ブランド構築における、組織という資産について

2024年8月28日 2024年8月27日

当社はクライアントのWEB制作・運用を通してブランディングの仕事を行っております。私が普段からブランディングという仕事について考えているポイントがいくつかある（本当に、考える事がいっぱい有る、、）のですが、今日はその内の切り口の一つを紹介したいと思います。

会社のブランディングとは「刻印」という語源が示す通りで、すごくシンプルに言うと「覚えられる為の活動」という事になります。会社経営や商品開発はそれ自体が細かなディテールを長い年月を掛けて設計・運用してゆく事であり、私にとっては会社の日々の活動・経営そのものの蓄積がブランディング活動なのではないかと考えています。

一般的にはブランド構築の手順は

１．ブランド認知
２．ブランド連想
３．顧客ロイヤリティの獲得

になります。１．ブランド認知とは、当社が提供しているWEB運用や社内の活動で文字通りブランドを認知してもらう事です。狭い領域で見ると、例えばSEOのコラム記事でオーガニック検索を集める事や、インスタのリールでインプレッションを広げるのもその一環となります。この認知形成において、とある1中小企業に対して人間はいくつもの事を覚えられないので、捨てるものを決めてエッジを際立たせて絞り込む必要があると思っています。初期段階の認知形成から２．ブランド連想「●●といえば▲▲」というように連想してもらえるようにする、という段階に入ります。

続いて３．顧客からのロイヤリティについて、最終ゴールとしては顧客から深く支持されるブランドになる事です。ブランディングとは突き詰めると「お客様に会社の目的や価値観を伝える事」と考えており、ここまで行くとブランドが資産になった状態と言えると思います。

このブランドが資産になるという言葉で気づくのが、同じように会社の資産になるものとして「人・組織」があります。これらはＢ／Ｓの表側には載ってきませんが、会社の無形資産として重視されるべきものです。

クライアントの商品・サービスの見せ方だけではなく、それに携わる人・組織の見せ方を考えながらWEB運用という仕事を行う中、特に私どもが特化している設計事務所様・工務店様のWEB運用におけるブランディングでは、人・組織に目を向ける事が重要です。

ブランドというと何となく「商材に関するブランディング」のみに目が良きがちですが、商材だけの観点ではなく「組織＝ブランド」となり、組織自体が差別化を形成するという事です。

人や組織は会社それぞれで異なる為、最も本来的に競合優位性を作れる要素と考えています。また、当社のクライアントは中小の設計事務所様・工務店様・・・ものづくりを行う中小企業になるので、社長や創り手がどんな人なのかが特に依頼主から見られる傾向が強いと思います。生み出している住宅や建築単体を物として捉えての競合優位性を考えるだけでなく、人的資本を重視して組織構築を進めていく事自体が競合との差別化の活動になります。

WEB運用を行う中で私どもが着手させていただく前段階で、クライアントが元々持っている人・組織を、塩漬けになったWEBサイトで発信できているかというと改善の余地がある事が多いのが実情です。商材のみの観点でのブランディング活動になっていたりする事も多かったりするので、商材を見るだけではなく人・組織の強みに目を向けたWEBサイトの見せ方を提案するようにしています。また一概にすべての会社で顔を見せれば良いという事ではなく、社長を前面に押し出した方が良い場合、組織全体をフラットに見せた方が良い場合、クライアントの状況によってさまざまです。社風や社内の状況によっても変わってくるところですので、このあたりはクライアント様と密に議論しながら進めています。

そして単に人が集まっているだけでは強い組織とは言えず、本当に強い会社を目指すのであれば「会社の目的・価値観」の元に集まっている組織に育ててゆく必要があります。会社の目的が重要であるという点は、ブランディング領域と人材育成領域とに共存しているのではないでしょうか。

組織自体を差別化要因と考え、組織自体を構築する事を目的の一つにするような会社が自然と競合優位性を得ていく、という構図が生まれるのではないかと考えています。