工務店が大工を探す方法|人手不足解消のポイント
最近は大工の高齢化が進み、このままだと10~20年後に多くの人材が引退することで人手不足になる可能性が高いです。
しかし建築業界全体で人手不足となっている現代、新たな大工の確保も簡単なことではありません。
今までの方法で自社大工や協力業者が見つからない時は、新たな探し方を採り入れてみましょう。
今回は大工を探す方法と人手不足を解消するため、見直したいポイントを解説します。
目次
大工の確保は工務店の重要課題!
現在の建築業界は業種を問わず人手不足が慢性化していますが、大工も例外ではありません。
2022年6月に厚労省が発表したデータでは、一般職全体の有効求人倍率1.27に対し、建設業は4.15倍と厳しい数字が出ています。
参照:厚労省
かつては建築の花形と言われた大工も、厳しい労働環境や賃金の低下などが進み、若い方から敬遠される職業の一つになってしまいました。
現役の大工も高齢化が進んでおり、50歳以上の職人が大多数を占めています。今後10~20年で彼らが引退していくと、今は人手が足りている工務店でも将来大工不足に陥る可能性は高いです。
野村総合研究所の発表によると、2015年時点で35万人だった大工は、2030年に21万人に減少すると見られています。
参照:野村総合研究所
高品質なサービスを継続していくためには、腕の良い大工の確保が最重要課題です。
人手不足なのは競合工務店も同じですから、良い大工を確保できれば差別化になり将来の大きな財産となるかもしれません。
大工を探す方法
知り合いの紹介
普段から付き合いのある職人に大工を紹介してもらうのは、昔からある確実性の高い方法です。
声をかけるだけなら費用は掛かりませんし、職人独自のネットワークから普通の求人では得られない人材に出会えることもあります。
ただし、自社のコンセプトや仕上がりに合わない人材が来ても、紹介してもらった手前断りにくい点は要注意。
声をかけるのは信頼できる職人に限定し、あらかじめ仕事ぶりや人物像などを詳しく聞いてから紹介してもらいましょう。
職人マッチングサービス
仕事を求める大工とつながることができる、職人マッチングサービスを活用するのも一つの手です。
月額費用や契約費用が掛かることもありますが、現場単位で大工を発注できるので直近の人手不足解消にも活用できます。
仕事の内容や日程、予算まで指定できるため、一般的な求人を出すよりスピード感があるのもマッチングサービスのメリットです。
仕事を依頼してみて腕や対応が良ければ継続発注し、合わなければその後は無理に付き合う必要が無いのも使いやすいポイント。
モデルハウスのメンテナンスや小さなリフォーム案件などで試して、腕が良ければ新築現場を頼むといった方法も取れます。
誰でも応募できるため大工のレベルはまちまちですが、過去の受注履歴や評価を確認できるサービスも。
比較的若い層の大工が期待できるので、長く仕事を頼める人材を探すのにも向いています。
ハローワークや民間の求人を出す
正社員として大工を採用するなら、ハローワークや民間に求人情報を掲載するのが一般的です。
ハローワークは掲載料が掛からないので、給与や条件を調整しながら何度も求人を出すことができます。
事前登録とハローワークに足を運ぶ手間はありますが、2回目以降はインターネット経由で求人を出せます。
民間の求人サイトや雑誌は掲載料がかかるものの、多くの人の目に留まる可能性は高いです。
職人に特化した求人媒体などもありますが、ほかの競合工務店と比較されるので条件によって反響率が変わる可能性があります。
直接連絡してみる
タウンページやホームページをチェックして、直接仕事の依頼連絡をしてみるのも良いでしょう。
腕の良い大工は仕事が切れる可能性は低いため、こちらからアクションをかけないと接点が作りにくいです。
直接連絡したときタイミングが良ければ、小さな仕事でつながっておいて新築を頼むといった流れも作れるかもしれません。
あまり確率は高くありませんが、一つの選択肢として試す価値はあるでしょう。
ウェブサイトに求人情報を乗せる
今は大工もパソコンやスマートフォンで情報収集している時代ですから、自社サイトに大工募集を掲載するのも一つの手です。
大工を募集しているということが分かれば、仕事を求める職人から連絡が来る可能性が発生します。
自社サイトなら一度作ってしまえば、その後はサーバーや維持管理などわずかな費用で求人し続けられるのも大きなメリット。
SEO対策で「地域 × 大工募集」などの検索キーワードで上位表示されれば、仕事を求める大工の目に留まりやすくなります。
前述したマッチングサービスや求人情報などを見た人が、自社サイトをチェックして応募してくれる可能性も高いです。
デザインや条件などを自由に設定できるので、自社のコンセプトに共感した大工を見つけたいときに効果的な方法です。
交流イベントに参加する
さまざまな団体が主催する建築業界の交流イベントに参加し、人脈を増やしながら大工を探すのもおすすめです。
労働組合や土建組合、建材メーカーや自治体など、探してみると意外とたくさんの建築系異業種交流会は開催されています。
参加費がかかるケースが多いですが、数千円で複数の協力業者とつながるチャンスを持てるなら費用対効果は高いでしょう。
大工以外の業種と出会うチャンスにもなりますので、タイミングが合えば積極的に参加してみてください。
人手不足解消のときに見直したいポイント
競合より待遇が悪くないか
大工の協力業者が集まらない、または仕事を受けてくれなくなってしまう場合は、競合工務店と比較して待遇が悪くないか見直してみましょう。
競合より給与や日当、労働条件が悪いと、転職してしまったり仕事を受けてくれなくなったりする可能性が高いです。
また正社員大工はほかの業種より平均年収が低い傾向があるので、若い人材は別の業界に転職してしまうケースもあります。
人が辞めてしまうときは必ず理由を聞き、まずはできる範囲から待遇改善に取り組んでみてください。
成長する仕組みとチャンスがあるか
若い大工を1から採用し育成する場合は、最初の待遇だけでなく成長できる仕組みと収入アップのチャンスをつくりましょう。
昔の大工は安い日当で「見て覚える」のが当たりまえでしたが、現代の若い方に受け入れてもらうのは難しいです。
先輩大工からの指導や研修制度、仕事を覚えれば収入アップできる制度があると、若い人を採用しやすくなります。
逆に最初の給与や待遇が良くても、将来性を感じてもらえなければ若い人材に応募してもらうのは難しいでしょう。
労働環境や福利厚生の整備
長時間労働やケガで働けない不安などを解消するため、労働環境や福利厚生を整備することも人材確保のための大切なポイントです。
人材不足の建築業界ではどうしても長時間労働になりがちですが、業務のムダを無くしなるべく改善していきましょう。
週休二日制は難しいかもしれませんが、有給制度など競合にない福利厚生面を打ち出せば、有望な若い人材が採用できる可能性も高まります。
大工として働きたい、安心して働けると感じてもらえる環境を作りましょう。
まとめ
大工の高齢化が進む現代、人手不足解消は工務店にとって喫緊の課題と言えます。
逆に言えば、今から人材確保に取り組み、有望な大工を育てることができれば10年後大きな財産になるということです。
通常業務と並行して募集・採用・育成をするのはなかなか大変ですが、できる部分から少しずつ取り組んでいきましょう。
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