LVLとは?建材の特徴や合板・集成材との違い、メリット・デメリットを紹介 | ミライスタイル

LVLとは?建材の特徴や合板・集成材との違い、メリット・デメリットを紹介

LVLとは?建材の特徴や合板・集成材との違い、メリット・デメリットを紹介

LVLとは、どのような木質建材なのか知りたい」と考える方は多くいらっしゃいます。

LVLを適切な場所に使用するためには、LVLの特徴を把握しておくことが重要です。

そこで今回は、LVLの特徴や合板・集成材など他の建築木材との違い、メリット・デメリットを解説します。

コラムのポイント

・LVLとは丸太を単板にし、単板の繊維方向が平行になるように積層・接着した木質建材のことです。
・LVLと合板・集成材・CLTには、積層・接着する際の繊維方向や強度に違いがあります。
・LVLには、乾燥による反りや割れを防げるなどのメリットがある一方で、加工性が低いといったデメリットがあります。

 

この記事を読むと、LVLの活用方法のヒントを得られるので、ぜひ最後までご覧ください。

LVLとは

LVLとは|特徴

LVL(Laminated Veneer Lumber)とは、2〜4mmにスライスした単板を、単板の繊維方向が平行になるように積層・接着した木質建材で、「単板積層材」とも呼ばれます。

LVLを製造する過程で木材の質の悪い部分を除去しているのに加えて、強度の弱い節部分などが分散されているため、建材として強度のばらつきが少なく、安定した品質を持っているのが特徴です。

また、積層・接着する前に、木材を含水率14%以下にまで乾燥させるので、建築後に乾燥によって反りや割れが発生しにくく、構造材や建具の枠などに利用されています。

LVLの原材料となる木材の種類は、以下のとおりです。

  • ・ダフリカカラマツ
  • ・ラジアータパイン
  • ・カラマツ
  • ・ポプラ
  • ・ヒノキ
  • ・スギなど

 

さらに、LVLは単板や接着層に薬剤処理を施すことが可能なため、薬剤処理されている場合には、建材の中心部まで薬剤が浸透しており、高い防腐・防蟻・防虫効果を期待できます。

LVLが注目される背景

LVLとは|注目されている背景

LVLが注目されるのは、LVLが建材として安定した品質を持っているのはもちろん、LVLが環境にやさしい建材であるという背景があります。

これは、LVLの原材料が「植林木」や「間伐材」などを利用しているからです。

植林木は、むやみに木を伐採するのではなく、植林から伐採までのサイクルを考慮して計画的に育てられた木材であり、地球資源の枯渇を回避するのに役立ちます。

また、LVLは原材料として間伐材といった未利用材を使うケースもあり、限られた資源を有効活用することが可能です。

 

木材の価格高騰については、こちらのコラムをご覧ください。
>>>“木材の価格高騰”は住宅業界をどう変える?今後の価格はどうなる?

LVLと他の建築木材との違い

LVLとは|その他の建築木材との違い

LVLとの違いを押さえておきたい建築木材は、以下のとおりです。

  • ・合板
  • ・CLT
  • ・集成材

それぞれについて解説します。

合板

合板とは、薄くスライスした単板を乾燥させて、単板の繊維方向を直交させるように貼り合わせた木質建材です。

一方で、LVLは単板の繊維方向を平行に積層するため、合板とLVLは単板の繊維方向が異なります。

なお、合板は軽量で加工しやすく、低コストなのが特徴です。

住宅の壁・床・屋根の下地などから家具まで、住宅のさまざまな場所で利用されています。

CLT(直交集成板)

CLT(Cross Laminated Timber)とは、ひき板の繊維方向が直交するように積層・接着した木質のパネル材で、「直交集成板」とも呼ばれます。

LVLとCLTの違いは繊維方向の向きにあり、LVLの繊維方向が並行なのに対して、CLTの繊維方向は直交です。

なお、CLTは建築の構造材以外にも、土木用材や家具などにも利用されています。

 

CLTについては、こちらのコラムをご覧ください。
>>>CLTを使った国内と海外の建築事例から見る特徴と日本での有用性

集成材

集成材とは、ラミナ(ひき板・小角材)を繊維方向が平行になるように、積層・接着した木質建材です。

LVLも集成材と同様に、単板の繊維方向を平行に積層・接着するものの、集成材よりもLVLのほうが強度に優れている点に違いがあります。

なお、集成材は住宅の柱や梁などの構造部から、家具に至るまでさまざまな場面で利用されている建材です。

 

乾燥させて強度を高めたKD材については、こちらのコラムをご覧ください。

>>>KD材とは?AD材やG材との違いとメリット・デメリット

LVLのメリット・デメリット

LVLとは|メリット・デメリット

LVLのメリット・デメリットをご紹介します。

メリットだけではなく、デメリットも踏まえて、LVLの利用を検討しましょう。

LVLのメリット

LVLのメリットは、以下のとおりです。

  • ・木材を含水率14%以下にまで乾燥させているので、乾燥による反りや割れを防げる
  • ・節などが分散されているため強度が均一で、品質が安定している
  • ・LVLは気密性や防カビ性に優れており、お客さまの満足度向上につながる
  • ・環境にやさしく、間伐材からできたLVLの利用は地産地消にもつながるケースがある

LVLは寸法安定性が高く、乾燥による変形を予防できるため、引き渡し後のクレームのリスクを軽減できます。

LVLのデメリット

LVLのデメリットは、以下のとおりです。

  • ・建材としての歴史が比較的浅く、正確な寿命が分からない
  • ・かんながけがしづらいなど、加工性が低い
  • ・釘打ちなどで割れが発生した場合、強度が低下するおそれがある

LVLには上記のようなデメリットはあるものの、品質や形状の安定性が高いのは大きなメリットになります。

LVLの製品寸法の目安

LVLとは|寸法

LVLの製品寸法は、「造作用」もしくは「構造用」の用途によって異なります。

LVLの製品寸法の目安は、以下のとおりです。

項目 造作用 構造用
厚み 20〜75mm 45〜150mm
15〜600mm 100〜450mm
長さ 2,000mm〜 2,700mm〜

LVLの製品寸法はメーカーによっても違いがあるため、必要なサイズを提供しているメーカーをあらかじめ探しておくことが重要になります。

なお、LVLの価格については製品寸法や原材料、メーカーなどによって変わるため注意が必要です。

LVLはホームセンターでも購入できるか

LVLとは|ホームセンター

LVLはホームセンターでも購入できますが、取り扱いの有無は店舗によって異なります。

ホームセンターで必ずLVLを入手したい場合には、事前に店舗に電話をかけて取り扱いや在庫状況を把握しましょう。

まとめ

LVLとは、2〜4mmに切った単板を繊維方向が並行になるように積層・接着した木質建材です。

合板・集成材・CLTとLVLとでは、積層・接着する際の繊維方向や強度に違いがあります。

今回紹介した内容を、LVLの利用を検討する際の参考にしていただけると幸いです。

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