社と構成員でわかられることができるので自社に合ったスタイルを選ぶことが可能です。まずは、IT導入支援事業者を登録する場合に「個人(単独)」もしくは「コンソーシアム」にするのかを話し合うことから始めることをおすすめします。

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