住宅広告の種類と戦略ポイント

住宅広告とは、住宅会社の魅力を伝え、見込み客との接点をつくるための集客施策です。
チラシやWEB、SNSなどを活用し、資料請求や来場といった次の行動につなげていきます。
近年は、WEBを軸に紙媒体を組み合わせた広告設計が、成果を左右するようになりました。
しかし、「どの住宅広告を選べばよいのか」「WEBと紙媒体はどう使い分けるべきか」と悩む住宅会社や工務店も少なくありません。
そこで今回は、全国各地の建築業者様へWEB制作・WEB集客代行を提供している『ミライスタイル』が、住宅広告の種類やメリット、成果につなげるための戦略ポイントをわかりやすく解説します。
ミライスタイルでは、WEBと紙媒体を組み合わせた住宅広告の設計から運用までを、各地域の工務店様に合わせてご提案しています。
住宅広告の進め方や、自社の強みの伝え方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
【お問い合わせ】建築業界WEB活用オンライン個別相談を、毎日開催しています。
目次
令和の住宅広告の利用傾向

住宅広告は、折込チラシや紹介だけに頼る集客から、WEBを起点とした情報発信へと大きく変わりつつあります。
激変する令和の住宅広告業界
現在、住宅を検討する多くの方が、最初の情報収集をスマートフォンで行っています。
総務省の「通信利用動向調査」によると、スマホの保有割合は世帯で約90.5%、個人でも8割を超え、ネット利用の中心になっていることが分かっています。
こうした背景から、検討を本格化させる前に、公式サイトや施工事例、SNSなどを通じて情報を集めることが一般的になりました。
ただし、従来の折込チラシや雑誌広告などが不要になったわけではありません。
令和の住宅広告では、WEBと紙媒体を組み合わせて活用することで、どちらか一方を単体で運用するよりも、高い効果が期待できるようになっています。
住宅広告の重要性
住宅広告は単なる情報発信ではなく、自社の強みや価値を伝え、検討者を次の行動へ導くための「戦略メディア」として捉えることが重要です。
現在は、複数の住宅会社を簡単に比較できるため、情報が整っていない場合、検討の選択肢に入らないこともあります。
住宅広告のメリット

住宅広告によって得られるメリットは以下のとおりです。
- ・認知度を高められる
- ・地域をセグメントできる
- ・資料請求や来場予約などにつながりやすい
詳しく解説していきます。
認知度を高められる
住宅広告の大きなメリットのひとつが、自社の存在や特徴を幅広く認知してもらえる点です。
WEB広告や紙媒体を通じて継続的に情報を発信することで、これまで接点のなかった層にもアプローチできます。
住まいを検討する期間は長いため、すぐに問い合わせにつながらなくても、認知を積み重ねておくことで、検討を本格化したタイミングで思い出してもらえる可能性があります。
地域をセグメントできる
住宅広告は、エリアやターゲットを絞って情報を届けられる点も大きなメリットです。
商圏となる地域に合わせて広告を設計することで、無駄な露出を抑えながら、関心度の高い層にアプローチできます。
とくに地域密着型の住宅会社では、施工対応エリアや暮らしのイメージに合わせた広告設計を行うことで、自社に合った見込み顧客と出会いやすくなります。
資料請求や来場予約などにつながりやすい
住宅広告は、認知や興味喚起だけでなく、具体的な行動につなげやすい点も特徴です。
広告からホームページや専用ページへ誘導することで、以下のアクションに促すことが可能です。
- ・資料請求
- ・問い合わせ
- ・モデルハウス・完成見学会の来場予約
情報の見せ方や導線を工夫することで、住宅広告は問い合わせや来場といった具体的な行動につなげやすくなります。
住宅広告のメリットを活かすには、自社に合った手法を選び、効果的に活用することが大切です。
住宅広告の進め方にお悩みの方は、ミライスタイルへお気軽にご相談ください。
【お問い合わせ】建築業界WEB活用オンライン個別相談を、毎日開催しています。
住宅広告の種類

