建設業にマーケティングが必要な3つの理由と活用するポイント
商品やサービスが売れる仕組みをつくる「マーケティング」。建設業にマーケティングは必要なのか疑問に思うかもしれませんが、建設業こそマーケティングを取り入れることで売り上げが上がり、経営を安定させることができます。
今回は、マーケティングとはなんなのか、建設業になぜ必要なのか、その取り入れ方といった基礎知識をまとめてご紹介します。
コラムのポイント
・建設業にマーケティングが必要な理由と合わせて、客観的な分析やターゲットを絞るなどマーケティングを活用するポイントをまとめました。
・建設業こそ、マーケティングをうまく取り入れることで経営を安定させ売り上げを伸ばしていくことができます。客観的な視点でまずは分析を行い、必要な対策を講じていきましょう。
■そもそも……マーケティングとは?
■建設業にマーケティングが必要な3つの理由
■建設業がマーケティングを取り入れるポイント
■建設業こそ賢いマーケティング戦略を!
目次
そもそも……マーケティングとは?
商品やサービスが売れる仕組みをつくることを、マーケティングといいます。お客様が自然と購入したくなるように、ニーズに合わせて商品やサービスをつくり、適切なターゲットに対して届けられるよう戦略を練り、広告を出し、効果を検証するといった一連の流れを計画・実行します。
マーケティングの流れ
マーケティングは、次の流れで行います。
①市場調査
お客様が自然と購入したくなる商品やサービスをつくるために「何を求めているのか」を把握します。
②戦略を立てる
市場調査をもとに、どんな商品やサービスをいくらで提供するのか、どうやって届けるのか、といった戦略を立てます。
③広告&宣伝
必要とする人に知ってもらえるように、広告を出して宣伝をします。テレビCMや雑誌だけでなく、近年はSNSやweb広告など様々な手法で行います。
④効果検証
①〜③までの流れがどう売り上げに結びついたのか、費用対効果はどうだったかを検証します。また、認知度の向上や売り上げ拡大といった視点からも検証します。
建設業にマーケティングが必要な3つの理由
建設業にマーケティングの必要性を感じない、という方もいらっしゃるかもしれません。しかし建設業こそ、マーケティングを取り入れることで経営状況の大きな改善を見込むことができます。
必要な理由①重層下請構造から抜け出すため
請け負った仕事を下請けに依頼し、その下請けがその仕事をさらに下請させる「重層下請構造」。実務を担う下請け業者の対価減少や品質の低下、責任の所在がわからなくなること、正しく情報が共有されないことなど、建設業界では長らく問題視されています。
業界全体の課題ではありますが、この構造から抜け出すことで元請けに頼り切った経営をやめることができます。
必要な理由②自社の専門性を際立たせるため
マーケティング視点を身につけることで、自社の専門性を際立たせることができ、ターゲットにアプローチしやすくなります。
マーケティングには、自社分析も含まれます。ビジョンや現状、人材や資金といったリソースをどれだけ手にしているのかを改めて分析し、競合他社と比較することで、自社の強みを知ることができます。強みがわかれば、提供しやすいように専門分野として際立たせることができます。
必要な理由③自社の認知度を高め集客力をつけるため
正しくマーケティングを行うことで、今まで以上に認知度を高めることができます。自社で戦略を立てて宣伝を行い認知してもらうことができれば、仕事も獲得しやすくなるでしょう。その積み重ねによって、新規顧客の獲得、リピーターの育成に繋げることもできます。
このように、マーケティングを行うことで、自社の立ち位置を改めて俯瞰できるようになります。その結果、提供サービスや価格設定の見直し、ブランディングの変更といった経営改善につながるのです。
建設業がマーケティングを取り入れるポイント
建設業者がマーケティングを取り入れる際、おさえておきたいポイントを順番に見てみましょう。
①自社の強みを客観的に分析する
まずは、自分たちが認識している強みではなく、客観的に見た強みを分析していきましょう。分析には様々な方法がありますが、主に使用されているのは「3C分析」「SWAT分析」です。
3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)、 Competitor(競合)、Company(自社)の3つのCの視点でマーケティング戦略を練るためのフレームワークのこと。
SWAT分析
自社の事業をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素で分析すること。
客観的に強みを分析することで、課題や改善点が見えてくるのはもちろん、具体的に必要なアクションを検討することができます。
②ターゲットを絞る
自社の強みを分析できたら、ターゲットを絞り込むことができます。例えば「今までは公共施設の建築を主に請け負っていたが、分析をした結果リフォーム業の方が自社を活かすことができる」といった結論に辿り着いた場合、リフォーム業の何に困っていたら依頼したいと思うのかについてターゲットを絞っていきます。
明確にターゲットを絞ることができれば、集客しやすくなります。どんなお困りごとも解決します、と間口を広げるのではなく、ターゲットに引っかかるよう絞り込むことが大切です。
③自社サイトを運営する
多くの人がネットで情報収集する時代です。オフラインの営業活動だけでなく、オンラインの営業活動も充実させていきましょう。
ネット上での名刺変わりとなるのが、自社サイトです。ターゲットが依頼しやすいよう、
・会社情報
・施工事例や施工のポイント
・施工までの流れ
・提供サービスの詳細
・料金表
こういった情報を充実させていきましょう。
SEO対策という検索時にヒットしやすくなる対策を講じる、リスティング広告という検索画面に表示される広告を出す、などしっかりと自社サイトをつくり込むことでより必要とする人に届けやすくなります。
④SNSを活用する
ターゲットに認知され興味を持ってもらうためには、自社サイトが大きな役割を果たします。しかし一方で、申し込みやお問い合わせといった購買意欲を高めるためにはSNSの活用がおすすめです。
SNSは、自社サイトよりもターゲットとの距離が近いため、より密にコミュニケーションを取ることができます。そのため信頼関係を築きやすく、顧客育成もしやすいのが魅力です。定期的に発信を続けターゲットとの接点を増やしていく中で、マーケティングに欠かせないターゲットが求めているものを把握することもできます。
⑤イベントやセミナーを開催する
商品やサービスが売れる仕組みをつくるためには、3C分析やSWAT分析をしてターゲットが何を求めているのかを知ることが大切です。しかしより正確に求めていることを知るためには、リアルに話を聞くのが効果的です。
勉強会やセミナー、体験会などを開催して実際にやり取りをすることで、信頼関係を築きやすくなります。その結果、制約につながったり、サービスの見直しに活かすことができるアイディアを得たりと次に活かすことができるので、積極的に開催しましょう。
建設業こそ賢いマーケティング戦略を!
「自分たちには関係ない……」と思うようなマーケティングですが、建設業こそうまく取り入れることで経営を安定させ売り上げを伸ばしていくことができます。客観的な視点でまずは分析を行い、必要な対策を講じていきましょう。
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