【動画で解説】ディスプレイ広告とは？リスティング広告との違いや効果を上げる戦略方法

自社の商品やサービスの認知度を上げて受注に繋げる方法として欠かせないのがWEB集客ですが、その中でもインターネット広告は効率的にサイトへのアクセス数を増やす方法として多くの企業が戦略に取り入れています。

インターネット広告の中でも視覚的に自社の魅力をアピールできるのが「ディスプレイ広告」です。

そこで今回は、ディスプレイ広告に関する基礎知識から、同じくインターネット広告であるリスティング広告との違い、Googleでの出稿方法についてお話しします。

インターネット広告の効果を高めるコツも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

▶︎Youtube動画で見たい方は前編・後編から

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ、SNSに設置される枠に表示される画像広告や動画広告、バナー広告を指します。

皆さんも一度はYahooやYoutubeのホーム画面、個人サイトの中に広告枠がレイアウトされているのを見たことがあるはずです。

ディスプレイ広告はDSP（※）広告の一種で、企業が出稿料金を各自で設定してオークション形式で入札されます。

※DSP：Demand Side Platform（デマンド・サイド・プラットフォーム）の略称で、Googleなどの広告主が広告枠の買い付けや配信、分析までを自動で行って最適化するプラットフォーム

DSP広告は課金方式の違いによって2種類に分けられます。

• CPM方式：インプレッション数（※）に応じて課金される
• CPC方式：ユーザーが実際に広告をクリックした数に応じて課金される

※インプレッション数：ユーザーの画面に広告やコンテンツが表示された回数

GoogleもYahooも、出稿主が広告単価をCPMとCPCどちらに設定するか決められます。

ただし、ディスプレイ広告の場合は商品やサービスの認知を高めるためにより多くのユーザーの目に留まる必要があるため、インプレッションを重視してCPM方式を選ぶケースが主流です。

▶︎おすすめコラム：【動画でわかりやすく解説】Googleリスティング広告とは？メリット・デメリットから費用、SEOとの違い、やり方まで簡単解説

ディスプレイ広告のメリット

多くの企業がディスプレイ広告を打つ理由は、そのメリットにあります。

ビジュアル的にユーザーへ訴求できる

ディスプレイ広告は、ページの目立つ場所に画像や動画として広告が表示されるため、テキストベースの広告よりもユーザーの目に留まりやすいとされています。

また、たとえユーザーが広告をクリックしなくても、インパクトのあるデザインやキャッチコピーの広告にすれば、ユーザーの記憶に残り、将来的な受注につながる可能性がある点もポイントです。

潜在層のユーザーへアプローチできる

ディスプレイ広告は視覚的な宣伝ツールであることから、潜在層（※）にもリーチできる点が強みです。

※潜在層：現時点では商品やサービスを求めてけど将来的に顧客になる可能性があるユーザー

また、広告がユーザー自身のまだ気づいていない課題や欲求に訴えかけて、見込み客に変えられる可能性も十分期待できます。

単価が比較的安い

他のインターネット広告よりもディスプレイ広告は単価が安い傾向が見られます。

CPC（クリック数に応じて課金される）方式が基本のリスティング広告は、「180〜1000円／クリック」程度かかるのに対して、ディスプレイ広告はCPM（表示回数に応じて課金される）方式の単価が「数十円～数百円程度／1000回表示」ほどです。

ちみみに、ディスプレイ広告をCPC方式で出稿する場合の単価は「70〜200円／クリック」なので、どちらの方式でもディスプレイ広告はコストを抑えられます。

そのため、新事業や新商品、新サービスを一気に拡散させたい場合に、費用をかけて大量にディスプレイ広告を出稿するケースは珍しくありません。

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告にはメリットがある反面、費用をかけて出稿する前に知っておいていただきたいデメリットもあるので注意しましょう。

即効性が低い

ディスプレイ広告は、潜在層を含めた幅広いユーザーへ一気にアプローチできますが、即効性はあまり高くありません。

リスティング広告と比べるとコンバージョン率（※）が低い点には注意しましょう。

※コンバージョン率：CVRとも呼ばれ、Webサイトや広告をクリックして実際にアクセスしたユーザーのうち、資料請求や問い合わせなど何らかのアクションを起こした人の割合

