地域工務店の営業戦略~コロナ時代の売れる仕組みづくり

工務店の生き残りには営業戦略とセールススキームの設計力が鍵
コロナ禍で工務店の営業戦略も見直しを迫られました。転換点を迎えた建築業界は、ニューノーマルの時代の家づくりの提案が求められています。一方で、これまでのモデルハウスやイベントを中心とした販促施策も新たなスタイルの模索が始まっています。そこで今回は、ウィズコロナ時代の工務店の営業戦略と生き残り策となる「売れる仕組みづくり」をできるだけコストをかけずに実現する販促施策を考えてみたいと思います。

ウィズコロナ時代の工務店の新営業戦略の考え方

コロナ禍で、建築業界は生き残りをかけた営業戦略のための「売れる仕組みづくり」が重要視されています。

売れる仕組みとは、狭義では「マーケティング」、広義では「ビジネスモデル」とも言えるものです。

この売れる仕組みとは、さまざまな環境変化にも適応しうる構造になるように検討されるべきものであり、この売れる仕組みが確立されていない企業は、目先の景気で大きく業績が左右されてしまいます。つまり、「いかに環境変化に適応しやすい売れる仕組みを作るか」という命題が、これからの時代に最適化された営業戦略になるのです。

 

環境変化に適応しやすい営業戦略とは

では、環境変化に適応しやすい営業戦略とはどのようなものなのでしょうか。その前提となるのは、環境が変化することを想定した戦略を立案することです。

企業は環境適応業と言われるように、激変する企業経営を取り巻く環境は、予測が難しく不確実性の高いVUCA※の時代が続くことでしょう。
V:Volatility(変動性)U:Uncertainty(不確実性)C:Complexity(複雑性)A:Ambiguity(曖昧性)

このような時代に適応し続けるには、環境変化の兆候を捉え、時代の潮流にのりながら自社のポジショニングを常に変化させつつ、環境変化に適応していく戦略が求められます。

そのための戦略として、フォーカスと差別化が改めて必要になります。

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これらの戦略は、自社戦略診断の基本スキームである、SWOT分析などに代表される視点で、市場の動向(成長性、新たな機会)、自社の強みと弱み、競合状況、参入障壁などのデータに基づき総合的に策定します。

なお、ここまではこれまでの戦略策定の考え方と大きく変わりませんが、環境変化に適応しやすい戦略にするためには、次のような視点を新たに取り入れていく必要があります。

 

不確実性の高い時代の環境変化に適応するマーケティング

不確実性の高い時代の環境変化に適応するためのマーケティング不確実性の高い時代の企業経営においては、

・環境変化をダイレクトに感知するセンサーとなるチャネルを自社で保有する
・その察知した変化の源流と同化するようなマーケティング施策を打つ

といった考え方が必要になります。

例えば、地方を拠点とする食品製造業は、長年、商社やスーパーなどを販売チャネルとしてきました。しかし、今後の環境変化に適応すべく、ダイレクトに顧客に接する直営店やネット通販に参入するケースが相次いでいます。

いかに今後の自社の顧客になってくれそうな未来の顧客を獲得できるか。そのために、どのようにユーザーのファン化を進めていくか。

そこで、「今すぐ客」となる新たにネット通販の際の顧客のアクセス動向を分析するだけでなく、将来の見込み客となる「そのうち客」に向けてもブログやSNSなどでコンテンツマーケティングを開始。さまざまな商品の利用シーンを提案しながら、商品や会社の魅力を伝える情報を提供し続け、ブランディングに成功。コンテンツマーケティング開始後1年で数万件のフォロワーを獲得し、キャンペーンを打つたびに一定の営業成果を獲得できる構造が確立されました。

この事例と同様の営業構造を確立しようとする動きが地域工務店さんの業界でも起きているのです。

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地域工務店が未来の顧客を創出するための施策

いますぐ客と、そのうち客のペルソナは異なります。

仮に、「いますぐ客」は、半年後~1年後の住まいで困っていて、その問題をできるだけ早く解決したい方「そのうち客」は、今後、1年後~数年以内に困ることが想定される方で、まだ漠然と解決策を検討している方とします。

たとえば、「いますぐ客」は、自社の営業エリアで家を建てようと具体的に考えている30代の結婚・子育て世代。30坪程度で予算2千万円以内。交通利便性も考慮する駅近の立地でできるだけローコストの家づくりがしたい方だとします。

しかし、今後、困ることが想定される「そのうち客」方は、エリアで見れば、今はまだ自社の営業エリア外にお住まいの方かもしれません。するとペルソナは、自社エリアに移住を検討している30代の結婚・子育て世代で、駅近よりも環境重視で予算も建築費に2000万円を超える額を出せる層かもしれません。また、子供が独立した50~60代で、比較的資産形成もされている層も有望になるかもしれないのです。

このような顧客層には、これまでも、それぞれに自社の魅力を伝え、自社のファンになってもらうために、地元エリアであればポスティング、DM、飛び込み営業など、様々な方法がとられてきました。しかし、不確実性の高い環境変化の激しい時代に、自社エリア外の顧客にも有効にアプローチができるチャネルを確立し、自社の魅力を効果的に訴求し、効率的なマーケティングを展開するには、

・商品開発:未来の顧客に求められる新たな商品・サービスの開発
・販売チャネル:未来の幅広い潜在顧客にリーチする効率的な営業チャネルの確立
・営業組織:未来の顧客をファン化するオンラインとオフラインを融合させたセールス部隊の編成

といった要素が必要になります。

なお、これは相互補完関係にあるもので、連動した強化策を講じることで、相乗効果が期待されるという関係にあります。

 

