B/Sにおいて見ている数字について
財務3表と言われるP/L、B/S,CFについて、特に最近B/Sの面白さと底無しの世界観にはまっています(笑)。B/Sを知ると会社だけでなく、世の中の仕組みや株式市場、突き詰めると自分自身についても世界が広がる事に気付きます。投資対象になる様々な物事をB/Sの図をイメージして見るようになるという癖がついています、、また職業病全快です苦笑。
私がこれまでの会社を行う中で気づいた事や(株)ミライスタイル自社の決算書に求めている条件については、下記のようなものが有ります。これはIT業界の中でも当社のように若干古風な借入型スモールビジネスや、中小企業の工務店・設計事務所のB/Sを見るときにも共通するものが有ると思います。
【自分がB/Sを見るときに気にしている箇所のご紹介】
■ とにかく現預金・・・当然円安で日本円を持つ意味(:逆行)や預け先のリスクは常に考えています
①月商の3カ月以上。当社は現況6カ月以上あるので、次は1年分以上を目指す
②少なくとも借入金より多くし、実質無借金状態は最低限確保する
③固定費1年分以上・・・1年あれば何が有っても立て直せる。常に固定費を把握しておく。固定費把握はP/Lや販売計画を練るときにも重要です
■ 現預金の多い会社のほうが経営戦略の選択肢が増える→会社が有利になる手を打てる:現状維持の感覚が解かれ、視野が徐々に広がる→現預金が集まっているところに更にお金が集まる、という構図になる→だから資金を集め続ける:借りられるときに借りておくのが正解だと思う
■ B/S左側は逆三角形、右側は正三角形にする(:B/Sの左上に預金が来て、右下が利益剰余金になるから)
■ 流動比率は重要と言われるが、個人的にはさほど重視しない・・・短期借入金で借りた借入の実態は長期借入金となっている事等を考える
■ 営業活動に関係ない資産を圧縮する(:資産は別に持つ)
■ 資産の含み益、含み損を見る
■ 最低ラインとしている自己資本比率は30%以上だが、当社の経営においてはさほど重視していない。重視しすぎると未来への投資がおろそかになり、結果として現預金が増えないから。
■ 借入金が何に変わったかを見る・・・借入金は現預金や自分の考える資産に代わっていれば全く問題無い
■ 債務について社長が万が一の時にどうなるかを、お金の流れと幹部や専門家がどのように動けばよいかシュミレーションしておく
■ 営業利益がどこで生まれているかがシンプルに説明できるような事業を設計する
■ ROEが高い事について・・・株主資本が小さく利益剰余金が多ければ価値の高い会社と言われるが、一方でレバレッジを掛けて資産が多くなりそれが収益を生めばROEはいくらでも上げられるから数字だけに惑わされない
■ ROA10%以上は総じて収益性の高い会社と言って良いと思う
■ 直近2~3年くらいの税引き後当期純利益の額を暗記しておいてB/Sを眺める。そうする事でPERやPBR等が速算できる。
■ 自分の会社の株価がいくらなのか、最低限PBR1倍の時の時価総額(=純資産)は中小企業の社長は常に暗記
■ 会社の株式の行き先(事業承継or上場 等)によって、純資産に対する相続税などを考えておく必要が有る
■ 零細企業における純資産は、会社の外側から自社を見た時に5000万円と1億円にそれぞれ分かりやすい目標ラインが有る
■ B/Sに乗ってこない資産の価値をイメージして動く。最たるは人材かと思う
■ B/Sは会社の積み重ねの履歴なので、良いB/Sや純資産が多い会社は無条件で評価されるべきではないかと思う
B/Sについてこのような事を考えていますが、決算書は数字だけに惑わされず会社の実態を考える事が大事だと思います。
自社の決算書を検討する事は実態との突合せが簡単に出来るので、最も効率の良く初めの一歩のトレーニングができると思います。
この先、経営陣と共に改善によってより強い会社を作っていければと思います。