ディスプレイ広告の出稿単価はリスティング広告よりも安いですが、コンバージョンに至った人にかかった広告費用を比べると、単価は高くなるのが通常です。

そのため、ディスプレイ広告は顧客や受注の獲得といった短期的な目的ではなくて、商品・サービスの認知度拡大や会社のブランディングなど中長期的な目的で利用するのがおすすめです。

効果測定が難しい

ディスプレイ広告はインプレッション数で課金されるCPM方式が主流であるため、コストに対してどのくらいの効果が出たのかを分析するのが難しい側面もあります。

ここまで聞くと「クリック数に応じて課金されるCPC方式にすればいいのでは？」と思う方も多いでしょう。

しかし、認知度を高めるのに効果的なディスプレイ広告は、たくさん表示されて多くのユーザーの目に留まらなければあまり意味がありません。

幅広いユーザーにアプローチできるゆえに、効果に繋がったポイントや改善すべきポイントが見えにくいので注意しましょう。

ディスプレイ広告の効果を詳細に測定したい場合は、別途広告効果測定ツールなどを使う必要があります。

長期間出稿するためには費用がかかる

CPM方式を選ぶと多くの幅広いユーザーにリーチできる反面、長期間にわたり継続して広告を出すためにはまとまった広告費をかける必要があります。

自社がターゲットとしないユーザーにも広告が表示される可能性があるため、コンバージョンに繋がらず多少費用が無駄になる点は否めません。

そのため、自社の商品やサービスがユーザーの属性や住んでいる地域を特定する場合は注意しましょう。

▶︎おすすめコラム：工務店のためのマーケティング戦略｜Web集客を成功させる実践的な方法と成功事例

ディスプレイ広告の主要配信媒体

ディスプレイ広告は様々な媒体へ出稿できますが、その中でも日本でツートップがYahoo広告（通称YDA）とGoogleディスプレイネットワーク（通称GDN）です。

ディスプレイ広告を出せる媒体の違い以外にも押さえておきたいのが、それぞれの提携パートナーです。

YahooとGoogleは提携パートナーが異なるため、どちらの媒体でディスプレイ広告を出すか迷った場合はその点もチェックしましょう。

広告を出す媒体	提携パートナー
Yahoo（LINEヤフー）	朝日新聞・毎日新聞・スポーツ報知新聞・食べログなど
Google JAPAN	楽天・BIGLOBE・Ameba・価格.com・ニコニコ動画など

もちろんYahooとGoogleのどちらにもディスプレイ広告を出す企業はありますが、限られた費用でより広告の効果を高めたい場合は、日本における検索サービスのシェアが大きいGoogleがおすすめです。

総務省の調べでは、パソコン・タブレット・スマホ全ての場合でGoogleを使ってキーワード検索している人の割合が70%を超えています。

レスポンシブディスプレイ広告にも注目

レスポンシブディスプレイ広告とは、いわばディスプレイ広告の“進化版”とも言えるWEB広告で、入稿したアセット（※）が自動的に組み合わされて効果的な広告が生成されるシステムです。

※アセット：元は資産・財産を表す単語だが、Googleでは広告を構成する画像・動画・テキストなどを指す

参考：Google広告｜アセットについて

アップロードした画像や動画が、いくつもある広告枠のサイズに合わせて自動的にリサイズされる点も特徴で、様々な広告スタイルに合わせた画像を複数用意する手間を省けます。

複数（Googleの場合は最大で15個）のアセットを事前に登録しておけば、Googleの最新AIがディスプレイ広告の掲載結果履歴から導き出される予測プランをもとに、効果の出やすいアセットの組み合わせを自動選定される点も魅力です。

そのため、あるサイトではバナー広告として表示されていても、別サイトでは訪問するユーザーの傾向に併せて動画広告として表示される可能性があります。

ちなみにGoogleでは、広告のパフォーマンスをさらに高めるために、アセットの調整に加えて、ストック画像やAIが生成した背景画像なども使用することがあります。

参考：Google広告｜レスポンシブ ディスプレイ広告について

ただし、万能にも思えるレスポンシブディスプレイ広告にもデメリットはあります。

• ・たくさんのアセットやテキストを登録するので、Googleの審査に落ちる確率が上がる
• ・画像が自動でトリミングされるため、思うように表示されない可能性がある
• ・テキストだけで配信される可能性がある
• ・広告に統一感がなくなり、商品やサービス、企業のコンセプトを強調できない可能性がある