不確実性の高い時代の地域工務店の売れる仕組みづくりの4つの視点

不確実性の高い時代の先を読むためのマーケティング手法とはでは、このような環境変化の激しい時代を生き抜くための仕組みづくりに向けてどのような変化に対して取り組みを進めていけばよいのでしょうか。

①業界ポジションの変化

今、地域内で自社がどのポジションにあるか。今後の予測される変化に対して、より最適なポジションはどこか。エリア、事業分野、競合状況、ターゲット層など、多角的な視野で検討する必要があります。

 

営業エリアの選定

例)いますぐ客の刈り取りと共に、そのうち客の種まきをするエリアの明確化など

事業分野の再定義

例)新築重視から省エネを軸としたリノベーション分野への参入など

ターゲット層の見直し

例)30代の地元出身の結婚・子育て世代から50~60代の他エリアからの住み替え層など

②販売チャネルの変化

業界ポジションの位置取りが見えたら、次は、販路の変化におけるチャネルの最適化を検討します。

イベント集客チャネルの再構築

例)これまでのリアル見学会中心のイベントから、バーチャル見学会なども併用するなど

ネット集客チャネルの強化

例)これまで地元在住の30代の子育て世代が中心の商品ラインナップと施工事例だったところを、新たない50代~60代の都市部からの転出組みをターゲットとしたラインナップと施工事例を追加し、インスタグラムや読み物系のコンテンツマーケティングも実施する
例)新たな検索キーワードで対策を強化して上位表示を狙う、など

紹介チャネルの多様化

例)これまで地元の不動産会社からの紙ベースでの紹介がメインだったが、近隣の不動産会社とも連携し、また、SNSも活用したOB顧客からの紹介のための施策を追加するなど

 

③取引構造の変化

法改正や政府の施策の変化を見据えて、省エネ・カーボンオフセット・SDGs対応の資材の調達に関して、取引先との契約条件・ロット・仕入価格の見直しなど、より好ましい条件に変更するなど。

 

④営業組織の変化

上記のような変化に対する施策を実行するための新たな営業体制を検討する必要があります。エリア拡大、販売チャネルや顧客ニーズの多様化に伴うオンライン営業部隊、自社リソースに依存しない外注先を活用したリモート営業ツール部隊など、さまざまな施策が考えられます。

 

地域工務店のマーケティングと販促施策

地域工務店の販促施策はオンラインとオフラインの融合でいかに魅力的な商品ラインナップや技術があったとしても、その魅力を本当に伝えたい未来の顧客に効果的に伝えられなければ、集客・受注活動の効率が低下してしまいます。

工務店の環境変化への適応策は、オンラインとオフライン施策の最適化という視点からも整理することができます。

地域密着の工務店が、今後もお客様から選ばれ続けるためには、環境変化に応じたオンラインとオフラインのバランスを調整し続けていく必要があります。これがクロスメディアによるマーケティングに基づく販促施策です。

 

オンライン・クロスメディアの販促施策

工務店の販促チャネルのメインは、急速にオンラインにシフトしてきました。その中心となるのが、ホームページとその他のメディアの複合的な活用です。

自社サイトとオウンドメディア

検索エンジンからの流入の受け皿となるホームページは、未来のお客さまの工務店選びのメインチャネルになります。ランディングページの整備や、自社サイトに付随するオウンドメディア(ブログやコラムなどコンテンツマーケティングの展開)などのSEO対策、スマートフォン向けのレスポンシブル対応による利便性の向上により集客力を高めることができます。

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SNSとインターネット広告

外部発信型のプロモーション施策としてのSNSやリスティング広告などのネット広告も自社サイトと連動させることで効果的に機能させることができます。

オンライン相談

モデルハウスやイベントと並行して、ユーザーが自宅にいながら、都合のつきやすい時間にZoomなどのオンライン会議システム等で相談ができる窓口はいまや必須のチャネルになりました。オンライン営業窓口としても機能させることで、資料請求者へのフォローや、モデルハウスのリポートなどにも活用することができます。

 

オフライン・クロスメディアの販促施策

これまで同様の、DM、ポスティング、セミナー、イベントなども、今後も、オンラインチャネルと組み合わせることで、今後も効果的なチャネルであることが想定されます。

これまで以上に、人と直接会う価値、現場や素材にダイレクトに触れられる価値が高まっています。

 

セールススキームの設計力が生き残りの鍵

以上から、工務店の営業戦略におけるチャネルの再編成は、セールスプロセスのどのステップに、オフラインチャネルをどのような形で効果的に組み込むか。すなわち、工務店の営業戦略におけるセールススキームの設計力が生き残りの鍵となってきています。

新たなセールススキームの設計やそれを実行するチーム編成は外部のノウハウを有効活用するのが近道です。ホームページ制作、コンテンツマーケティングなどのノウハウは一朝一夕に自社で開発することは難しいため、外部の制作会社や業務委託先へのアウトソーシングを活用しながら、社内にノウハウが蓄積していくことが、時間もコストも有効活用できる方法の1つ言えるでしょう。

 

まとめ

地域工務店の営業戦略は、不確実性の高い時代の環境変化を前提とした営業戦略であることが求められます。環境変化に適応しやすい営業戦略とは、外部環境の変化に敏感なセンサーとなる機能を配備し、そのセンサーでキャッチした情報をもとに常にチャネルを組み替えて最適化をするためのメカニズムが必要です。最適化をし続けるためには、自社サイトをオウンドメディア化して、オンラインのセンサー機能を担わせる必要があります。一方、オフラインのセンサーは、イベントや営業マンなどの既存のチャネルが有効です。不確実性の高い変化にスピーディーに適応するために、これらを最適に組み合わせるクロスメディアのマーケティングと、それを可能とする外部委託先など社外機能を有効活用する力が、不確実性の時代を生き抜く工務店の新たに獲得すべきノウハウと言えるのではないでしょうか。

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