工務店が住宅フランチャイズに加盟するメリット・デメリット
独立開業や安定した経営を目指す中小企業にとって心強い選択肢であるフランチャイズは、住宅業界でも一般的なものになっています。
住宅フランチャイズについてなんとなくのイメージはあるものの、実際に加盟するか検討するときは細かい部分が非常に気になりますよね。
そこで今回は、地域工務店が住宅フランチャイズに加盟するメリット・デメリット両面を詳しく解説していきます。
目次
■住宅フランチャイズとはどんな仕組み?
■住宅フランチャイズ加盟のメリット
■住宅フランチャイズ加盟のデメリット
■フランチャイズ加盟前にチェックすべきこと
目次
■住宅フランチャイズとはどんな仕組み?
まずは住宅フランチャイズの基本的な仕組みをしっかり把握しておきましょう。
フランチャイズチェーンは「フランチャイザー」と呼ばれる本部と、加盟店である「フランチャイジー」によって構成されます。フランチャイザーは住宅商品や販売ノウハウを開発し、一つのパッケージを構築。フランチャイジーは加盟金や売り上げに応じたロイヤリティを支払うことで、このパッケージを自社商品として使うことができるという仕組みです。
フランチャイズ経営はコンビニエンスストアや外食産業で多くみられますが、住宅業界とも相性が良いため、複数のFCが展開されています。
■住宅フランチャイズ加盟のメリット
・商品開発が不要
住宅フランチャイズに加盟すれば自社で商品開発するコストと時間がかからず、魅力的なラインナップをすぐに展開することができます。極端な話、資金さえあれば住宅業界未経験の方でも開業するのは難しくありません。本来かかる大きな費用やコストを省くことができるのは、独立を目指す経営者の方にとってはかなり大きなメリットですよね。
大手が開発した耐震性や断熱性など最新スペックの商品を取り扱えるため、地域で勝ち残りやすくなるのも魅力。
・知名度と信頼感を得られる
全国展開のFCチェーンならネームバリューと信頼感をユーザーに訴求できるのも、大きなメリットです。「〇〇工務店」だと地元での知名度や信頼を1から構築しなければいけませんが、フランチャイズ経営なら本部からの集客が期待できます。テレビコマーシャルや広告で見たことのある会社なら、検討のテーブルに残りやすくなるでしょう。
・データとノウハウを活用できる
多くの加盟店から集まった経営データや営業ノウハウを活用できるのも、住宅フランチャイズの魅力です。自社が扱える年間棟数よりはるかに大きなデータが集まるわけですから、経営の精度アップが期待できますよね。経営計画の立て方やイベント企画などサポート体制のあるフランチャイズも多く、経営の失敗を回避しやすいといえるでしょう。
経営や営業のノウハウは蓄積に時間がかかりますし、社員全員にフィードバックするのも大きな労力がかかります。フランチャイズ本部からデータや支援があれば、余計な手間をかけず効率的な経営につながります。
・人材育成しやすい
新卒・中途どちらにせよ人材育成は多くの会社が苦労するポイントですが、FC本部からのサポートがあるとかなり効率的になります。
研修制度を設けているフランチャイズも多く、自社で教育体制を構築するコストと手間を省けます。営業や施工管理に関するツールが用意されているフランチャイズなら、属人的な営業ではなくスタッフレベルを平準化できるのもメリットの一つ。
ワークフローがはっきりしていると新入社員の定着率アップも期待できますし、一人立ち期間の短縮にもつながります。
・仕入れ単価面で有利
多くの加盟店が発注する分、大量仕入れできるフランチャイズ経営はコスト面でもメリットがあります。FC本部への一括発注で仕入ルートの構築や交渉といった手間もなくなり、業務上のコストダウンにもつながります。
■住宅フランチャイズ加盟のデメリット
・ロイヤリティがかかる
住宅フランチャイズのロイヤリティは契約内容によって変わりますが、基本的には加盟し続ける限り何らかの費用が発生します。固定型・売り上げ変動型などさまざまな体系がありますが、ある程度の利益を上げないと経営を圧迫されるケースもあります。自力経営で成功すればかからないコストなので、加盟の際悩ましいポイントとなることが多いです。
・ルールがあり小回りが利かない
住宅フランチャイズはブランドイメージを守るため、工法や商品に関する細かいルールがあり、状況によってはデメリットとなる可能性もあります。例えば特定の建材や仕上げ方法のブームが来ても、材料指定があると自由に変更することはできません。
・パッケージをうまく扱えないと機能しない
広告宣伝から営業活動、施工管理やアフターメンテナンスまで一貫したマニュアルがあるのは大きなメリットですが、上手く機能しない可能性もあります。
フランチャイズ商品はトータルパッケージとして開発されているため、コンセプトや機能を理解して忠実に扱う必要があります。営業活動を少しアレンジしただけで、契約率が落ちてしまうといったケースもあるわけです。
■フランチャイズ加盟前にチェックすべきこと
・コンセプトが自社に合っているか?