広告を出すための手間や時間を削減するためにレスポンスディスプレイ広告を選ぶ場合は、これらデメリットに注意しましょう。

#011の動画

リスティング広告との違い

ディスプレイ広告とよく比較されるのが「リスティング広告」です。

リスティング広告とは、ユーザーがGoogleやYahooなどの検索エンジンでキーワードを入力した時に検索結果の画面に表示される広告を指して、検索連動型広告とも呼ばれます。

ディスプレイ広告と異なり、検索キーワードごとに広告を出稿するイメージです。

ディスプレイ広告もリスティング広告も私たちが日常的によく目にするWEB広告ですが、それぞれの特性は違います。

広告の表示スタイル	ディスプレイ広告▶︎画像・動画・バナーなどで視覚的に表現できる リスティング広告▶︎基本的にテキストのみで構成される（会社のロゴなどを表示できるがインパクトは少ない）
表示されるユーザー層	ディスプレイ広告▶︎大まかには表示されるターゲットを絞れるが、原則は誰でも見られるサイトやアプリに表示される リスティング広告▶︎検索キーワードに広告を出すので、より自社の商品やサービスを求めている人にアプローチできる
結果が出るまでの期間	ディスプレイ広告▶︎多くのユーザーに見られることが目的で、受注獲得など目に見えた結果が出るまでに期間がかかる リスティング広告▶︎顕在層（※）に訴求できるので、短期的な効果が出やすい

※顕在層：既に商品やサービスに関連する課題を抱えており、購入を検討している人を指し、見込み層とも呼ばれる

これらの特徴から、ディスプレイ広告よりもリスティング広告の方が購買意欲の高いユーザーに訴求できてコンバージョン率が上がるのが通常です。

そのため、多くの企業は広告戦略に合わせてディスプレイ広告とリスティング広告を使い分けています。

▶︎おすすめコラム：【動画でわかりやすく解説】Googleリスティング広告とは？メリット・デメリットから費用、SEOとの違い、やり方まで簡単解説

Googleディスプレイ広告出稿のやり方

実際にGoogleでディスプレイ広告を出す時の手順を簡単に紹介します。

ステップ①Google広告のアカウントを作る

まずはGoogle広告のサイトにアクセスして、以下の情報を入力し、アカウントを作りましょう。

• ・ビジネスの名称と業種
• ・広告をクリックすると表示されるページのURL
• ・YouTube チャンネルや Google ビジネスプロフィールのアカウント
• ・広告料の支払い情報

Googleビジネスプロフィールは無料で簡単に作れますので、広告を出す前に準備しておくことをおすすめします。

ステップ②新規キャンペーンを作る

Google広告にログインしたら、まずは「キャンペーン（※）」を新規作成します。

※キャンペーン：Google広告の単位で、個別の広告を指す

新規作成したら、まずはディスプレイ広告の目標を選択しましょう。

自社の商品やサービスを広めたい場合は、目標を「販売促進」か「見込み客の獲得」に設定します。

目標を選んだら、広告のスタイルを選びます。

今回は「ディスプレイ」を選択しますが、リスティング広告の場合は「検索」を選びましょう。

ステップ③広告の予算とコンバージョンの目標を選ぶ

新しいキャンペーンを立ち上げたら、次は一日の予算を設定します。

予算を決められない場合は、ひとまず「推奨」のコースを選んでもいいですし、事前にGoogleの無料サポート個別診断サービスを利用するのもおすすめです。

参考：Google広告｜専任のサポート担当が、あなたに最適な広告設定をご提案

予算まで決めたら、見込み顧客獲得におけるコンバージョンの目標を選択します。

広告からWebサイトへ訪問してもらい、そこから資料請求や問い合わせを獲得したいのか、ニュースレターやアカウント作成などを促したいのか選択できます。

最終目標を決めたら、後から広告を管理しやすいようにキャンペーン名をつけましょう。

ステップ④キャンペーンの詳細を設定する

次はキャンペーンの詳細設定に入ります。

広告を出す地域・言語・デバイスや除外するコンテンツ、表示するデバイスの種類などを設定できます。

ここまできたら、広告の入札単価や広告に対して重視する要素を選びます。

「コンバージョンの最大化」を重視するポイントに設定すると、ここで入力した予算内でGoogleのアルゴリズムによって最適化されたタイミングで広告が表示されます。

ここまでの情報を入力すると、「最適化されたターゲティング」がGoogle上で設定され、今後広告を追加する場合も、より多くクリックされる広告出稿が自動的にサポートされます。