住宅広告にはさまざまな手法があります。
重要なのは「どれが優れているか」ではなく、自社の目的やターゲットに合わせて使い分けることが大切です。
ホームページ
ホームページは、住宅広告の中核となる受け皿です。
自社の強みや施工事例、家づくりへの考え方をまとめて伝える役割を担います。
ただし、何年も更新せず放置していたり、魅力的なコンテンツが無かったりすると広告ツールとしての効果は望めません。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・コンセプトに合った顧客を集められる ・施工事例と強みで他社と差別化できる ・信頼感・安心感が向上する |
・制作・運用にコストと手間がかかる ・効果が出るまで時間がかかる ・運用ノウハウが必要 |
ホームページ制作・運用で気をつけたいことについては、こちらの記事を参考にしてください。
〈関連ページ〉ホームページ制作・運用でやってはいけないこと・大事なことはすべて「ユーザーファースト」で判断できる
リスティング広告
リスティング広告は、検索結果に表示される広告で、住宅を探している層にアプローチできる点が特徴です。
「地域名+工務店」「注文住宅+エリア」など、明確なニーズを持つユーザーに対して即効性があります。
ただし、出稿を止めると表示されなくなるため、ホームページやSEOと組み合わせて活用することが重要です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・検討度の高いユーザーにピンポイントで配信できる ・即効性が高く、少額から始められる ・地域や時間帯など細かいターゲティングができる |
・継続的なコストがかかる ・専門知識や運用リソースが必要 |
住宅系ポータルサイト
大手の住宅系ポータルサイトは、大規模プロモーションにより、住宅検討者の多くがまずアクセスする「WEB上の総合住宅展示場」のような存在です。
住宅検討者が多く集まるため、集客力がありますが、他社と並列で掲載されるため、価格や条件だけで比較されやすい側面もあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・圧倒的な利用者数と露出力がある ・広告出稿が比較的簡単で、WEB知識が少なくても始めやすい ・顧客からの信頼感や安心感を獲得しやすい |
・掲載コストが継続的にかかる ・他社と横並びで、差別化が難しく広告が埋もれやすい ・掲載内容の自由度が低く、ブランドづくりには不向き |
SNS
FacebookやTwitterなどのSNSは、ユーザーが会社を見つけるきっかけになるだけでなく、フォロワーに対して定期的に情報発信できるツールとなります。
近年は、施工事例との相性が良いInstagramの活用が増えています。
広告として活用する場合は、ホームページやイベント情報と連動させることで成果が出やすくなります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・低コストで拡散力が高い ・潜在層にアプローチできる ・画像や動画で住宅の魅力を視覚的に伝えやすい |
・炎上やトラブルリスクがある ・広告規制に注意が必要 ・継続運用に時間や人材負担がかかる |
YouTube
住宅関係のYouTube動画や広告の活用事例も増えています。
ホームページやブログと動画を連携したり、写真では伝わらないショールームや物件を紹介したり、活用方法もさまざまです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・動画で住宅のリアルな魅力を多角的に伝えやすい ・低コストで拡散力が高く、新規層にアプローチできる ・分析ツールで運用改善ができる |
・動画制作に時間やコスト、スキルが必要 ・効果が出るまで時間がかかる ・炎上や広告規制のリスクがある |
雑誌広告
雑誌広告は、特定の層に対して世界観やブランドイメージを伝えやすい手法です。
WEBに比べると即時性は低いものの、信頼感や安心感をアピールすることができます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・特定のターゲット層に深く訴求できる ・信用度や認知度が向上する |
・掲載費用が高額で継続負担が大きい場合がある ・効果測定と即効性が低い |
チラシ
チラシは、地域で家づくりを考えるご家庭へ、直接情報を届けられる方法のひとつです。
イベント告知や完成見学会の案内など、行動を促す目的で活用されることが多くあります。
QRコードで自社HP・LINE誘導を入れ、WEBとの連動で測定性を高めると効果的です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・地域住民に直接アプローチできる ・写真やデザインでわかりやすく伝えられる ・地域密着のイメージを強化し、成約率を高めやすい |
・制作までに時間がかかる ・印刷や配布に費用がかかる ・記載できる情報量に限りがあり、詰め込みすぎると読みにくくなる |
チラシ集客のメリットと成功させるためのポイントについては、こちらの記事でも紹介しています。
〈関連ページ〉工務店のチラシ集客のメリットと成果につながるポイント
住宅広告に必要な要素

