一級建築士が食えないと言われる理由|食える建築士になるために | ミライスタイル

一級建築士が食えないと言われる理由|食える建築士になるために

住宅の設計図

国家資格である一級建築士は、建築系資格の中でも知名度が高いものの一つ。
しかし近年は少子高齢化や建築需要減少などを理由に、「これからの一級建築士は食えない」という意見も多いようです。
今回は一級建築士が食えないと言われてしまう理由と実態、安定して食べていくための取り組みを考えてみましょう。

 


目次
■建築士資格は可能性を広げるための手段
■「一級建築士は食えない」と言われる理由
■食える一級建築士になるためには


 

■建築士資格は可能性を広げるための手段

大規模なゼネコンの建設現場

一級建築士の将来性を考える前に、大前提として資格を持っているから食えるわけではないということを再確認しておきましょう。
保有する資格によって平均年収が変わることは事実ですが、同じ一級建築士でも儲かる人・儲からない人はたくさん存在します。
これはどの業界でも同じことで、仮に医師免許や弁護士資格を持っていても失職・廃業になる可能性はあります。
資格は仕事や年収を保証してくれるステータスではなく、携わる業務の幅や成長の可能性を広げるための手段です。一級建築士資格があるからと慢心していると、競合に差をつけられて食べられなくなってしまう可能性が高いです。
「資格があるのに食えない」ではなく、「資格を活かして何をするのか」という視点で建築士の可能性を考えてみてください。

■「一級建築士は食えない」と言われる理由

一級建築士が将来食えなくなると言われている理由と、実際の将来性について考えてみましょう。

・需要の減少

少子高齢化が進み既に人口が減少している日本では、建築需要も減少するというのが建築士は食えなくなると言われる大きな理由の一つ。
確かに人口が減ると、賃貸・持ち家・商業ビルなどの着工数が減る可能性は大きいです。しかし生活に必須となる衣食住の一つである建築業界、需要がゼロになることはないでしょう。大規模インフラや公共施設の老朽化もどんどん進行するため、一級建築士が求められるシーンは少なくないはずです。
もちろん建築需要の減少とともに景気が後退すれば厳しい状況になりますが、それはどの職業・資格でも同じことです。
需要が減少し始めるタイミングは仕事の競争率が高くなるかもしれませんが、ゼロにならなければ工夫次第で食べていくことはできるはずです。

 

・AI技術

AIロボットのイメージ

最近はどの業界でもAI技術の開発・導入が研究されていますが、建築業界も例外ではありません。
将来AIが設計業務を代替できるようになり建築士の仕事がなくなるという説もありますが、これもあまり現実的とは言えません。
AIは積算や図面作成などの機械的な作業は得意ですが、要望をヒアリングして形にするなど、感情が入り込む仕事をこなすのは難しいためです。映画や小説に登場するような感情を理解する人工知能が開発されれば分かりませんが、現状建築士の仕事が完全にAIに奪われる可能性は低いでしょう。
逆に建築業界でAI技術が活用できるようになれば、機械的な作業を任せて建築士の業務負担を軽減できる可能性が高いです。

 

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・BIM

年々導入事例が増えてきているBIM(Building Information Modeling)も、建築士の業務領域に関係する技術です。
従来のCADからBIMに切り替わることで設計~施工までの業務が大幅に効率化されますが、前述したAI技術と同じように建築士の仕事が完全になるなるわけではありません。
BIMによって生産効率性が上がれば一級建築士全体の労働環境が改善し、スキルアップや営業に時間をかけることが可能になります。むしろ建築士にとってプラスの要素と言えるでしょう。

 

■食える一級建築士になるためには

・ヒアリングスキルを磨く

設計業務はもちろん、一級建築士を活かして稼ぐならどのような働き方でもヒアリングスキルは欠かせません。
ヒアリング力があれば施主満足度を高めることができ、昇進や昇給、独立すれば口コミや紹介で仕事獲得にもつながります。
前述したAI技術による代替も難しいため、将来仕事がなくなるリスクも減らせますね。
コミュニケーション能力や相手の想いを引き出す能力は、訓練して伸ばすことが可能です。建築士にとって大切な能力ですから、時間やお金をかけてでも磨いておきましょう。