さらにターゲットを細かく設定すると、リスティング広告までではないものの、自社の商品やサービスが刺さるユーザーへピンポイントでアプローチできる可能性が高まるので、ぜひ試してみてください。

ステップ⑥広告を入稿する

ここまでの手順を済ませたら、あとは案内に沿って広告料の支払い情報を入力し、アセット（画像・動画・テキストなど）をアップロードします。

その後、Googleが広告内容を審査しますが「1営業日以内」で広告が配信されるのが通常です。

参考：Google広告｜広告およびアセットの審査ステータスを確認する

#011の動画

WEB広告の効果を高めるためのコツ

WEB広告の集客効果を高めるためには、ただディスプレイ広告やリスティング広告を出すだけではなく、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

ここでは、Google広告の効果を高めるコツを紹介します。

ターゲティングを細かく検討する

Googleディスプレイネットワークにおいて重要となるのが「ターゲティング」です。

• オーディエンスターゲティング：ユーザーの年齢・性別・子供の有無・収入・使用端末や、閲覧履歴から導き出す興味関心のあるジャンルなどを限定する
• コンテンツターゲティング：関連するキーワードやトピック、WEBサイト（プレースメント）を限定する

ディスプレイ広告はリスティング広告よりも裾野をを広げて幅広いユーザーにアプローチできる一方で、関連性の低いユーザーにも表示されるの懸念点です。

しかし、このターゲティングにこだわることで、コンバージョン率アップを期待できます。

広告配信の目的をしっかりと決める

ディスプレイ広告は幅広いユーザーへ自社の商品やサービスをアピールできるツールであるからこそ、最終目的を明確に決めることが重要になります。

最終目的に併せてユーザーが思わずクリックしたくなるような画像や動画、キャッチコピーを考えましょう。

ディスプレイ広告は表示される期間を細かく決められるので、期間限定のキャンペーンを打ち出す活用方法もおすすめです。

広告のデザインにこだわる

ディスプレイ広告のメリットは、視覚的にユーザーへ訴求できるところです。

そのため、デザインにインパクトがなかったり商品・サービスの魅力が一目で伝わらなかったりすると、あまり効果は期待できません。

同じ画像とテキストを組み合わせても広告サイズによって見え方はかなり変わるので、色々なサイズ・デバイスでプレビューしてユーザーにどう映るかを事前に確認しましょう。

ディスプレイ広告とリスティング広告を使い分ける

ディスプレイ広告は将来的な顧客となる潜在層へ訴求でき、リスティング広告は既に商品やサービスを探している顕在層に訴求できます。

つまり、同じWEB広告でもターゲットが全く違うということです。

どちらいい・悪いという訳ではないので、広告戦略に合わせてどちらかに絞って広告費をかけるか、それぞれを組み合わせるなどの方法を検討しましょう。

SEO・MEOやSNS運用と組み合わせる

WEBから集客する方法は広告を打つだけではなく、いくつかの手法を組み合わせて総合的ににマーケティングすることが重要になります。

具体的な方法の例は以下の通りです。

• ・InstagramやYoutubeなど情報発信できるSNSでファンを増やす
• ・公式LINEやメーリングリストを活用して、成功事例やトレンド情報を配信する
• ・SEOにつながるコラムを定期的にアップして、広告費用をかけずに商品やサービスの認知度を高める
• ・MEOによって、地域を特定したユーザーに商品やサービスの魅力を伝える

最近はSEO（※）やMEO（※）に加えて、SNSマーケティングへ力を入れる企業が増えています。

※SEO：Googleなどの検索エンジンにおいて、結果にサイトが上位表示されるように構成・内容を調節する施策
※MEO：Googleマップなどの地図検索エンジンでサイトが上位表示させるための施策

▶︎おすすめコラム：ローカルSEO・MEOは同時＆継続対策で集客しファンを獲得｜具体的な方法・ゴール、注意点

まとめ｜ディスプレイ広告は他の集客方法と組み合わせるのがおすすめ

ディスプレイ広告は中長期的に会社のコンセプトや商品、サービスの認知度を高める上では効果的ですが、短期的に集客する上ではあまり効果がありません。

そのため、短期間で自社のホームページからの問い合わせを増やしたい方は、リスティング広告やその他SEO・MEO対策、SNSの運用などと合わせて総合的な広告戦略を立てましょう。

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