住宅広告は、住宅を検討している方が知りたい情報を、どのように見せるかが重要です。
ここでは、住宅広告を成功させるための要素を3つ紹介します。
- ・物件情報・写真
- ・建築パース
- ・着色図面
物件情報・写真
物件情報や写真は、住宅広告の中でも最初に目に入る重要な要素です。
間取りや広さ、価格帯といった基本情報に加え、施工事例の写真を通じて、住まいの雰囲気や暮らしのイメージを伝える役割を担います。
ただ掲載するだけでなく、以下の点を意識することが大切です。
- ・正確な物件情報
- ・写真の明るさや構図
- ・スマートフォンでの見やすさ
とくに、写真の質は住宅広告の印象や反応を大きく左右します。
必要に応じてプロに依頼し、物件の魅力を最大限に引き出すことも検討しましょう。
建築パース
建築パースとは、まだ完成していない建物を、CG技術を使って視覚的に表現する手法です。
図面だけでは伝わりにくい外観や空間の広がりを直感的に伝えることで、検討者の興味や関心を高めるきっかけになります。
近年では、写真と見間違えるほど高品質な建築パースも増えており、広告においても目を引くビジュアルとして活用されています。
高品質なパースは、ページの滞在時間を伸ばしたり、住まいのイメージが記憶に残りやすくなったりといった効果が期待できます
工務店・建設会社での具体的なDX手法をこちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
〈関連ページ〉工務店・建設会社DXの方法|WEB強化で差を付ける!
着色図面
間取り図は、白黒で描かれた平面図よりも、着色された図面の方がイメージを伝えやすくなります。
とくにファミリー向けの住宅広告では、色合いによって家庭的で温かみのある印象を演出できるため、物件への興味を高める効果が期待できます。
また、部屋ごとの色分けや注釈を工夫することで、専門知識がない方でも内容を理解しやすくなり、「自分たちの暮らし」を具体的に想像しやすくなる点も特徴です。
住宅広告戦略のポイント

住宅広告は、ただ広告を出すだけでは成約にはつながりません。
自社の強みを明確にしてターゲット層に合わせた戦略設計と成果を検証していく必要があります。
ここでは、広告施策を効果的に活用するための戦略ポイントをご紹介します。
WEBと紙媒体を併用し、最適なバランスを設計する
住宅広告では、WEBか紙かを二者択一で考えるのではなく、それぞれの特性を活かして併用することが重要です。
たとえば、これまで新聞の折込チラシで一定の集客ができている場合、すぐにやめてしまう必要はありません。
折込チラシを起点に、ホームページやイベントページへ誘導する導線を設けることで、反響を高めることができます。
広告施策は固定するものではなく、状況に応じて比重を調整していくことが大切です。
客層の違いを理解して使い分ける
住宅広告は、すべての人に同じ訴求をしても成果にはつながりにくいことがあります。
ファミリー層やシニア層など、ターゲットごとに情報の受け取り方や重視するポイントは異なります。
たとえば、年齢層が高い方に届きやすい新聞広告で、若年層向けの低価格マンションや建売住宅を訴求しても効果は得られない可能性があります。
一方で、バリアフリー対応の平屋住宅や介護付きマンションなどは、関心を持たれやすく、集客につながりやすい傾向があります。
各メディアのユーザー層の違いを把握し、届けたいターゲットに合った商品情報を的確に訴求しましょう。
ビジュアルを効果的に見せる
住宅広告では、ビジュアルそのものの質だけでなく、「どこで、どの順番で見せるか」も重要です。
同じ写真やパースでも、媒体や掲載位置によって受け取られ方は変わります。
検討者の視線の流れを意識して構成することで、理解が深まり、次の行動につながりやすくなります。
定期的に分析・改善を行う
住宅広告は、出稿して終わりではありません。
WEB広告では、クリック率やコンバージョン率、滞在時間や離脱率などを継続的に分析し、小さな改善を積み重ねていく必要があります。
データをもとに改善を重ねることで、同じ予算でも効率的な集客が可能です。
チラシや雑誌広告などのオフライン広告では、来場時のヒアリングや問い合わせ経路の確認、反響数の推移などで、効果を検証することができます。
施策を外注する
広告戦略の立案や運用には、専門的な知識と継続的な対応が求められます。
自社だけで対応が難しい場合は、住宅業界に詳しい外部パートナーを活用するのも有効な選択肢です。
ただし、すべてを外部に任せるのではなく、自社で対応できる業務と専門家に任せる業務を整理することが重要です。
自社と外部パートナーの役割を整理することで、無理のない体制を整えながら、広告施策を継続的に改善していくことができます。
ミライスタイルは、住宅業界に特化した視点で、広告戦略の設計から改善運用までを一体でサポートしています。
住宅広告の進め方や、現在の施策にお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
【お問い合わせ】建築業界WEB活用オンライン個別相談を、毎日開催しています。
住宅広告を出稿する際の注意点

