売上総利益と社員の時間について | ミライスタイル

売上総利益と社員の時間について

売上総利益と社員の時間について、ふと考えてみました。

【売上総利益】
・=粗利=付加価値
・外部から調達した物に価値を付加し、産み出された商品・サービスとの価値の差分
・付加価値とは「会社の存在価値」
・付加価値の大きさは、その商材や販売企業の市場における競争力の大きさ

当社は固定費が少なく、売上総利益の使途の大きな部分が社員の人件費となっています。ブラック企業にしないようにするには、売上総利益=社員の時間の源泉と考えると良いんだと思いました。

日本の平均労働生産性と社員の給与(時給)について

2018年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり売上総利益(付加価値))は、46.8ドル(4,744円)となっており、米国(74.7ドル/7,571円)の6割強の水準に相当し、順位はOECD加盟36カ国中21位・主要先進7カ国で最下位となっています。

今年、当社のサービスメニュー・価格と、労務管理アプリ:ラクローに打刻されるメンバーの業務時間を把握(:監視的な管理ではなく経営改善の為の把握)をして労働生産性を上げようと改善努力をしました。

結果としてはメンバーの頑張りのおかげも有って、労働生産性は前年の1.5倍程度に改善しました。

労働生産性4,744円の会社があると仮定して、この数字の意味を考えると

社員の給与(時給)は4,744円以下には必ず落ち着くようになる。(実際には日本のサラリーマンの給与(時給)は2000円~5000円程度に落ち着くというデータが有るそうです)

WEB制作の価格について


仮に当社が日本の平均労働生産性4,744円で1人工(8時間工数)の見積を作ったとすると、全部社員で行える作業(外注に出さない)と仮定して4,744円×8時間=37,952円となります。

当社調べでは、WEB制作業界TOP企業の人工ベース見積は5万円/1人工(8時間)以上です。それを考えると、見積金額が日本の労働生産性の平均レベル(4,744円)位に収まっている場合、WEB制作業界内でのサービスの魅力度はまだまだ、という事になるかと思います。

労働生産性を上げる為に、基本は時間を把握する事なんだろうなと思うのですが、一方で値決めは顧客が感じる価値から発想する必要が有ると思っております。WEB制作業の場合は時間と人工ベースの見積をしすぎると、顧客が感じる価値との間に矛盾・落とし穴が生まれます。

どの位の時間を掛かけたかは顧客の価値にはならないので、値段を決める時は注意が必要かと思います。

売上が上がっても、手放しで喜んではいけない?

売上の目標を掲げている会社は多いと思いますが、急激に売上を伸ばし過ぎると様々な部分が軋んでくると思います。特に人材採用についての体制が整っていない場合には、売上が上がったからといって直ぐに人を採用出来ない事も多く、

売上が増えて粗利が増えても、社員の働く時間はそれ以上に増える

という状況だと、労働生産性が下がるのでブラックな体質になります。

WEB制作業のようなソフトビジネスで労働生産性を上げるには

・社員の働く時間が変わらず
・粗利が上がり
・その分、当然顧客への提供価値が上がる

という3つの条件を満たすアイディアが必要となり、このようなアイディアは一筋縄では、、まあ出てこないです。だから経営者が日々頭を働かせている必要があるんだと思います。

基本は、時間を把握する事なのでは

あの「ドラッカー先生」はこう言っています。

成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとらわれているかを明らかにすることからスタートする。

これ、自分が会社員だったときは全くピンとこなかったのですが、経営者になってみてパァっと開けるように意味が分かりました。とっても経営的な言葉だな、と思います。

建築業界は総じてブラックだ!!とよく言われるのですが、時間を把握するという事を経営者が怠っていると、気付かないうちにとんでもない事になるのでは??と思います。

労働生産性を改善する為のアクション

時間を把握する事に加えて、生産性をどのように上げるのかという点を考えると、下記のようなアイディアが浮かんできました。

これらは、当社で実施して大きな効果を生みました。

【今年実施したアクション】
<1.絞り込み>
①マーケットを絞り込んだ
②顧客・自社・競合を分析し、価格と価値の組み合わせを改善した
③新規顧客開拓より既存顧客サポートに注力した

<2.在宅ワークによる生産性改善>
④雇用契約を前提としないこれからのチームの有り方を模索した
⑤メンバーそれぞれの長所を生かせるチームをオフライン×オンラインで作った
⑥メンバーのモチベーションをバックアップした
⑦社内勉強会や意見交換を行い、メンバーの成長出来る環境を用意した

<3.未来への投資>
⑧経常利益を出し、これから需要が増えそうな技術開発に先行投資した
⑨労働集約型業務をITツールに任せる合理化を進める

特に当社のような20名~30名位の大きさの会社・コロナ渦の現在でお勧めなのは、2.在宅ワークによる生産性改善になります。オンラインのコミュニケーションツールと外部委託を連携させた生産性向上を行います。

メンバーの配置については、当社の場合は基本スタンスとして「その人の特技を生かす」という事に注力しています。苦手な事を周りの委託メンバーに任せる事で一人一人が特技に特化して時間を使える体制を作ります。こうする事で仕事の質が上がってゆき、成果物の品質が上がってゆきます。

そろそろ1年が終わりますが、来年からも改めて1人当たり売上総利益を向上させるアイディアを模索してゆきたいと思っております。

数字には出てこない部分も

経営は数字と向き合う毎日ではありますが、会社には数字に出てこない部分もたくさんあると思います。

売上総利益=粗利=付加価値→会社の存在価値であり、社員の時間の源泉

ではあるのですが、1人当たりの売上総利益を増やしながらも、数字には表れないメンバーの労働環境やメンタル、気持ちの部分もケアしなくてはダメかと思います。

また数字を気にすると良い仕事の邪魔になる部分も有るかとも思います。私の役割としてはこういう数字の事を考えておく必要はあるのですが、メンバーには常々「あまり数字は気にしないように」と話しています。

人と人との付き合いは、義理人情の部分も有りますもんね。

さてと、明日もがんばろ。

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