設計事務所として生き残っていくための経営者の選択 | ミライスタイル

設計事務所として生き残っていくための経営者の選択

一時は多くの人材が活躍していた建築業界。現在、一級建築士の数は減り、高齢化も進んでいます。これからの時代の変化に対応しながらも生き残っていくためには、経営者としてどのような判断をしていけばよいのでしょうか。
今後の展望や、生き残るための選択肢はどのようなものが挙げられるのかを考えてみましょう。

 

 

コラムのポイント
・設計事務所として生き残っていくためには、常に変化する姿勢を持ち、人材育成や先行投資、クライアントとの対話を通して情報を仕入れて視野を広げるなど、多くの方法があります。
・web運用など専門的な内容は専門業者に頼ることで、より多くの客層を得る結果に繋がります。
・このコラムを読んでいただくことで、設計事務所として生き残っていくために出来ることを身につけ、今後取るべき行動、選択を自身で行いやすくなります。

 

 

今後の設計事務所の展望


 

設計事務所として、今まで数多くの仕事に携わり建物という結果を残してきた…という方はとても多いのではないでしょうか。

現在、住宅やビルが過剰に立ち並び、住宅を建設していく機会は減少しています。2020年の東京オリンピックに向けて建設ラッシュに沸いており、建築設計の仕事も増えて入るものの、建設ラッシュ後のことを考えると、安心もしていられません。

これからは、新築物件だけでなく設計以外の業務もこなせるスキルであったり、住宅以外の施設、建築物を手がけられる力であったりが必要になります。また、設計事務所単独での設計だけでなく、様々な組織と組んでプロジェクトを進め、活躍していくことも大切です。

 

 

 

生き残るための選択

 

今後、設計事務所として生き残っていくためには、どのような視点が重要なのかを見てみましょう。

 

① 常に変化していく

時代はテレビや新聞、雑誌がメインの広告媒体だったものから、インターネットでのSNS、webサイトがメインへとすっかり変化しました。もちろんテレビや新聞は、未だ大きな影響力を持っていますが、その力に頼らずともプロモーション活動はできてしまうようになったのです。多額の広告費を払わなくても、安く多くの人に広告活動ができる手段は、積極的に採用していく必要があります。

毎日、多くの人が利用するインターネットは、短時間で多くの必要な情報を収集することができます。うまく広告活動をすることで、今までは得られなかった客層を取得することも容易です。
仕組みがわからない、どうやって使えばいいのかわからない…と立ち止まる前に、まずは積極的に情報を集めて導入していきましょう。変化する時代だからこそ、変化していく姿勢が求められます。

また、やみくもに広告活動を行っても、思うような結果につながらないことも多々あります。そんな時は、web運用の専門業者の力を借りるのも、一つの手段です。

 

② 人を育て続ける

組織として最大限のスキルを発揮しつつ、成長を続けていくため、生き残っていくためには人材育成が大きな鍵を握ります。人材の採用、定着は、設計事務所だけでなくどこの業界にとっても大きな課題です。せっかく育成したにも関わらず独立してしまった、多くの時間と労力を注いでいるにも関わらずあまり成果が見えない…といったことも起こりえますが、それでも採用や定着させていくための育成はしっかりと行いましょう。

効果的な人材育成を行うためには設計事務所が目指すビジョンや経営戦略から、どのような人材がいつまでに何人必要なのか、といった5W1Hをまずは明確にします。その上で候補となる人材の選抜を行いましょう。その後、候補となる人材を育成していきます。これをPDCAサイクルで回しつづけることで。必要な人材を育て続けることができます。

また、自社だけでなく様々な組織や人材と働き続ける、と決めてしまうことで多くの有能な人材とプロジェクトを進めていくことができます。正社員、雇用といった在り方にこだわらないフリーランスという働き方を選択する人は数多く存在します。そういった人々はどれだけ深い専門性を身につけているか、どれだけの価値提供ができるかが重要で、クライアントに選んでもらえるようスキルアップをしている人が大半です。このような人々と仕事をしていくことで、人を育てるというステップを踏む必要がなくなる場合もあります。

 

③ 先行投資や自己投資を十分に行う

将来的に生き残っていくために、スキルアップは必須です。今、目の前にある仕事をこなしていくだけでも経験値は上がるでしょう。しかし、それ以外にも設計事務所や自分自身に対しての先行投資をするのとしないのとでは、将来的に大きな差となって表れます。
まずは目標とする売り上げを達成させるために、どれだけ投資が出来るか、何ができるかを考えていきましょう。スタッフの雇用であったり、多大な信頼へとつながるwebサイトの作成であったり、経営セミナーや講演会への参加であったりと、できることはたくさんあります。

もちろん、投資なのでお金が必要です。また、投資なのでかけただけのリターンがあるとも限りませんし、目に見えた結果につながるとも限りません。しかし、設計事務所や自分自身に対して行った投資であれば、何かしらの知識は得ているはずですし、経験という大きな財産にもなっています。
今はまだ自分たちには必要ない、と思っていても今後の設計事務所の未来を大きく変えていくためには、この『投資』という発想と行動が重要です。将来をしっかりと見据えたビジネスとして、積極的な投資をしていなければ、業績自体も大きく伸びずに設計事務所は頭打ちという現実を迎えてしまいます。目先の業績や利益、お金の動きに捉われるのではなく、将来的な未来の成果をしっかりと見据えて、かけるべき費用をかけるべきことに投資するという投資発想を、設計事務所や自分自身に対しても持ちましょう。

 

④ 社会に対しての視野を広げる

デザインの本質は、問題を解決することであり、クライアントが抱えている何らかの問題解決を、設計を通じて行うということが設計事務所としての役割です。

建築のプロとして、デザインや建物に関する知識、社会に与える建物の役割を学ぶことはもちろん重要です。それ以上に、多くのクライアントと関わっていくために、クライアントと同じ目線の情報を取り入れることが大切です。
クライアントは何に対して問題を抱えているのか、解決策は何なのか、プロとしてどのような提案ができるのか。こういった課題を解決していくために情報を得ておくことで、適切で的確な仕事を進めていくことができます。それが生き残っていく術にもつながります。
クライアント目線の情報は、ネット上だけでなくクライアントとの何気ない会話を通じても得ることができます。積極的に情報を得ていきましょう。

 

 

 

確かな選択をし続けることで変わる未来

設計事務所が今後生き残っていくために今できることは、短期でできることもあれば数年スパンでかんがえる必要があるものもあり、内容によっては時間がかかるかもしれません。しかし、決して難しくできないことではありません。これからも価値ある建築を世界に残し続けていくためにも、将来に向けた経営改善、ブラッシュアップを続けていきましょう。

専門的な知識を要するwebサイトの運用については、無料セミナーやコンサルタントも行っています。今後への投資としてぜひご活用ください。

 

 

 

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