住宅広告を出稿する際は、集客や認知拡大に効果的なコンテンツを作成するだけでなく、守るべきルールや法令があることにも注意が必要です。
誤解を招く内容や不正確な情報を含む広告は、企業の信頼性を損なうおそれがあるため、基本的な注意点を押さえたうえで運用しましょう。
掲載ルールを遵守する
住宅広告を出稿する際は、宅地建物取引業法(宅建業法)を中心に、守るべきルールが定められているため、事前の確認が必要です。
主なルールは以下のとおりです。
- ・誇大広告等の禁止:事実と異なる表示や、実際より優良・有利に見える表現は禁止されています。
- ・取引態様の明示:全ての広告で「売主」「代理」「媒介」を明記する必要があります。
- ・広告開始時期の制限:未完成物件は、建築確認や開発許可を受けた後でなければ広告を出すことはできません。
これらのルールは、WEB広告・SNS・チラシなど媒体を問わず適用されます。
また、QRコードを経由して遷移するWEBページも対象となるため、広告全体を通しての確認が重要です。
景品表示法を遵守する
住宅広告では、景品表示法への配慮も欠かせません。
景品表示法は、消費者が誤解するような表示や、実態よりも著しく有利に見せる表現を規制する法律です。
とくに、以下のような点に注意が必要です。
- ・優良誤認の禁止:実際の性能や仕様以上に、「高品質」「最高水準」などと過度によく見せる表現は認められていません。
- ・有利誤認の禁止:価格や条件について、実際よりもお得であるかのように誤解させる表現には注意が必要です。
- ・おとり公告の禁止:実際には販売できない土地や建物などを、あたかも販売中であるように掲載することは禁止されています。
これらは住宅業界に限ったルールではありませんが、景品表示法に違反した場合、広告の差し止めや行政指導の対象となることがあります。
正確で分かりやすい情報を丁寧に伝えることが、結果として企業の信頼性につながるため注意しましょう。
〈出典〉消費者庁ウェブサイト:景品表示法
住宅業界のWEB広告実例
最後に、ミライスタイルがお手伝いした、さまざまな住宅業界のWEB広告運用実例をご紹介します。
クレアカーサ(日立リアルエステートパートナーズ)

こちらは、千葉県茂原市を拠点に展開する「クレアカーサ(日立プロパティアンドサービス)」様のWEB運用事例です。
メーカーのブランド力やデザインを活かし、幅広い住宅商品からユーザーが必要な情報にアクセスしやすいホームページを構築しました。

住宅コラムによるSEO対策に加え、会報誌などの紙媒体施策を組み合わせることで、継続的なアクセス数の向上につなげています。
〈詳細ページ〉クレアカーサ(日立リアルエステートパートナーズ)
株式会社 オカムラホーム

不動産事業から新築注文住宅・分譲住宅、リフォーム・リノベーション、中大規模建築まで幅広く手がける、千葉県の大手ビルダー「オカムラホーム」様のコーポレートサイト制作・運用事例です。
トップページでは、動画を用いたスライドやパララックス表現を取り入れ、他社サイトとの差別化を図りつつUXの向上を重視しました。

公開後は、各事業への導線となるポータルサイトとして、コンテンツマーケティングを軸にした集客・運用を行っています。
〈詳細ページ〉株式会社オカムラホーム
ミライスタイルでは、ここでは紹介しきれなかった住宅広告運用実例を多数公開しています。ぜひごらんください。
まとめ|時代に合わせた住宅広告戦略の構築を
住宅広告を取り巻く環境は、情報収集の手段や検討行動の変化により、大きく変わっています。
現在は、WEBと紙媒体のどちらかに偏るのではなく、それぞれの特性を理解したうえで組み合わせて活用することが大切です。
また、住宅広告は単なる情報発信ではなく、自社の強みや価値を伝え、検討者を次の行動へ導くための戦略的な取り組みへと変化しています。
住宅広告を「出して終わり」にせず、成果につながる仕組みとして育てていきましょう。