住宅フランチャイズを選ぶ際は、まず自社が目指すべき経営方針・コンセプトとマッチするかどうかチェックしましょう。
デメリットでお伝えした通り、いったんフランチャイズに加盟するとコンセプトやデザインの変更は難しくなります。せっかく経営が軌道に乗っても、自分や社員が思い描いたコンセプトとかけ離れてしまうとやりがいがありませんよね。
性能・デザイン・ユーザーへの想いなど、隅々まで共感でき「この商品を売りたい」と思えるフランチャイズを選びましょう。
【関連コラム】⇒工務店ホームページで自社の強みをどう伝え集客するか
・知名度や集客力があるか?
ロイヤリティを支払ってフランチャイズに加盟したのに、集客につながらなければ意味がありません。加盟店舗の数や年間棟数、知名度や集客力はフランチャイズよって異なりますので、しっかりチェックしたいポイントです。例えば「輸入住宅なら○○」といったレベルまでユーザーの認知が取れているなら、かなり集客力が期待できます。
・地域に合った魅力的な商品ラインアップがあるか?
自社の営業エリアにマッチし、競合に勝てる商品ラインナップがあるかも要チェックポイントです。例えば土地が狭い東京都内なら、3階建てなど狭小対応できる商品は自社の強みになりますよね。逆に土地が安い郊外だとあまり意味がありません。
自社の商圏でしっかり戦うため、強力な武器となる商品を持つフランチャイズを選びましょう。
【関連コラム】⇒地域工務店の商品力強化~自社の本当の商品は何か?
・ロイヤリティを無理なく支払えるか?
経営が軌道に乗り、しっかり利益が出るまでロイヤリティを支払えるかという観点も確認すべきポイントです。スピード感のあるフランチャイズ経営とはいえ、初期段階ではロイヤリティ支払いが負担になる可能性もあります。閑散期などで売り上げが下がったときも、ギリギリのロイヤリティだと経営を圧迫してしまいます。
売り上げとロイヤリティのバランスをシミュレーションし、資金がショートする可能性がないかチェックしましょう。
・契約期間や解除条件
住宅フランチャイズに加盟するときのことだけでなく、契約解除するケースもしっかり想定しておきましょう。契約期間や解除金などの条件を確認しておかないと、何らかの理由で契約解除となったときに膨大な費用に困る可能性があります。途中解約だと違約金が発生するなど、イレギュラーなケースもシミュレーションしておいてください。
■まとめ:住宅フランチャイズを上手に活用して安定経営を
商品力や集客力などメリットがたくさんある住宅フランチャイズへの加盟ですが、注意すべき点やしっかりシミュレーションすべきこともあります。メリットを最大限活かすため、自社のコンセプトや商圏に合ったフランチャイズを選びましょう。今回の記事が工務店様の安定経営に役立てば幸いです。
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