・実績を積む

一級建築士としてのスキルを顧客や取引先に明示する際、これまでに関わってきた仕事や作品は何よりの根拠になります。
これからも安定して食べていくため、積極的に実績の数とジャンルを増やしていきましょう。
設計事務所に勤めている建築士の方でも、前述したコミュニケーションスキルを磨けば仕事を振ってもらえる機会が増えるはずです。
社内外のコンペに参加したり、副業で少しずつ実績を増やしたり、時間を作るのは大変かもしれませんが得られる実績と経験は小さくありません。
独立後の受注や経営の安定にも大きく影響しますので、常に実績を作ることを意識してみてください。

・人脈を構築する

デジタル化が進む現代でも、仕事関係の人脈づくりは安定して食べていくために欠かせない取り組みの一つです。
人脈が多いほど縁が増えますから、キャリアアップや実績作りの機会も多くなります。
手が回らない仕事を振ってもらえるチャンスも増えますし、逆に自分が忙しくて請けきれない時も紹介すればムダになりません。
特に終身雇用が無くなり働き方が多様化していくこれからの時代、仕事の人脈はさらに重要になりますので、大切に育てていきましょう。

・新しい技術に触れる

前述したAIやBIMをはじめ、常に新しい技術情報をキャッチアップして取り入れていくことも大切です。
新技術を導入して業務を効率化できれば、設計に時間をかけてクオリティを高めたり新規営業をかけたりすることも可能です。
Zoomなどのビデオチャットを使った顧客とのリモート打ち合わせも、新しい技術の一つと言えるでしょう。
素早く新しいニーズに対応できれば、競合との差別化にもなります。

・元請け仕事を増やす

フリーランスや自分の事務所を持って活動するなら、自力受注で元請け仕事を増やすことも意識しましょう。
下請け仕事はいきなりゼロになる可能性がありますし、景気が悪くなれば価格競争になり食べていくのが難しくなります。
元請け仕事は利益を確保しやすく、受注数が増えても知り合いや下請けに発注してさばくこともできます。
同時にこなせる仕事本数が増えるため、売上を拡大して安定経営につなげやすいのもメリット。

 

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・建築士が求められる業界を発掘する

コロナ過やDXなど社会構造が大きく変革している今、建築士資格を活かせる業界・仕事の幅も広がっています。
例えば最近は空き家率の上昇や豊富な中古住宅市場を背景に、国がリフォーム・リノベーションを推進しています。
同時に良質な中古物件を見極めるためのホームインスペクション需要が増加しており、建築士資格を活かせば大きなビジネスチャンスになるかもしれません。
ホームインスペクターは民間資格ですから、国家資格である一級建築士なら競合と差別化することが可能です。
また建築業界では急激にホームページ集客の重要性が高まっており、ライターや記事監修の仕事で建築士としての名前を挙げるのも一つのアイデア。
他にも建築士資格を活かせる業界は幅広いため、新たなジャンルを開拓してみるのも良いでしょう。

 

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■まとめ

少子高齢化で人口減少する日本の建築業界は楽観視できる状況ではないですが、今から準備していけば建築士として食べていくのは難しいことではありません。
縮小するとはいえ住環境のニーズは大きいですから、ビジネスチャンスをつかめる可能性もあります。
これから建築士を目指す方、すでに働いている方も、悲観ばかりではなくどう勝ち残るのかを前向きに考えてみてください。

 

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著者情報

茂田啓良

茂田啓良(株)ミライスタイル ライター 

リフォーム営業マン・監督、エクステリア職人を経験しました。プラン提案、現場管理、施工と様々な視点から家づくりに関わって得た経験と知識を活かし、暮らしに役立つ情報をお届けします。

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平野雄介

平野雄介(株)ミライスタイル 代表

筑波大学大学院人間総合科学研究科 建築専攻卒。ゼネコンの現場監督,木造躯体供給会社,構造設計事務所のWEB担当を経て独立。建築業界専門のWEB運用会社 株式会社ミライスタイルを創業。

保有資格 一級建築士

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